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ほむぺ⋆*
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#あべさく
めかぶぷりん
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🖤「阿部ちゃん!」
慌てて目黒が蔓を生やし、阿部を取り囲んでいる槍の柄に絡みつくと、次々に折った。
目の前で起きていることが理解できていない夏音は呆けていて、その腕の中から浮き上がったダフネの顔は、それまでの可愛らしいものではなかった。口が歪み、まるで鬼のような形相になって、特務調査局を見ている。
「ダフネ……?」
💚「夏音ちゃん、離れよう! 翔太! 夏音ちゃんを守って!」
💙「分かった!」
夏音の手を掴み、みんなの方に走り始めた阿部。ダフネの体が赤紫色のオーラを纏うと、阿部を追うように槍が砂浜から生え、その度に目黒の蔓が折っていく。
「ダフネ? どうしたの、ダフネ!」
無事にみんなのところに辿り着くと、阿部は夏音を抱きしめ、渡辺の花の結界が阿部と夏音を守り、他の者達がダフネから守るように前に立つ。
💛「あれが、ダフネが持ってる異能か」
🩷「めっちゃ怖いんだけど!」
🧡「ちょー怒っとるやん」
「ダフネ……なんで……?」
💚「異能を、集めすぎたんだ……こんなにたくさんの異能が夢幻ノ杜にあって、影響が出ないはずない。それが今、73体目で飽和し始めたんだよ」
「ボクの、せい……?」
💚「違う。きっと、俺の話でこの世界がなくなるって思ったダフネの意思。あの子が夢幻ノ杜の最初の人形だったら、一番、ここに思い入れがある筈。それが壊れるのを嫌がったんだ」
❤️「じゃあ、あの人形を止めればいい?」
💚「一回、無力化してみよう。それでダメなら、また対策を考える」
❤️「了解」
宮舘が手を上に上げると、氷がダフネへと向かっていく。しかし、ダフネの前には執事のような恰好をした人形―――ロータスが現われたかと思うと、ロータスの体が凍り付いて砂浜に落ちて転がった。
❤️「狙いを、変えさせられた」
ダフネのオーラがより一層強くなると、キイーンと耳を衝くような音が響き渡った。それは夢幻ノ杜全体に響き渡る。
そして、街の人形たちがゾロゾロと集まってきた。
ダフネが砂浜から無数の槍を出現させるので、目黒の蔓が槍の柄を折る。視界の端から出てきた人形が大きな斧を持って大きくジャンプし、上から振り下ろすのを佐久間は後方にバク転することで避ける。
そこに、畳みかけるように大鎌を持った人形がフルスイングしてくるので、佐久間、向井、宮舘が咄嗟にしゃがんで避けた。更に向井が重力で人形を数体同時に砂浜に押し付ける。
空中に浮かんだ人形の周囲に無数の小型ナイフが出現してこちらに向かって来ると、深澤が無数の鋼の刃を出現させ、全ての小型ナイフに当てて相殺する。
ラウールがその場で網の入った小型バズーカを作り出して網を飛ばすと、四体の人形が網に引っかかって砂浜でバタバタと動いている。
🤍「もう、キリがないよ!」
🩷「そう言ったって、もう止めてくしか方法ないじゃん!」
💜「動けなくしてくしか……」
言いながら視線をずらすと、別の人形が大鎌でラウールの網を切って脱出させている。更にもう一体の人形が大きな斧を振り下ろしてロータスを覆っていた氷だけが砕け、ロータスが動き出す。
💜「あ。これ無力化、厳しくない?」
💛「そんなこと言ってる場合か! 来るぞ!」
再びの猛攻に、その場その場で対処をしていくしかない。攻撃を避けたり受け止めたりしながら、宮舘の氷と目黒の蔓で拘束をするが、やはり他の人形が拘束を解いてしまう。
💛「翔太、守りは代わる。俺の異能は捕縛に使えねえし。後方、頼む」
