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『間違えた』
休日の朝。
カーテンの隙間から差し込む日差しで、こさめはゆっくり目を覚ました。
🦈「……ねむ」
隣を見ると、みこちゃんはまだぐっすり眠っている。
🦈「起こさないようにしよ」
小さく呟いてベッドを抜け出し、洗面所で顔を洗う。
それから寝室に戻って、クローゼットを開けた。
🦈「んー……」
適当に黒いパーカーを手に取る。
寝ぼけたまま頭を通して、袖を通して。
🦈「……あれ?」
なんか変。
袖が長い。
🦈「こんなだっけ?」
指先がすっぽり隠れてしまう。
丈も長い。
鏡を見ると、まるで子どもが大人の服を着ているみたいだった。
🦈「……?」
首を傾げながらタグを見る。
そして固まった。
🦈「……みこちゃんのじゃん」
やってしまった。
寝ぼけすぎて、自分の服じゃなくてみこちゃんのパーカーを着ていたらしい。
🦈「だから大きいのか……」
そのまま脱ごうとした瞬間。
👑「こさめちゃん?」
後ろから眠そうな声が聞こえた。
👑「おはよ……」
振り返ると、寝癖だらけのみこちゃんが目をこすりながら立っていた。
👑「……」
🦈「……」
数秒後。
みこちゃんの目がぱっと開く。
👑「えっ」
🦈「……」
👑「俺のパーカー着てる!」
🦈「間違えた」
👑「かわいい」
🦈「違う」
👑「ぶかぶかじゃん!」
🦈「だから脱ぐ」
👑「だめ」
🦈「なんで」
みこちゃんはにこにこしながら近づいてくる。
👑「すごい似合ってる」
🦈「サイズ合ってないし」
👑「そこがいい」
🦈「よくない」
こさめが袖を引っ張る。
指先が全然出てこない。
🦈「ほら、見て」
👑「うん、かわいい」
🦈「だから違う」
👑「写真撮りたい」
🦈「やだ」
👑「一枚だけ」
🦈「やだ」
👑「お願い」
🦈「却下」
みこちゃんはしょんぼりした顔になる。
👑「そんなぁ……」
🦈「その顔してもだめ」
👑「ぶかぶかパーカーのこさめちゃん、期間限定なのに」
🦈「期間限定って」
こさめは呆れながらため息をつく。
するとみこちゃんが袖を少し折ってくれた。
👑「これで少し着やすい」
🦈「……ありがと」
👑「どういたしまして」
みこちゃんは満足そうに笑う。
👑「ねえ」
🦈「なに」
👑「今日はそのままでいて?」
🦈「なんで」
👑「なんとなく」
🦈「絶対なんとなくじゃない」
👑「……すごく可愛いから」
結局それだった。
こさめは少し照れくさそうに笑う。
🦈「じゃあ朝ごはん食べたら着替える」
👑「それまでなら?」
🦈「……それまでなら」
👑「やった!」
みこちゃんは嬉しそうに笑って、ぶかぶかの袖から少しだけ出ているこさめの手を見て、また「似合ってるなぁ」と小さく呟いた。
こさめは「もう」と照れ笑いしながらも、その朝だけは少し大きなパーカーのままで過ごすことにした。
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コメント
1件
わあ、もうこの2人の空気感がたまらないですね……!寝ぼけて間違えて彼女のパーカーを着ちゃうミス、日常のワンシーンなのに「これぞ関係性の縮図」って感じがしました。特にみこちゃんの「写真撮りたい」「期間限定」「すごく可愛いから」と段階的に本音を出す流れが絶妙で、こさめちゃんが照れつつも最後は受け入れる緩さが本当に愛おしい。袖を折ってくれる細かな気遣いも、特別な大事件じゃないからこそ染みます。藍翠さん、こういう空気感の切り取り方が本当にお上手ですね。次のエピソードも楽しみにしてます!
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#シクスフォト
亜留@ ていふ
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