テラーノベル
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僕は鳥居を潜った手には特売で勝ち取った卵15個とキャベツ。それにネギの入った重いレジ袋を持っている
「よし、この五万二千円を…」
そう呟いて財布から出したお札を握りしめた瞬間
—変な音だけが一瞬した
まるでテレビの主電源を切ったようにあるいは耳打ちに失敗した時みたいな、奇妙な音がした、
次に目を開けると、さっきまで背後で聞こえていた夕暮れの商店街の物騒が嘘のように消え去った
「……え?」
目の前にあるのは自分の知っている神社よりも立派で、けれど、ひどく古びた神社空気は
ひんやりと冷たくあたりには人っ子一人いない。
聞こえるのはレジ袋のネギが風に揺れるカサカサという音と、10個の卵がパッキングの中でわずかに触れ合う音だけだった。
誰もいない、そう確信して心細さが込み上げたその時だった
「…また迷い人?」
背後からかけられ、声は低く落ち着来すぎた声びくりと肩が震え慌てて振り返る。レジ袋の中で卵がカチリと音がし、肝を冷やした。
そこにいたのは、石段に腰を下ろした一人の少女だった。赤と白の時代錯誤なまでに本格的な巫女装束。
大きなリボンが微かな風に揺れている。あまりにその場に馴染みすぎている姿に一瞬言葉を失った
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