──────────それから数日後
タリア「…まぁ体には異変は無いし大丈夫…だと思いたいんだけど」
と若干暗い顔をし彼女は自身の働くカフェへ向かい
ドアを開けるとドアの上にあるベルが鳴り
タリア「おはようございます…店長」
と彼女の目線の先には優しい顔をした老人がグラスを布で拭いており
店長「おや、おはよう。タリアちゃん」
と店長は優しく微笑み
それを見ればタリアはそれに返す様に微笑み返し
店長「さぁ、準備をしておいで」
と開店まであと数分で
タリア「は、はい!…」
と急いで準備に向かい、エプロンを着て後ろでリボン結びをすればカウンターに出ると何故か店長は急いでいる様子でドアを開け
店長「タリアちゃん!私少しだけ買い出しに行ってくるから!」
とそれだけを言い急いで出ていく店長を見て
タリア「…ッ!て、店長!待って…」
と止めようとするも彼の姿は何処にも無く。
タリア「え、えぇ…」
と膝を床に着き、ふと顔を見上げ時計を見れば
───開店の時刻だった───
タリアは扉を開けるとドアに掛かる『CLOSED』と書かれた看板を持つと
────────『OPEN』──────────
と記載された方にくるりと変えると室内に入り、タリアは溜息をつきながらカウンターの方へ戻ろうとしたその時だ。
可笑しいドアが開けばベルが鳴るようにもなっているし、私は今…開けたばかりで通りには誰も居なかった…はずなのに。そこにはある『一人の男』が居た。
────黒髪に少し白が混ざっており、目は黒く片方はグレーのオッドアイとなっていて黒いマスクを付け…服装は何処かの研究者のようだ。それに彼の頭の上の輪っかが気になる。あれは飾りだろうか?…──
その男に見惚れて居たかの様に彼を見つめ。その男はこちらを見ると
??「あ゛?…何見てんだよ」
とタリアは想像していた彼とは違いがっかりとしたように溜息をつき。
タリア「お客さん、凄いですね。今OPENしたばかりだと言うのに」
と、作り笑顔を向けながら彼に話し掛け
??「…?俺はずーっと此処に居たぞ?」
とその男は首を傾げ、それを見たタリアは
タリア「…は?…だ、だから…今開けたばかりなんです!」
と目を丸め彼に問い詰め
??「だから…なぁ?俺はずっと此処に居てお前とも何度もすれ違っているんだ」
タリア「不法侵入なら警察呼びますよ!?」
と大声を出し、するとそれに驚いたかのような表情をすれば
??「てか、お前…俺が見えてるのか?」
と驚いたのは違う内容で
タリア「えぇ!勿論はっきり見えますよ!…なんです、その言い方貴方が幽霊みたいな言い方をしないでください…」
??「え、だって俺…」
───「悪魔だし」───────────────
と平然とした顔でそう言うとタリアは頭を抱え
タリア「…病院行きます?」
と顔を上げれば引いたような顔をしており
??「行かねぇよ!゛…?」
と最後に少し眉間に皺を寄せて
??「…お前なんでラクとフュールの…匂いがするんだ」
タリア「…あの人達と知り合いなんですか?」
と面倒くさそうに言えば首を傾げ
??「嗚呼…一応同僚みてぇなもんだしな」
タリア「な、なら!早くこの人達を出してください!」
と、彼の肩を掴めば揺すり
??「…ッ゛…やめ…ろ!…~゛」
とすぐにそれを振り解き。タリアは地面に尻もちをつき
タリア「い゛…ッ~…た」
と痛みからなのか若干涙が浮かび
??「ッ!…す、すまねぇ…」
と彼女に手を差し伸べ、タリアはその手を掴み立ち上がり
タリア「…力の加減ぐらいしてください」
と少し愚痴を零し。
??「…すまない…」
と反省しているようで、それを見れば
タリア「良いですよ。私が肩を揺すったのも悪いですし」
と、最終的には2人で謝り。此処では客も来ると言うことで帰宅の時間まで待って貰い、家で話すことにし、仕事に戻った。
その間彼は珈琲を飲み美味しかったのか何杯かおかわりをしていた。だが、砂糖やミルクを入れる量が多いと思ったのは…気の所為だろう。
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