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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「そういえば、彼女の力を抑え込む事ができる道具がある場所って何処なの?」キングはそう言った。「其処は情報を集めながら探す、それにレナが魔神族の種の人間ってのはあの聖騎士達にも情報噂が広がってもうわかってるだろうし、そうなったら俺達と行動しているのが気づかれて、レナも襲撃の的にされかねない、そうなる前に早いとこ、やる事やってさっさと戻るぞ」メリオダスは先を急いでる様子。もしもの場合でリオネス王国の聖騎士達に出会した時、そうなればレナが最も今は確実に狙われると睨み、聖騎士らに追いつかれる前に目的の物を探し出して、戻る、その方向に行動を変更し、と…「…………聖……騎士…?、私…そうなったらどうなっちゃうの…」レナはメリオダスからでた聖騎士という事に敏感になって、また怖がり始めた。それもその筈、彼女がゴウセルに出会う直前まで、彼女は当初行く当てもなく放浪していたところを、突然知らない聖騎士から追われる事になっていた、それを偶然ゴウセルが助け…というのがレナとゴウセルの出会いの始まりの出来事だった。つまり、今は追われる身となっているとなっているという事になれば、当然怯えてしまうのも仕方がない事。でも、今の彼女の一人ではない、心強い…助け合い、支えてくれる、それから自分の事を大切に守ってくれて、愛も感じれる…そんな事を実感させてくれる、そのような存在の人物まですぐ傍にいる。「レナ、怖がらなくて良い、君の事は何があっても俺が守ろう」ゴウセルがそう言って、何と自分から彼女の手を握った。彼の方も、少しずつ彼女に惹かれた関係性に発展していった。それに彼女と出会っ てからは彼女の事を頻繁に気にかける事が多くなったあたり、もしかすると彼は…。「ありがとう……ゴウセル」とレナは怯えた気持ちを一旦落ち着かせる為に、彼に抱擁をしてくれないかと頼み、温もりからくる安心感を彼女は抱擁から得る。と、レナというのは本名ではない事は前回のエピソードにて判明した事ではあるが、それは まだ明かす事は出来ない…まだその時ではない、それに彼女に関しての事で秘められた秘密もまだまだ数多く隠されている。何れ明かされる事になる、全ての真実が…それまでじっくり待っていて欲しい。彼らはとにかくレナの魔神族の呪いの力を鎮める力を持つ道具がある場所の手掛かりを…と此処でゴウセルは向かいながら、アーサーのあの部屋で得た情報の中でとある一つの情報を思い出し、メリオダスらに、「そういえば、その封印されているかもしれない宝石は人目につかない、茂みのある洞窟や深々とした森…何かの場所にそれはあり…と書かれていた気がするぞ」と言い、その情報に先頭で歩いていたメリオダスは耳を傾け、「ほんとか…!!、それは良いヒントを見つけたな、良し!そんじゃその情報をヒントにそれらしき場所を捜索だ!」メリオダスはその道具の保管情報が分かり、張り切る。

でも、仮にも彼女の秘密を暗示した物である事が予測され、その為に見つけたとしてもかなり厳重に保管されている可能性が大いに高そうだ。そうして何より気にしなければならないのはリオネス王国の聖騎士達やあの魔神族を崇拝しているという者達による追っ手の存在。それらに追いつかれる前に、一刻も早く目的地へ辿り着き、目的の物も回収する…迅速な行動が求められる。

ゴウセルが得たという手掛かりの情報を元に探索を進めていると、どんどん進み…気づけばゴウセルが読んでいた書物に記されてあった場所だと思わしき場所がもうすぐ傍に見えてきていた。

