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病院に着いた時医師に告げられたのは、俺にとって最も”最悪”な現実だった。
医「彼が起きた時、もしかしたら記憶が無くなっているかもしれません」
最初は勿論嘘かと疑ったさ
でも、担当医の顔をみて、嘘だなんて言えるはずがなかった。
『そうですか』
そう言うしか、なかった
俺の口から発せられた声は、自分でも驚くほど今まで以上に冷静で心配なんてしてないかのような声だった
その3日後ゼロが目を覚ましたと連絡が入った
でも
コンコン
『失礼します』
降谷「……?こんにちは、?」
医「…如月さん、少し、宜しいでしょうか」
あぁ、やっぱり
医「……矢張り、降谷さんは」
神様なんて
医「記憶を無くしています」
いないのかも知れない
『……そう、ですか…分かりました、』
『有難うございます』
医「ずっと忘れたままとまでは行きませんが、また脳に新たなショックがない限り戻るのは難しいかと思われます……。このような結果になってしまい申し訳『謝らなくていい』ッ…」
『何となく察していましたから』
医「……そうですか…それでは、私はこれで失礼致します…。」
『はい』
コンコン
降谷「はい」
『失礼致します』
降谷「…?」
『…初めまして、私は貴方と同じ仕事をしていました、如月と申します。』
降谷「は、初めまして…」
『これからまた別の人から説明があると思いますが、こちら側から伝える事は1つ』
『貴方は記憶を取り戻すまで、仕事に戻ることが出来ません。』
降谷「それは…何故…??」
『余り深い事は私の口から話すことは出来ませんが、貴方が請け負っていた任務はとても危険でした。そして今、貴方は記憶を失ってしまった、その記憶は我々にとってとても大事なものです。それに貴方は優秀でしたから上からの評価も高く、頼られる存在でした』
『ですが、今貴方が全ての記憶を失ってしまっている以上、私達はあなたに任務や仕事を与えることが出来ません。』
『それぐらい貴方が請け負っていた任務は危険なのです。』
『ですから上から暫くの休養を取るようにと連絡が入りました。食事や生活のことなどは心配なさらなくて大丈夫ですのでご安心を。』
降谷「…分かり、ました……ありがとうございます…」
『いきなり伝えられても情報整理が出来ないと思いますが私から伝えられる事は以上です。』
『それでは、失礼致します』
ガラ
風見「…如月さん…何故…」
『何故初めましてと言ったかってか??』
風見「……」
『記憶が無くなってんのに、急に、オマケに男の俺が”お前の恋人だ”なんて言ったら、アイツは怖がっちまうだろ、だったら初めてあったことにすりゃあ良いと思ったんだよ』
風見「それでは貴方が!!」
『いいんだよ、』
風見「如月さん!!」
『俺の同期は、もうアイツしかいない。生きてるだけまだ良い方だ…』
『じゃ、後は頼んだぞ。風見』
風見「…自分を大事にして下さい、如月さん」
『分かってるさ、』
不思議と涙は出なかった
大事なヤツに忘れられたのに
大事な恋人が記憶を失ったのに
俺は、何も感じなかった。
ただただ胸に大きな穴が空いたように
“喪失感”だけが広がっていた。