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トランスアイドルに恋をした

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第七章:古城カレンさんへ

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2023年11月27日

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 今でも彼女の事を鮮明に思い出せる。彼女の事を思い出すと、笑顔ばかりが思い浮かぶ。さすがアイドル、いつも笑顔だったんだ。声は明るく、そしてカワイイ、中性的な声だった。今でも彼女の事を思い出すと、頭の中で彼女の歌声が聞こえてくる。忘れられない。あまりにも尊い思い出が多すぎる。

 古城カレンさんへ

 あなたを愛しています。笑顔も、声も、大人びた性格も、ところどころ僕と似ているところも、あなたを愛しています。

 いいんです、付き合えなくたって。だって古城さんはアイドルだもん。

 帰ってきてください。

 雨音より。

 意味なんかない。こんな手紙なんか書いたって意味なんかない。わかってる。わかってるけど、あの人が死んだなんて信じたくなくて、僕は涙を大量にこぼしながら彼女に手紙を書いた。彼女が死んだ場所に花束がたくさん置いてあったので、僕はそこの電信柱と花束の間に届くわけのない手紙を挟んだ。

「あなたを愛しています。」

 それが、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、彼女に、伝えたかった。

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