「あ、なんか見えてきたよ!ゴウセルが言ってた場所ってあそこじゃない? 」ディアンヌは遠くから見える景色を見ながら目的地に向かって歩く。「………間違いなさそうだな、っといけない、ゴウセル、此処で合ってるか?」と彼は念の為ゴウセルに確認する、もし間違っていたら元も子もない。それにゴウセルはそもそもが読書が趣味だからか、アーサーの部屋でも彼が他の団員よりも多くレナについての書物に目を通していた為、其処から吸収した情報も必然的に多い。その為メリオダスはゴウセルに一度確認の意味を込めて確認を取った。「ああ、場所は此処で間違いなさそうだが…後はこの先に本当にあの本に記してあった物があるのかどうかだな、有りさえすればあとはそれを手に入れられるが…」ゴウセルが不安を同時に溢すが、何もともあれどうやらこの場所で間違いないなら、とりあえずは一安心だ。それから、それを持ち帰ってレナに眠る呪いの抑制に効果があるのかも確かめたい。「なんか森みたいに緑や自然が溢れかえっててまさに、いかにも何か重要な物を隠すのには持ってこいの場所って雰囲気だな、きっとこの奥に俺たちが探し求めてる奴が眠ってるって訳だよな」「ああ、そういう事で間違いないだろう」メリオダスとゴウセルはそう軽く会話を交わし、彼女の魔神族の呪いの力を制御出来るとされている唯一の道具をこの先にある更に奥深く、最深部へと取りに行く。中に入ってみると其処はまるで神秘的な洞窟を思わせるつつも、森林のようにも見える奥地で、そんな空間が広がっていた。

延々と広がる景色を進んでいき、かなり奥地へ到着した時それは突然と現れた。

「あった!、これだな…で、後はこれを手に持って持ち帰ってみるとするか」「ああ」二人はそう話し、目的の物が手に入り、後は此処から出て戻るだけ、だったが…此処で遂に追っ手に追いつかれてしまう。「そう簡単には帰らせませんよ、七つの大罪…そして魔神族に呪われた哀れな少女さん」と後ろから何やら声がした。しかし、メリオダスらに関してももう知っている存在で正体など、すぐに分かった。「やっぱ追ってきやがったか、ギーラ。それにジェリコ、揃いも揃ってお前らの目的は分かってるんだ、レナだろ」メリオダスはレナが居る背後で怯えているレナに視線をやる。「ええ、よくご存知で。それと、貴方が今其処に持つている石も、さあそれらを我々を差し出して下されば、下手な争いをせずに済みますから」ギーラと言う聖騎士はそう真っ先に交渉を出してきた。しかしながら、当然その交渉に素直に応じるわけもなく、メリオダス達は彼女を守るように前方の配置につき、彼女は襲われるのを恐れて、ゴウセルの背後に隠れて怯える。「さあ、こっちへ来て、貴女が大人しく此方へ来てくだされば、我々はそれで十分です、それに言う事を聞かなかった場合に強制的に貴女を此方へ誘導する手段も持ち合わせています」とギーラはそう言うと、とある物を前に突き出すように見せびらかした。それは…見た事もない紋様と、禍々しい色していた綺麗な造形の石だった。「何だ…?、それ……ってまさか」メリオダスらは最初はそれが一体どのような代物なのか、分からなかったが、今此処に彼女の魔神族の呪いを抑え込める…つまり制御できる代物があるという事は…その逆も当然存在するという事。「これさえ使えば…貴女はすぐに我々の掌の中で支配される事になる…それは嫌でしょう…?さあ、そうなりたくないのなら…大人しく此方へ、聖騎士長様方が待っていますよ」とギーラはそう再度要求を出すが、レナはそれを拒絶しゴウセルの背後に隠れたままだ。

「拒絶など小賢しい真似など…愚かな者だな、魔神族に創造されし呪われた娘、要求通りにすればお前が愛する存在も傷付かずに済むというのにな、そうじゃないのなら力付くで連れて行くまで」ジェリコもそう言葉を終えると、戦闘態勢に入り…それに続いてギルサンダー、ハウザーも。だが、この数を一気に相手しようもんなら長期戦は避けられない。そうなると、相当骨が折れるし…彼女らの最大の標的がレナと分かった以上、それに油断している瞬間を利用してギーラが、はたまたそれ以外の聖騎士が彼女を捕らえてしまうというパターンも。そうならない為にも、と…彼女を守る為にも、「レナ、君は王女と残飯長の二人と一緒に少し此処から離れておいてくれ」ゴウセルは彼女に向けてそう指示した。

