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🖤💚 ピンクムーン

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🖤💚 ピンクムーン

1 - 第1話

♥

286

2025年04月14日

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外は土砂降りの雨。


こんなにたくさん降ったのは久しぶりだ。


そして今日は一段と冷える。

まん丸い後頭部の可愛い恋人は、一度仕舞ったもこもこパジャマを再び引っ張り出して窓の外を眺めている。


🖤「今日は何だったっけ?」

💚「ピンクムーン」

🖤「そうだ、それだ。残念だったね」


今日の月を楽しみにしていた阿部ちゃんの背中はわかりやすくしょんぼりしている。

ぺったんこの犬耳と下がった尻尾が見えるようだ。


キッチンからその背中を見ながら、阿部ちゃんが『これ飲もう』と持ってきた紅茶を淹れる。

ベリーの紅茶で、綺麗なピンク色。


🖤「飲む?」

💚「ありがと」


諦めた様子でカップを受け取り、口をつけて『熱っ』と肩を竦めた。


🖤「大丈夫?」

💚「ん、熱々欲しかったから嬉しい」



窓際に行って寄り添う。

🖤「次はいつ?」

💚「いつだっけ、ど忘れしちゃった」


いつもならすぐ調べるのに、その様子はない。

よく見ればスマホは移動しないと届かないテーブルの上、今は窓際で2人ぴったりくっついて少し体重を預けられている。


🖤「離れたくないんだ」

💚「うん、今はこうしてたい」

🖤「この紅茶、ほんとに綺麗な色だね」

💚「俺も思った、これ選んで正解だったな」


カップの中を見つめる目はとても穏やかで優しくて、俺の好きな眼差し。

思わず自分のカップを置いてぎゅっと抱き寄せた。


💚「わぁ、危ないよ」

🖤「なんかぎゅってしたくなっちゃって。阿部ちゃん好きだよ」

💚「ふふ、嬉しい。俺も好き」


阿部ちゃんもそっとカップを置いたので、それを合図にキスをする。

もこもこパジャマの上から上半身のラインをなぞって、唇を離すともう顔が赤い。


🖤「ピンク阿部ちゃんだ」

💚「もう、すぐそういう事言う」


恥ずかしがって両手で顔を扇ぎながらも嬉しそうな阿部ちゃんにもう一度キス。


雨の音、間接照明のオレンジの光、そして目の前の愛しい人。


🖤「いいものしかない」

💚「ふふっ」





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