テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
\\ ぴぴぴ⏰ 𓈒 𓂂𓏸 //
いつものようにアラームの音で目を覚ます。目を開けて映るのはいつもと同じ天井、ただ一つ違うものがある。それは僕の心の穴が消えたこと、昨日の出来事で物足りなさが消え、ひたすら嬉しい気持ちで胸がいっぱいだった。
僕は夢を見た。久々に楽しい夢を。僕をおぶる兄の横を西山くんが歩いて話している夢…。大好きな兄におぶられている僕は、ひたすら心地よく、ウトウトしていた。薄らと聞こえる二人の声を聴きながら。兄とあったこともないはずの西山くん。2人の声は優しかった。僕は、安心して眠りに落ちていった。目を覚ますと、いつもの天井…。
僕の目覚めは、スッキリとしていて、気分が良かった。朝食を食べる時も二度目の制服に身を包む時も気分が良かった。僕はドアノブに手をかけ「行ってきます!」いつもより元気な声が出た気がする。誰もいないのに、なぜか声に出た。昨日と同じ道を歩いているはずの足取りも軽かった。風に乗って飛んで行きそうなほど。昨日よりも暑くなった春の朝は、白い息をかき消していた。学校につくと、ドアはまだ開いていなく、人が並んでいた、人々が放つ声も僕には鳥のさえずりに聞こえる気がする。昨日と同じ壁側にたち本を手に取る、文字を読もうとすると頭に流れてくる西山くんの「また明日」。その時、昨日と同じようにして、僕の肩に手が置かれる。僕が後ろを振り返ると、昨日と変わらない優しい目で僕に笑いかける西山くんがいた。
「おはよう!蒼!」朝起きて、学校に来て、誰かと会話することに僕は嬉しくなった。「おはよう!西山くん!」僕も返した、いつもりよ声が少し高くなっていたと思う。西山くんは嬉しそうに微笑んでいた。その笑顔を見た僕は、どこか懐かしさを感じた。「気になったんだけど…もしかしてお兄さんいた?」突然西山くんが聞いてきた。その質問をしている西山くんの目は輝いている。僕に兄がいたことを知っているのは最低でも家族や親戚、兄の友達だった人のはず。昨日初めて会った西山くんが知っていることに僕は驚きを隠せないまま「うん…いたよ。とっても優しい兄がね…!」僕はそう答えた。西山くんは微笑み僕に「やっぱり?僕の兄さんの友達に君と同じ苗字の人がいたからさ…」西山くんのお兄さんは兄と友達だったんだ…。それを今、僕に聞いたところで、何になるんだろう。僕は疑問に思い西山くんに「そっか…。それでどうしたの?」そう聞いた。その時の僕の目は不安の満ち溢れた目をしていたと思う。西山くんは慌てて、「それが…その、僕…実は、」彼がいいかけたその時チャイムがなった。ドアが開く。話しが途切れ話せないまま、学校に入っていく人混みに巻き込まれ、はぐれてしまった。
そのまま学年の廊下に貼ってあるクラス名簿の所へ行き、名簿の中から一つ一つ僕の名前を探す。
あった!僕は三組のようだ。教室に入って見ると、顔こそは知っているが、名前も知らない中学の時の同級生が数名いた。黒板に貼ってある座席表を見ると、窓側の前から三番目、黒板から遠くも近くもなく、窓側という心地よい場所。いわゆる「特等席」だ。少なくとも僕はそう思う。席の前まで行くと、机の上が陽の光でスポットライトに照らされた舞台のようになっていた。ここが今日から僕の席、机を撫でると太陽がこもり暖かった。僕はカバンをおき席につく、嬉しさのあまり、クラスのメンバーが頭に入って来なかった。そのまま、最初の朝礼が始まる。賑やかな教室に一瞬静けさが通りすぎていく。
朝礼が終わりチャイムが鳴る、キーンコンカーコン。再び教室が騒がしくなる。一限目は、学活。今年使う教科書が配られる。初日の1日は昼までで四限授業。教科書を入れるためにカバンには筆記用具、ファイルのみが入っている。一限目が始まる、 チャイムが学校中に鳴り響く。キーンコンカーコン。配られた新しい教科書に名前を書く竹内蒼。僕は、「蒼」という名前を気にっている。蒼という意味は、「青い空のように、広く深い心を持てるようになる未来を願う」とゆう意味…。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!