「ゴ、ゴウセル……私だって…」彼女も本当なら彼らと共に共闘したい…呪いに侵蝕され、呪いに苦しんでいようが、でもそれでも一緒に闘いたい。レナの魔力は強大過ぎて封印を施される始末…、だから、戦闘する為にはその封印されている魔力を内なるところから解放する他ない。レナは自らに秘められている力の一つすらも知らない、だからこそ怖いのだ。もしかすると暴走が起こって自分にとって安心だと感じている彼を自らの手で傷付けてしまうかもしれない…と、その躊躇いが彼女の心を迷わせる。「臆病な心が迷わせていると…早いうち、その中で眠っている魔神族の秘めた力…開放してみてはどうですか?ずっと闘えない少女を演じていても面白くないでしょう…?、本当は闘えるのに、呪いの影響でもあるでしょうけど、力を解放したらきっと心地よくなれますよ」「それに抑え込んでいても魔神族の呪いの痛みが消える訳ではありません…寧ろ貴女自身を苦しめる呪いが強まるだけ…」ギーラはレナにそう話す。いや、正確に言えば彼女の本当の名前はレナではない、それは前回判明した事であるが、その名前はまだ誰も分かっていない…全ての真実を知るのは…。「何なの…?、貴女は…私の何を知ってるって言うの?」と彼女が問うと、ギーラは何の動揺も、何もなくいたって冷静に、「ええ、情報は沢山得ていますよ、貴女が魔神族の血縁者である事…それにその名前も所詮は偽りである事…それに魔神族に囚われし呪われ者、貴女の秘密…沢山分かっていますよ」とギーラは何の躊躇もなく、淡々と彼女に隠された秘密を暴露する。まさか、彼女の素性や過去などの秘密がリオネス王国の聖騎士にまで情報が知られていたとは…でも一体何処からそんな情報がリオネス王国にいる聖騎士達に入ったと言うのか。と、いけない、今はそんな事を呑気に考えている暇などない、彼女を守る為に…メリオダス達はギーラ達と闘いを決する。とはいえ、相手するのがかなり面倒になる為、手分けして戦闘にあたる。

「七つの大罪…俺はお前達よりも…強い」

「やる気満々だねー、でも聖騎士長様からの直々の命令だ。だから手を抜いて相手なんてしてらんねえー、いっちょやるとしますか」

ギルサンダーもハウザーの方も戦闘態勢に入り、激闘の瞬間が…訪れる。それを遠くから不安な面持ちで見守っているエリザベス達は…「おいおい…急なこの感じ、メリオダス達大丈夫かよ…!!、聖騎士があんなに勢揃いしてるのに…!!」「……メリオダス様」「……………………どうか…、無事でいてよ…ゴウセル……私は…貴方だけは失いたくないから…」と其々の想い人に願いを送る。それに実はレナ自身も戦えるような魔力を持ってはいるが、魔力もそう簡単には使えないように封印をかけられており、解き放つ事ができない。しかし、彼女の封印もとある条件が一致した時のみ、封印から一時的に解放され、魔力使用可能になる秘密があるのだ。と、彼女の名前についてだが、真の名前を明かす時が来るその時までは、彼女の名前は『レナ』のまま物語は進むつもりだ。「私のせいで…彼らが傷つく事になるのは…嫌だ…でも」彼女は俯きながらそう話す。でも、彼女の中に秘められている力というのは一歩間違えれば制御不能になる事になりかねない、かなり強大な魔神族の魔力エネルギーが眠っている、それが解放された場合、最悪のケースであれば暴走も考えられる。だからこそ、彼女は自分の力にこれ程にまで恐れているのだ。彼女にかけられている魔神族の呪いは主に負の感情に左右されて侵蝕を進めて行く、レナが不安になっていけば行く程に全て彼女を蝕む魔神族の思うがままになってしまう。彼女は…それもあって闘いたくても闘えない、本当に守りたいと思っている人さえも…それにギーラが所持しているあの石でも、効果が作用されて強引に彼女の心を闇に引き摺り堕とす事が叶ってしまう脅威的な代物だった。

その後、メリオダスとゴウセルらはレナを守り抜く為に立ちはだかってきた聖騎士達と戦闘を繰り広げる。

「以前闘った事があるとは言え、やはり手強い標的ですね。色欲の罪ゴート・シン、ゴウセル…はあ…はあ…」「悪夢を見せられても尚、其処まで正気を保っていられるとは…流石は聖騎士だ、しかし、その悪夢の地獄から抜け出せなければ意味はないが…」とゴウセルは悪夢に彷徨っても強い心と精神を保っていられているギーラを見下ろすように上から見つめる。物理的な攻撃は仕掛けないがこうやって精神から相手を痛ぶり、追い詰めるのが彼が持つ魔力を使った戦法だ。「それで……まだやるのか…?、とはいえ…悪夢からまだ脱せてないだろう」とゴウセルはまるで嘲笑うかのような言い草でギーラに問い詰める。

