テラーノベル
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お久しぶりです。あづみのです。生きています。深夜テンションの産物です。1話とはほぼ無関係です。
※政治的意図、戦争賛美等の意図はありません。
※🏴×🏴です。両方男です。がっつり性的描写があります。
どうしてだろうか。俺は、俺から全てを奪ったあいつを、あの忌々しいイングランドを、心の底から憎んでいたし、憎んでいる。だのに、どうしてこの体は彼の熱を求め、脳みそは彼の言葉を欲してしまうのだろうか?どうして!
イングランドは、一言愛していると言った。どうやら俺は愛されているらしい。長年の宿敵に。これがもし、生涯を捧げても良いと思えるほどに俺の心を奪うひと、もしくは、共に戦い共に笑った彼の英雄であったらどんなに嬉しかったか。けれど彼はイングランドだ。たとえ俺の身体に触れる手が母のように優しくとも、俺を捉える瞳が甘い甘い愛情に満ちていようとも、彼がスコットランドに行った仕打ちは消えない。俺はイングランドを憎んでいる。憎まなければいけないのだ。
体が揺らされる。熱い吐息が漏れる。
これが初めてのことではない。彼との初めてはいつだったであろうか。たしか500年ほど前、思い出したくもないほど酷く屈辱的な記憶。全身を駆け巡る耐えがたい痛みの中、自らを組み敷く男の体温と息遣いだけが嫌にはっきりと感じ取れた。気持ちが悪かった。けれど、俺の身体が異物を排除しようと懸命に働いただけマシだったのかもしれない。抵抗らしい抵抗もなく、すんなり受け入れてしまう今よりかは。
イングランドは俺の手をぎゅうと掴んで、指を絡めた。離さなければ、振りほどかなければ。やめろと突き飛ばして、大嫌いだと拒絶して──
「いんぐ、らんど」
無意識の内に出てしまった単語を反芻し、はっと息をのむ。違う。そうじゃない。嫌いなんだ。だから、その男の名を口にして、みっともなく縋り付くのはやめてくれ。
せめてもの反抗をと、視線を逸らしてみたものの、全くの無駄であった。イングランドは空いた手で俺の頬を掴み、気味悪く口元を歪めてみせる。徐ろに唇を合わせ、俺の喉が鳴らす情けない悲鳴ごと飲み込んでしまった。丁寧に上顎を舐め、歯列をなぞり、隅から隅まで口内を蹂躙していく。舌を絡め取られて吸われると、なぜだか頭がぼんやりとした。
本来であればイングランドの頬を引っ叩くか、胸を殴るかしなければならないはずの自由に動く左手が、そうはせずに、イングランドの首の後ろに回る。できる限りの力を込めて、イングランドに抱きついた。
イングランドは、その地獄の業火のように赤い瞳を細めて笑う。それからゆっくりと、緩慢な動きで、腰を揺らし始めた。再び押し寄せてくる快楽の波に、俺はただ、いやいやと頭を振ることしかできなかった。俺は確かに、イングランドの温もりを求めていた。
「大丈夫ですか、苦しくないですか」
イングランドは俺の顔を覗き込んでそう言った。苦しければどんなに良かったことか。この男の残酷な扱いに翻弄され、痛みと苦しみの中で喘いでいたら、そうしたら、俺は胸を張ってイングランドを憎んでいるのだと言えた。圧倒的な力に為す術もなく嬲られていたら。逃げ道が残されていなかったら。
俺がやめろと言えば、きっとイングランドは行為を中断するだろう。であるのに俺がそうしないのは、俺がこの男を求めているから。イングランドはその事実を、残酷にも俺に叩きつけた。
どうか、どうか俺に優しくしないでくれ!昔のように、己の内に渦巻く加虐心のままに俺の体を侵略し、無遠慮に、不躾に、俺の中を踏み荒らしてくれ!
俺の叫びは音になることなく、虚空へ霧散していった。代わりに、甘いと言うには些か低すぎる嬌声が喉を通り外へ押し出される。するとイングランドは、残酷なほど優しい男は、満足したように俺の額へ口づけた。
「愛していますよ、スコットランド」
どうしたらいい?俺はどうすればいい?