💙「分かった」
💛「阿部は異能、使うなよ。来る時にあれ、使ってんだから。これ以上は無理するな」
💚「……うん。その代わり、突破口を見つける」
💛「ああ、そっちは任せた」
岩本は阿部と夏音に攻撃が当たらないように、こちらに向かってくるものだけを燃やしている。
どこかに攻略の鍵がある筈だ、と、みんなが戦っている姿を見ながらも人形たちを注視していく。人形はみんな攻撃をしかけてくるし、様相も変わっている。けれど、起点になったのはダフネだ。だからダフネを中心に見ていく。
ダフネに向かった目黒の蔓が大鎌で切られ、渡辺の花びらがダフネを覆うと、急にその対象がロータスへ切り替わる。
💚「……ダフネを、護ってる……?」
他は連携をしているだけで、宮舘の氷に覆われているし、目黒の蔓やラウールの網に捕縛されている。けれど、やはりダフネに向かうものは他の人形が捌いているように見える。
だからもう一度ダフネを見て―――ダフネの額にキラリと光るものを見つけた。
💚「ラウ、来て!」
呼ぶとすぐにラウールが近づいてくる。
🤍「どうしたの?」
💚「ダフネの額のとこ、何かあるみたいだけど遠いから分からなくて。ラウの眼鏡で見れない?」
🤍「ああ、そういうことね。どれどれ」
取り出した眼鏡をかけ、よーくダフネを見る。ピントを合わせ、ダフネの額を拡大した。
🤍「あったよ。額に、ハート型の石みたいなのがある。星晶みたいなの」
💚「星晶みたい……もしかしたら、異能の結晶かも。他の人形を呼び寄せたのもダフネだ。この暴走の原因がダフネで、他の人形がダフネを護ってるとしたら、その異能の結晶を壊すか外せれば、暴走が止まるかもしれない……」
💛「じゃあ、その方向で動くか」
💚「いいの? 確証はないよ」
💛「ダメだったらその時、また考えればいいだろ。それより、出来そうなことがあるなら試す。そっちの方が効率的だ」
💚「そうだね」
💛「みんな聞いたな。目標はダフネの額にある石。外すか壊すの二択だ。他の人形が阻止してくるから、全員、気合い入れてかかれよ」
みんなからの了承の返事。
迷いのない返事は、阿部にとってとても心強かった。
「……お兄ちゃん達、どうして、お人形のこと、壊さないの?」
ぎゅっと腰にしがみついている夏音を、阿部は見下ろした。
💚「夏音ちゃんが大事にしてるお友達、壊せるはずないよ」
「でもっ。ボクは悪いことしてて、お友達もみんな、お兄ちゃん達にひどいことしてて、だったら無くなっちゃった方がいいんじゃ……」
スッと、阿部は砂浜に片膝をついてしゃがみ、夏音の手を握る。
💚「今、あの人形たちは確かに俺たちを攻撃してる。でも、それと夏音ちゃんが大切に思ってることを一緒にしなくていいんだよ。夏音ちゃんにとってあの人形たちが大切なのは伝わってるから。だから俺たちは、元の人形に戻すだけ」
「でもそのせいで、お兄ちゃん達、大変なのに」
💚「それでもだよ。それでも俺達は、誰一人、人形を壊そうって思わないんだ。みんなそれぞれ大切なものがあるから、夏音ちゃんが人形を想う気持ち、分かるんだよ」
向井の趣味であるカメラ、ラウールが作った自分だけの道具、岩本の筋トレグッズ、宮舘が育てている花、ふーちゃん、佐久間のアニメグッズや嫁たち、渡辺の美容道具、目黒が自宅で見る星空、阿部が持っている本。
誰にだって大切なものがあって、けれどそれは他人から見たら大したことのないもの。それでも、大切だと思う気持ちはみんな同じはずだから。
それを、壊していいものだと思う者はここにはいない。
💚「大丈夫。お兄ちゃん達は強いから。みんな、護るために戦ってるから。だから、心配しなくていいんだよ」
「……亮平、お兄ちゃん……ありがとう」
ニコッと笑い、阿部は夏音の頭を撫でてから立ち上がる。
動ける人形の数は、少しだけ減っていた。