「此処まで来て…引き下がれる訳ないでしょう……はあ…はあ、聖騎士長様の為にも…我々へ任された責務を果たすまで…帰るなんて出来ない」ゴウセルの魔力で精神が追い詰められてきたとしても、彼女はそれでも尚立ち上げる。それは勿論彼も同じだ、彼も彼女を…レナを守る為にと戦闘を更に続ける。

一方で、メリオダスらもまた其々と闘っていた。「魔神族の血を飲んだか知らないけど、以前よりもまた更にキミが手強く感じるよ」と言ったのはキング。そうして、相手は…ジェリコだ、「ふっ、それは褒め言葉として受け止めておこう」

「さっさと終わらせて、此処から早く出たいんだよ、だから早くくたばってくんねえーか」と。

そのまた一方で戦闘を繰り広げているのが、もうひと組メリオダスとディアンヌ、

対するはギルサンダーとハウザーだ。

「雷鳴の鉄槌」「神契り!」「【昇天隕石】ライジング・メテオ!」放たれた多数の魔力攻撃が激しく飛び交う。「あの少女さえ、我々の元に来てくれれば…聖騎士長様の望みが叶うも同然…」「そうはさせねえーよ、こっちには彼奴の事を守ってやりたい、そう思ってる仲間もいる、だから絶対にお前らの方には渡せねえー」メリオダスは仲間思いで、強い思いを抱いて彼らと対峙する。

もう片方の、ディアンヌ、ハウザーは…「お前とこうして面と向かって随分久々だぜ、けど悪いな…ディアンヌ。こっちは聖騎士長様からの直々の命令で此処まで動いてるんでね、女の子相手だろうと容赦なくいかせてもらう」

「ボクらだって、此処で倒れる訳にはいかないよ!!レナを守る為にも、だから負けない…!!」

「良いねえー、そう来なくちゃな…!!」

そうして次の瞬間、ディアンヌとハウザーの技がぶつかり合う。

この激闘の瞬間をずっと、不安な気持ちのまま見守り続けるエリザベス達…「メリオダス達…ほんとに大丈夫なのか…!?」ホークらはメリオダス達の戦闘の場から数メートル離れた場所で全ての決着がつくまで、戦況を眺め…その中には大切に思い始めてきた彼を暗示ながら、佇む彼女も居た。

「ゴウセル………」。

「はあ…はあ、貴方のその精神に作用する魔力は…本当に随分厄介なものですね…しかし…此処で弱音を吐いて任務から逃げる訳にはいかない…!、ショットボム…!!」「あれだけ精神にダメージを与えた筈だが、それでもまだ平然と動けるのか…だが、俺もそう簡単に倒れる訳にはいかない、彼女の為に」ゴウセルの方も彼女を守りたいという強い意志で、ギーラに立ち向かう。「不思議な事もあるのですね、色欲の罪ゴートシン・ゴウセル…貴方には感情がない、なのに誰かを守りたいとは…それに彼女は魔神族で、呪われた存在、そんな彼女を守りたいと言うのですか」ギーラは彼に対してかなり挑発的な言動をかました。そう、確かにギーラの言う通り今のゴウセルはまだ完全なる感情を取り戻していない、それでも『レナ』に、魔神族によって呪われた存在として創造された彼女に惹かれ、彼女の方からも、彼に惹かれ………互いに一つの愛を知った。「ああ、お前の言う通り…俺は感情を失くした…ただの人形だ、だが…そんな俺にはない感情を沢山持っている、それに彼女が例え呪われた存在であろうとも、この先彼女が魔神族の手に堕ちようとも、俺は彼女を守りたい 」と彼はかなりレナに対してアプローチするかのような発言を言った。どうやら、築かれ始めた関係性は嘘などではなかった様子。

「其処まで言うなら守れると良いですね、しかし…此方には切り札として彼女の力を極限まで解き放つ事が可能な道具を持ち合わせていますよ、つまりは…彼女は既に我々の手中にあると言う訳です」とギーラが言ってると彼女は自らギーラの方へ歩み出した。でも、これには別の理由があった。「これ以上…私の…私にとって大切な人を傷つけるなんて事はさせない」と……彼女は次の瞬間、遂に自身の力で封印されていた魔力の解放に成功し、それと同時に彼女の風格も変化した。「レナ…?君は下がっていた方が良いのではないか…?」とゴウセルが言うも、魔神族の魔力を纏っている今の彼女はやたらと好戦的になっているように思え、「私はもう、貴女達に操られる程ヤワじゃない、魔神族の力でも…私が持ってるのは呪われた血の力だけじゃないって彼のお陰で、忘れていた本当の記憶から思い出せたから」彼女はそう言った。