とろりと歪むイングランドの瞳に映る俺は、目を逸らしたくなるほどに見苦しく無様であった。涙を溜めた腫れぼったい目、恋をしているかのように紅潮する頬、唾液でてらてらと光るだらしなく開いた口。見たくなかった。こんなの俺ではない。俺はスコットランドだ。誰にも屈さず、自分一人の力で立つ、誇り高き戦士なのだ!
溜めていた涙が、つうと頬を滑り落ちる。それを見たイングランドは、指でそれを拭い、口に含んだ。それから動くのをやめ、やはり、と言いながらずいと顔を近づける。
「嫌でしたか?今日は、やめにしましょうか?」
ああ、嫌だ。一刻も早く俺の中から出ていけ。
「……だいじょ、ぶ」
それは良かったと、イングランドは俺を抱きしめた。規則正しい鼓動が、昔と何一つ変わらない体温が、胸を通して俺の中に流れ込む。気持ち悪くはない。
「もしお辛いのなら、私の肩を使ってください。噛んでも、爪を立てても構いません」
ほらと差し出されたイングランドの白い肩に、俺は誘われるように口を寄せ、思いっきり歯を突き刺した。鉄臭い血の味と同時に、イングランドの匂いがする。不本意ではあるが、それが俺を落ち着かせた。イングランドは一瞬体を強張らせたものの、すぐにまなじりを下げ、ゆっくりと律動を再開した。
気持ちが良い。ほとんど痛みもなく、断続的に与えられ続ける快楽は、実に心地よいものだった。だからこそ、その心地よさから逃げたかった。この唾棄すべき行為から悦楽を拾い、胎を殴られ悦んでしまう自分が気持ち悪かった。顎に力が入り、イングランドの肩が可哀想なほどにぐちゃぐちゃになる。そうまでしても、イングランドは笑って許し、俺の頬を撫ぜた。もうやめてくれ!
「いんうらんど……いんぐ、らんど」
「はいはい、イングランドですよ。私の愛しいスコットランド」
意識的にか、無意識にか、もはやわからなくなっていたけれど、俺の口はたしかに、男の名前を発した。彼は、何度も呼ばれる自分の名を、嬉しそうに聞き、返事をする。俺の手をぎゅうと握り、首筋に唇を押しつけた。ああどうか、どうか彼らが、俺を愛し共に来てくれた彼らが、今の俺を見ることがありませんように。そう願いながら、体内に広がるイングランドの熱を受け止める。
憎しみはある。嫌悪もある。けれど確かに、それらとは違った熱が、俺の中に存在している。どうしてだろうか。俺は、俺から全てを奪ったこいつを、この忌々しいイングランドを、心の底から憎んでいたし、憎んでいる。だのに、どうしてこの体は彼の熱を求め、脳みそは彼の言葉を欲してしまうのだろうか?一体どうして、どうしてこんなにも、この男を恋しく思ってしまうのだろうか!
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!
物語に深く関係しているわけではありませんが、一応時代設定としては18世紀中頃です。史実フル無視劣情の権化なので、特に語る歴史はありません。
強いて言えば、18世紀初頭のジャコバイト蜂起がイングランド政府に弾圧された後、20世紀末までスコットランドのナショナリズムによる独立運動がある程度収まったことくらいでしょうか(ハイランドなど一部では続いていました)。現在のスコットランドの文化の代表例であるキルトなどは、この時代にアイデンティティを確立するためにハイランドで生まれました。また、この頃からイングランドとの同化が進み、後に起こる産業革命では共に手を取り合い偉業を成し遂げています。同時にイングランドへの政治的・経済的依存が深まり、一人では立てなくもなっていきます。
ここからは世間話ですが、前回の投稿から1年が経とうとしていますね。時の流れが早い。まとまった時間ができたことで、最近はお絵描きに流れているのです。言い訳です。
ここからぼちぼち小説も書こうと思っています。まずは5月1日にあげる予定だったインスコ合同小説を。リクエストもいずれ全て書き切ります。
コメント
6件
めっちゃ最高ですね!インスコめっちゃ好きなので助かりました(語彙力の消失)ご馳走様!
生きてたんかワレ!! ありがとう、ありがとう…
わぁぁぁぁぁっっ!!もう更新しないかと思っていたので、通知来た瞬間跳び跳ねましたっっ!!!インスコ好きなので嬉しいですぅぅぅ!更新、ありがとうございます!
る〜ぷ。@コメントくれ
#🔞あり