──────菓子(?)視点──────
「あ゛ッッッヒュ───ッッはッ」
息が吸えない。いや、吸い方が分からない。今までどうやって肺呼吸をしていたのか、分からない。
けれど、自身の思考から菓子さんの思考に切り替わり、息が安定してくる。───ここまでの精神的不安定さが緩和されたような気がする。結局、ぽれは救われないと何も出来ないらしい。自分の弱さに打ちのめされる。が、なぜだか、励まされるかのような気がして。そんなことを気にしている訳には行かなかった。次は、───私が、みんなを救わないといけないのだから。
───幸か不幸か、菓子さんが1回死んだことでぐさおさんの『平等』は消えていた。植物も、正義も執行できる。───ただ、おかしいのは菓子さんでは無い記憶があるのだ。───ほとんどは記憶を上から黒塗りしたかのような内容だったが、とある女性の姿が見えた。パステルカラーの髪色にふわふわとカールされた髪しか見えなかったが、なぜだか、彼女を知っている気がした。いや、女性かも分からないが。
──────今考える必要は無い。今は、仲間を助けなければ、と。私は正義を執行させる。
「執行───」
そう、呟いた瞬間私の背後には大きな銃が浮かぶ。私はそれに飛び乗り、弾を飛ばす。その反動で一気に天界を駆け抜ける。そこには───メテヲさんが1人、佇んでいた。地面は広範囲にカラフルな色で彩られている。───メテヲさん、ただ、1人。ひっそりと、自分を目立たせないようにし、存在を隠すかのように。
───チャンスだと思った。今なら、奇襲を行える。
周りに種をまく。──────が、それは何かによって弾かれる。
カラッと軽い音が鳴る。
その音にメテヲさんはゆっくりと振り向く。
───長髪の男。髪は金色の絹で出来ているのではと思うほど光り輝き、白衣のようなものを身に纏う。腰あたりにはふたつの黄金の円が回っている。振り向いた時に、目が合う。片目には大きな光を持ち、もう片方には十字架のような、バツのような瞳孔を持っていた。その美しい瞳で私を見つめる。───その一瞬、見つめられただけで恋に落ちてしまったという錯覚。しかしそれほどまでに美しく。その所作は女性のようだったが、確実に男であることを私は知っている。───いや、知っていた。
「あれ?もう天秤を抜けたの?思ったよりも判断が早いね。」
私の知っている声で、普通の会話かのように話しかけてくる。美しく、透き通った声音が私の脳の思考を妨げる。思わず見入ってしまうほどそれは美しかった。
「ふふっ。怖がらなくていい。君たちが死んでも過去は生き続ける。ただ、今と未来が消えるだけだ。───ぜんさん?」
そう、呼ばれビクッと肩がはねる。一瞬で見抜かれた。私が、本当の菓子では無いことに。あぁ、私は見とれていた訳では無かった。───当てられることによる驚きと恐怖で心臓がバクバクと鳴っていたのだ。
「当てられただけで驚くのは些か冷静とは言い難いと思うよ。逆に、今まで見抜かれたことは無かったの?」
その瞳が、私を、ぽれを見逃さない。その言葉遣いひとつ、ひとつが。まるで私を諭すかのような物言いで。
「えぇ、初めてよ。私を1目で見抜いたのは。」
私がそう、言う。───声は震えていないだろうか。視線はおかしくないか。足の震えが止まらない。小刻みに震え、その存在を無意識に恐れる。
「そう。それは神に愛されなかったもの達だったんだね。」
───私の仲間が馬鹿にされているかのような物言い。それは許すことは出来ない。私を馬鹿にされるよりも、それは許せなかった。
「神に愛されてもいいことはないわ。助けてはくれないのだから。」
「何を言ってるの?神様はみんなを助けるんだよ。その証拠にメテヲが救われてるんだ!!」
そう言いながらメテヲさんは大きく手を開き、そして、祈りを捧げるかのように両手を握る。
「ハハッやっぱり神は、信じるものは救われるんだよ!!」
「落ち着いて。それなら神を信じている天使が惨殺されたのは何よ!」
メテヲさんが狂ったかのように笑いだし、その美しく整った顔を歪ませる。まるで、私の話が聞こえていないかなように。
暫くメテヲさんの狂気的な笑いが響く。ひとしきり笑った後、メテヲさんがゆるりと笑みを微笑に変える。その微笑みは神聖さを思わすものだった。
「───それでは。神様のご命令通りに。」
其の瞬間、空間にヒビがはいり、まるで背景を張り替えるかのように風景が変わる。幻想的な風景から真っ白のような空間へと変わる。まるで、その空間を切り抜いてしまったかのように。
「ああ、言い忘れてました。私の名は【イヴィジェル・メテヲ】。元『天使と悪魔のハーフ』。今
をやっています。」
そう柔和な笑みを浮かべるメテヲさんは【神】となっていた。
ここで切ります!まあ、題名でお察しですが…まあ、頑張ってもらいますよ。さすがに。それと、八幡さんが強欲の悪魔を殺した、って言ってましたが、正確には強欲と傲慢どっちも殺してます。書き忘れですね…すみません。しかし、訂正するのは面倒なのでしません。許せ。
あ、後メテヲさんの神の姿載せておきます。まあ、こんな感じなんだな〜って思っておいてください。
アナログなのは許せ…!!構図は十字架を意識してますね。
それでは!おつはる!
コメント
9件
メテヲさんの羽がちょっと悪魔みたいでなんか怖い。いや、イラストは神だけどもメテヲさんも神。 (何言ってるんですかね私)
うわぁぁぁ… ぜんさん死んで欲しくないよぉぉぉ…
メテヲさんほんとに美しいわね