これに対し、まだ余裕が残っているギーラは、「まさか自分から近付いて下さるとは…何と愚かな…さあ、聖騎士長様と、それから魔神族を崇める主導者様の元へ、貴女が揃えば…我々の計画は迅速に進みますから」

ギーラは何やら怪しい計画を裏で秘密裏に手を組んだ組織的な動きをしている…それを感じさせる意味深な発言を彼女に放った。

「……行かない…、私は彼の側から離れたくない…」「魔神族の手によって創造された貴女には魔神族としての生き方の方がお似合いでしょう、それに此方には何時でも、貴女に秘めてある心の全てを闇に葬り去る事だって出来るのですよ、そうはなりたくありませんよね………?」とギーラは中ば誘導尋問のように彼女に問い詰める。それでも、彼女の思いは変わる事なく強い眼差しで彼女はギーラを睨みつける。「そうですか…それは残念です、ですがこれなら…考えを改めてくれますか?」とギーラ…それから他の大罪メンバーと闘っていたはずのジェリコが不意を突いて狙った相手、もうお分かりだろう、そう…それは【彼】しかいない。彼さえ、危機に瀕すれば彼女の感情が揺らぐのは一目瞭然の事だった為に、急な標的変更を行った訳だ。ゴウセルは軽快な回避力で重傷は避けられたが多少の擦り傷を数箇所負った。その瞬間をギルサンダーとの激戦の最中、横目に流し見たメリオダスは、「ゴウセル…!!」と声を上げた。しかも、彼が精神攻撃を仕掛ける前にギーラとジェリコが連携して襲い、彼女の精神状態を崩壊させ、正気を失ったのを狙って誘おうと…そうするには、彼女にとって最も大切な人物であるゴウセルを潰せば良い、そんな考えを思いついたようだ。

もう攻撃の末、もう駄目かと思ったが……彼は無事だった。「いきなり数人がかりできたから、反応が少し遅れたが、間に合った」二人はまた彼の魔力攻撃悪夢語り【ナイトメア・テラー】の餌食になり、彼が作り出した悪夢に苦しめられ、いつの間にか満身創痍になっていた。でも、相手にはピンピンしているのが二人いる。「はあ…はあ、はあ、うう…、そいつを連れて行けるまでこっちだって諦める訳には…いかない…!、これは…我々に託された大切な任務なんだ!」ジェリコはゴウセルの魔力攻撃で精神困憊しているが、それでも尚聖騎士としてのプライドが相当高いのが伺えるぐらい、何度も立ち上がる。よっぽど肉体がタフになっているよう、彼女らジェリコとギーラはまた新たに魔神族の血を飲んだらしく、それで肉体強化され…以前よりも更に強くなっているという訳だ。

「これ以上、時間をかけるわけにはいきませんね…彼女が大人しく我々の配下に成り下がれるよう、ゴートシン・ゴウセル…貴方には、覚めない眠りについてもらう必要があります、そうでもしないと、彼女は言う事を聞きそうにないので」ギーラはそう言って、自身が持つ剣で彼に背中に突き刺そうとした…その時、「彼は……殺させない…」レナはポツリ。しかも、負の感情が募りそのストレスで徐々に魔神族の力が解放されてきているのか、彼女の瞳に紋様が刻まれて行く…これが彼女に眠りし魔神族の本性なのだろうか。

「やはり大いなる魔神族の魔力の力がまだ眠っていましたか、まあそれでもほんの一部でしかないのでしょうけど、それにしても破滅の為だけでなく、そうして守る為にも使える力だったとは…これは面白い発見でした」ギーラは散々精神攻撃を受けておきながらも、まだまだ余裕そうな雰囲気だ。まあ、結局のところのギーラ達の一番の狙いは彼女を闇へ堕とし、連れ帰る事…それだけで良いのだから。彼女は自身に眠っていた魔神族の魔力を解放した事にとよって彼女は少々気性が荒くなり、怒りを露わにして、「これ以上……彼に傷でもつけてみてよ……お前達を…動けなくなるまでぐちゃぐちゃにしてあげるから」彼女は別人のようで性格まで変わり、更にはやっとの魔力解放で、技も自在に操れるようになって此処で初めて、遂に…「ダーク・ラス 」と初めて彼女は彼らの前で戦闘する姿を披露した。彼女の魔力攻撃の威力は彼女の感情などによって大きく左右される為、彼女が敵となって堕ちてしまった場合、今のこの力が少し程度の力なら、もしこの先彼女が呪いに精神、心身共に完全に侵蝕され、今彼女に眠る魔神と、魔神族として与えられた魔力が全て解放されたその時一体どうなるのか、まだこれ以上の力が彼女の中に封印されている事を考えると…、

