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気がついたときにはもう終わっていた。試合終了を知らせるサイレンの音が耳に嫌に響く。俺はバッターボックスから動くことができなかった。
周りを見ると喜び合う稲城実業と、涙を流している仲間たちがいた。
最後の打席、倉持は成宮のピッチングに完璧にやられた。バットに当てることさえできなかった。
「整列!」
主審の声がグランドに響いた。
「倉持。整列だ。」
御幸が涙を流しながら俺を整列させた。
「礼!」
『ありがとうございました!』
俺たちの夏が終わった。
俺のせいで。俺がバットに当てれなかったせいで。
青心寮の自室に戻った俺は、布団の中で涙を流した。
そして誓った。
もう二度と、こんな思いはしないと。