阿部は椅子に縛り付けられ、目の前のテーブルにはガラスの瓶に入った透明な液体がある。
この液体はきっと毒かと思われる。
阿部がなぜこういう目に遭っているかというと。
移動車の場合から、外を見ながら「よく降るなぁ」と窓ガラスについた水滴に手をおいた。
小学生くらいの女の子が傘もささず歩道を歩いていた。
阿部はマネージャーに言って車を停め、少女の元へ走って行った。
阿部ーお嬢ちゃん、傘は?
少女ーないの。
阿部ーお家は近く?
少女ーん〜ん。
阿部ー車に乗って?
少女ーいいの?
阿部ー濡れちゃってる。
車に乗せて、積んであるタオルで彼女の頭を拭き始めた。
マネージャーは、「お家はどこ?」と聞く。
告げられた住所はちょっと遠い。
ナビに入れて車を発進させた。
それから阿部とマネージャーは消えてしまった。
丸1日後、マネージャーの乗った車が近くの竹林に突っ込む形で発見された。
阿部の姿はない。
目黒ー亮平くん・・。
阿部は、古びた洋館にいる。
あの少女の家だ。
事務所は、車のナビの履歴を見たが消されていた。
少女は、今阿部の目の前に立っている。
少女ーまさか、会えるなんて思わなかったわ。
阿部ーあなた一体・・。
少女ー私はこれでも30歳よ。
阿部ーえっ?
女ー低身長症って聞いたことない?小人症とも言われていたわ。
阿部ーあぁ、聞いたことある。
女ー私はあなたたちのファンだけど、この身体だからコンサートには行けなかった。
阿部ーそんな。
女ーめめはどこ?
阿部ー目黒のファン?
女ーそう。
彼女は1メートルくらいの身長だ。
椅子に座った阿部の方がまだ高い。
阿部ー目黒に会ってどうしたいの?
女ー185センチあるんでしょう?
高いところから皆んなを見てみたいのよ。
阿部ー目黒に抱き上げてもらって?
女ーそうね、それがいいわ。
阿部ー目黒に会いたいだけで、何で俺を縛って目の前に毒を置くの?
女ーめめは私と結婚するのよ。
阿部ーそんな無茶な。
女ーそう言うから、あなたを縛っているのよ。
自分は目黒を誘き出す餌だと阿部は知った。
来ないで欲しい。
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キター🖤💚