「どうしたの…?、私を連れていくんでしょ?貴女達のせいで私は力を解放しなくちゃいけなくなったんだから責任取ってよ、それと…私にとって大切な人を散々傷付けた罰も与えなきゃね」と彼女は今明らかに苛立っているのが、この口調と態度からも伝わるだろう。

「ダーク・レイン【闇の雨】」彼女は新たな魔力技を繰り出した。「!!?、こ、これは…これ程にまで大きな力をまだ奥底に隠していたと言うのか…!!」ジェリコは思わず驚愕の反応を隠せなかった。と、彼女自身を封じ込め、呪いの力の渦に誘い堕とす為の唯一のあの宝具を彼女に投げるも、それは彼女が魔力によって形成された防壁に弾かれ、封印は失敗。

「くっ!せめて貴女を連れてあの方々の元へ戻らなければ…!、聖騎士長様達の計画が全て無駄になってしまう…!」ギーラは此処にきて初めて焦りを見せる。これまでは自信満々で、余裕が有り余っていたはずが、思った以上に戦況が落ち着かず…ましてや自分達が今度は追い込まれてきている状況に戸惑っている。

でも、彼女は大切な人物が傷つけられる事に対してかなり敏感に怒りを感じている、つまりこの怒りや悲しみの感情を逆手に利用すれば、彼女は心までも堕ちて自分達の思うがままになるだろうと、そう考え、それにこの戦闘にも早いとこ決着をつけなければ…そうしてその行動に出たのはジェリコだった彼女が怒りで攻撃的になっているのを利用し、見計らい先程封印に失敗したあの宝具をもう一度彼女に投げて封じ込めを試みる。と、此処で魔力を使っていたレナにとある異変が生じ、ギーラ達にチャンスを与えてしまう事となった、彼女の身に何が起きたのかと言うと、「!!、な、何で…力が湧いて来ない…魔力が…使えなくなってる…!?」彼女は敵を前にしてのこの緊急事態に取り乱す。これで状況はギーラ達がまた有利な方向へと、「制御が効かなくなって思う通りに魔力が機能しなくなりましたか、少々感情に負け過ぎたようですね、もうこれ以上は長々と無駄な戦闘は懲り懲りなので、再度もう一度問います、我々の元へ来ていただけますか?、それとも…貴女にとって大切な【彼】を失わないとその気持ちさえも叶いませんか」ギーラは今回かなり彼女に圧をかけるように執拗に問いかける。それでも、彼女の気持ちは…変わる事などなかった、「もう…彼には傷付いてほしくない…でもだからって…貴女達の操り人形なんかには成り下がるのはごめんだわ…!」と揺らぐ事のない思いで、ギーラが告げた命令の言葉に抗う。すると、ギーラはジェリコが一度投げた持っていたあの宝具を使い、それに込められている魔神族の魔力を感じ取り、詠唱をした。「はあ……闇に、魔神の名の下に目覚めよ、ダーク・イロージョン【闇の侵蝕】!」

彼女を捕える為の現時点での最終手段を遂に打ったのだ、この魔力魔法を使って意地でも彼女を連行するという自分に与えられた任務を遂げようとする。「ううっ…!、痛いっ…!」彼女が呪いの痛みで苦しんでいるのを他所に、「それでは…あまりこれ以上の時間を浪費する訳にはいかないので、今回は此処で見逃して差し上げます、じゃあ我々は此処で一時撤退としましょう、成果が得られなかったのは残念ですが…貴女が魔力の力に堕ちて、我々の元へきて下さるその時を待っていますよ」とギーラが身を引こうとするが、その一方で使命を果たせてないじゃないか!そう言うようにジェリコは身を引く事に反し、「おい、いきなりどういうつもりだよ、ギーラ!私達はまだ聖騎士長様から受けた直々の重大任務を果たせてないんだぞ!なのに、勝手に引き下がれる訳がないだろ…!」ジェリコは止めるが、ギーラとしては彼女の意思が中々壊れない上にそもそもギーラ達は忍耐力等が魔神族のあの血のお陰で上昇したとはいえ、二度程彼に悪夢を見せられて内心はもうとっくに満身創痍だろうが、それでも諦めまいと聖騎士としての高いプライドがある。「ええ、本当は

