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翌朝、目覚まし時計が鳴るより先に、こさめちゃんの柔らかな笑顔が視界いっぱいに飛び込んできた。頬が火照り、昨夜の情事が甦る。
「おはよう、すちくん!」
こさめちゃんの声は弾んでいる。昨晩までの陰鬱な空気は吹き飛び、爽やかな朝日が窓から差し込む。
『おはよ……元気そうだね』
すちは微笑みながら頭を撫でた。
ベッドから起き上がるとこさめちゃんがにっこりと提案する。
「今日のお昼ご飯、一緒に作ろ!何食べる?」
『こさめちゃんの好きなものでいいよ』
「じゃあパスタにしよ!すちくんのミートソース美味しいから♪」
その屈託のない笑顔に胸がいっぱいになる。
キッチンに立つこさめちゃんの背後からすちくんが材料を用意する。トマト缶の蓋を開ける音、玉ねぎを刻むリズミカルな包丁の音。隣同士で笑い合いながら料理を作り終える頃にはすっかり日常が戻ってきた気がした。
昼食後、ソファに並んで座り映画を選ぶ。DVDをセットしながらこさめちゃんがぽつりと口を開いた。
「なつくんのことで心配かけてごめんな」
『こっちこそごめん。疑ったりして』
「ううん、嬉しいのもホンマやで。でも……」
「でも?」
「すちくんがずっと一緒にいてくれるなら、こさめは大丈夫やと思う」
素直な告白に、すちはこさめを抱き寄せる。
『俺も。こさめちゃんがいれば他に何も要らない』
その瞬間、スマートフォンが振動した。見覚えのあるアイコン――”なつくん”からLINEが来ている。
「あ……」
こさめちゃんがスマホを取り出し、内容を確認する。
『また研究室来てくれって……どうしようかなぁ』
困ったように首を傾げる彼女。
すちは迷わず口を開いた。
『行きたければ行っていいよ。ただし――』
こさめの耳元に顔を近づける。
『俺が送り迎えするし、終わったらすぐに帰ってこようね?』
「……!」
こさめちゃんの頬が赤く染まる。嬉しそうに頷き、『わかった!』と笑う。
二人の笑い声が響く中で、新しい一日が始まっていく。外では雪が溶け始め、陽射しが優しく世界を照らしていた。