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滉斗の大学生活は、一見すると中等部・高等部時代よりもさらに「硬派でクールな秀才」に磨きがかかっています。しかし、その内実を知る元貴や涼架から見れば、相変わらず「元貴第一主義」な毎日のようです。
心理学専攻の滉斗は、その鋭い観察眼と冷静な分析力で、早くも教授やゼミの先輩たちから一目置かれる存在になっています。
講常に最前列か、あるいは元貴が近くにいるならその隣を死守。ノートの取り方は極めて緻密で、後で元貴に教えることを前提に「要点」を整理しています。
「あのイケメン、いつも誰かと電話してるか、誰かを探してるよね」と女子学生の間で話題。でも、本人は自分に向けられる視線には1ミリも興味がなく、常にスマホのGPSで元貴の居場所(安全)を確認しているとか。
元貴とは学科が違いますが、キャンパスは同じ。休み時間になると、滉斗の「元貴レーダー」が作動します。
涼架が合流できない日は、滉斗が元貴を連れて静かな中庭へ。元貴の耳が疲れないよう、騒がしい学食は徹底して避けます。「ここ、風通しがいいし静かだぞ」と、お気に入りの場所をいくつもストックしています。
元貴に馴れ馴れしく近づく男子学生がいれば、無言で背後に立ち、その圧倒的な威圧感だけで退散させます。
家に戻ると、大学で学んだ知識をさっそく「実践」に移します。
「今日のお前の表情、昼休みより少し硬いな。何かあったか?」と、心理学の知見(と長年の勘)をフル活用。元貴が「実はね……」と話し始めると、静かに聞き役に徹します。
「ひろとぉ! 実習のレポートが進まないよぉ!」と叫ぶ涼架に対し、「……構造化して考えろって教えただろ」と冷たくあしらいつつも、実は論理的なアドバイスをしてあげるツンデレぶりも健在。
大学生になり、行動範囲が広がった滉斗。実は、心理学の「対人関係」や「リラックス効果」の勉強と称して、「元貴を連れて行くための静かなカフェや温泉宿」をリサーチするのが密かな日課になっています。
「……よし、ここは防音設備が整ってるな」とチェックを入れる姿は、もはやプロのコンシェルジュのようです。
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