中途半端なこの状況で撤退などしたくはないけど、目標である彼女に此処まで拒絶されているとなると、もう手荒な真似に手を出さなければ…そこまでしないと彼女は此方側へ意地でも来ないでしょう、とはいえ…ジェリコの言う通り、任務を果たす為にも…ほんとはこのような事はしたくありませんが、仕方ないですね…やはり、彼女の心を壊す為にも…【彼】には…犠牲の命を消す必要がありそうですね」とギーラはまたもや、彼を標的にする宣言を堂々と告げた。「随分好戦的になっているな、それも魔神の血を飲んだ事による影響か……? 」ゴウセルはそうぼやく、とそれに返答するようにギーラは、「ええ、聖騎士長様が再び我々の元へお戻りになられて、強くなれるチャンスを下さったのです、それに不思議と以前魔神の血を飲んだあの時よりも、今は更に力が激って来るのを感じます」ギーラは彼を目の前にしてそう打ち明けた、この【以前より】というワードが気にかかる、という事は…やはりもしかしたら、本当にこのギーラ達の背後には彼女創造したとされるあの者達も聖騎士長の奥で背後についている事がほぼほぼ確定したと言っても良いカミングアウトに思える。

「そんな戯言より…貴方がその命を散らして下さるか、彼女と…それと貴方達が手にしているその宝石を我々に渡してくだされば、こんなに無意味な争いなどしなくて済むというのに」ギーラは魔神族に血の影響か、ゴウセル達が知っている以前よりもかなり好戦的になって、挑発的にも伺える。「俺達はとっくに此処に来た目的を果たしている、だからこそ此処で止まっている訳にはいかない」ゴウセルは言い、でもこの戦闘は終わらない…お互いがお互いの目的を胸に。その間レナやエリザベス達は必死に闘っているメリオダス達の身を案じるばかり…。「やっと…やっと、本来眠っていた力が解き放たれて今度は…守れると思ったのに、また私は…何も出来なくなった、でも…彼を…、守らなきゃ」彼女は再びまたゴウセルの傍へゆっくり歩み寄り、「さあ、こっちへ来るのです、さもないと貴女が大切に想っている彼ともう、永遠に会えなくなりますよ…?何にせよ、これが今回最後の忠告です、これ以上言っても聞かないようであれば今回は大人しく此処で我々は一度身を引かせてもらいます、だとしても何時かは必ず貴女を我々の元へ迎え入れますが…」とギーラは彼女を脅すように剣を彼女の首に突き立て、「諦めの悪い聖騎士も居るんだね、行かないって言ってるじゃない、それに私はもう、誰かの言いなりや操り人形になる為に此処まで生きてきたんじゃない…!、それにそれに彼が愛される事の温もりを感じさせてくれたたった一人の存在なの、だから私はそんな彼の傍から離れたくない…これ以上はもう傷付けさせない」とレナは言うも、せっかく封印されていた魔神族の本来の魔力を解き放て、彼らと対等に闘えるかと思いきや、突然また制御がかかった事で無力化され…強気でいた筈の余裕が一瞬にして消え去った。

「まあ、所詮魔神族の力を引き出せたとしても、どのみち彼の事を引き合いに出せば動揺させられるのが貴女の最大の弱点である事はもう既に把握済み…」とギーラはまた彼女の心を抉り出す為にゴウセルを狙い撃ちし始めた。「途中で俺に狙いを定めてきたのはそういう事だったのか、だが…それなら、お前達の精神が死ぬまで苦しみを与えてやるまでだ」とゴウセルはそう言って精神操作や精神的疲労ダメージを負わせる魔力技で迎え撃つ。やはり、流石は七つの大罪、そう易々と敵う相手ではない。「ま、また…ああっ…!!!!!」

「俺は精神状態を自在に操る事が可能だ、抜け出せない苦しみを与えるのは 容易い事だ」ゴウセルは再度悪夢語り【ナイトメア・テラー】を発動し、ギーラの行動を怯ませる。「愚かなのは寧ろお前達の方ではないか…?、彼女の心情を操作しようととして俺は狙ったのは良いが、俺には精神やその者の身体の支配権を奪う事だって魔力によって可能にする、そんな俺をそう簡単に倒せると思われても困るな」ゴウセルはそう言い、ギーラは彼による魔力技で再び追い込まれ、ギーラやギルサンダーらは基本的にこ攻撃に特化した魔力が強さであるが、一方でゴウセルは攻撃タイプではないものの、精神操作を自在に行えるのが特徴だ。考え方によってはこの彼の精神操作が可能な魔力はかなり手強いものでもある。

と、「目の前の敵だけを見ないほうが良い」彼のすぐ背後にギルサンダーが迫っていたのだ。それにいち早く気が付いていたレナはゴウセルを庇うような姿勢素早く彼の背後に回って行き、その剣はゴウセルにではなく…彼女に突き刺さった。「ぐはっ……、……っあ」彼女は吐血し、彼女は腹部に刺された事で、ガクッと崩れ落ち…、そこから‥。

この思わぬ行動にギルサンダーを含めた全員が注目した。ゴウセルは彼女を抱え、「レナ…?、俺を…庇ったのか…?」とゴウセルがこう聞くと、「ずっと、守られてばかりだったから、それじゃ…嫌で、だからね、今度は…私が…貴方を守らなきゃって想って、それで無意識に身体が勝手に…」とゴウセルへ告げている最中、「そこまでして彼を守るとは…、そんなに彼が大切なのですね」そう言ってギーラがまた近寄ってくる。

と、そこで突然…また新たな刺客が入ってきた。

「せっかく新たな力を与えたというのに、こんなにも手こずる事になっていたとは、情け無い‥リオネス王国の聖騎士は所詮その程度か…まあ、良い。……おや、やあ随分久方振りだね、リーシア」と突然現れた謎の者はレナの事を、【リーシア】と呼んだ。リーシア、もしかするとこの名前が彼女の本名…?。「……?、貴方は…誰なの…?」彼女はゴウセルによる魔力の刺激で治療されながら、その者を見つめていた。「私の事を忘れたのか…?悲しい事だ、まあ良い…それも秘密も全て思い出す時が来る、それと…これを貰っていくよ」と魔神族を崇拝している主導者らしきその人物は何時の間にか、メリオダス達からあの彼女の魔神族の呪いの力を唯一制御できるとされている宝石を奪い取っていた。その人物は自分の名すら一向名乗ろうとしないで向いた先はゴウセルに抱えられている彼女の姿。「お前に‥そんな存在の人間が見つかったとは…ははっ、じゃあお前達此処は一時撤退だ、いくぞ」「はい…主導者様…」ギーラ達は駆け寄って行き、主導様と呼ばれるその者が出した謎の渦の中にギーラ達は入っていく、とメリオダスは「待て…!!!!!、それは…! 」と手を伸ばしたが、間に合わず、その穴は閉ざされ。せっかく入手出来たと思われたあの石を奪われてしまった。「くそ……、奪われちまった…!」メリオダスがそう悔やんでいる一方でゴウセルは引き続き彼女の手当ての真っ最中。

「ありがとう…ゴウセル…」彼女はそう言って傷がある程度治り行くのをじっとゴウセルから膝枕された状態を保って、「………っ!」痛みを堪えながら手当てが終わるまで必死に耐え抜くリーシア。数分後、とりあえずは傷口が治り、「もう‥出血の痛みがなくなった…ありがとう、ゴウセル」「まさか、君が庇うという事をし出すとは…そこまでしても守りたかったのか…?」ゴウセルは何時ものように首を傾げて彼女にそう尋ねる、それに対して彼女は、「だって、貴方は私にとって…大切な人になったから…だからどうしても守らずにはいられなかったの…」リーシアはそうゴウセルに話した。「そのような事を誰かから言われる事になるのは…君が初めてだ」ゴウセルは拙い言葉ではあるが、彼女に伝えた。

しかし、彼女の呪いの力を抑え込める力を持っている唯一の手段の物を失った、となると彼女の魔神族の呪いが暴走した場合、止められる方法が無くなった事を意味する。一体どうしたものか、とはいえ、それを考える前に先ずはこの場所から立ち去ってそこからだ。

「取られた奴は絶対取り戻すぞ」

「了解! 」

この先も、未だ彼らの長い旅路は続いてゆく。

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