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※政治的意図なし。史実とは一切関係ありません。語彙力がなさすぎるためところどころおかしいです。誤字脱字があるかもしれません
イギリス×日本です。他にも諸々お気をつけください。
今日もロンドンに朝が来た。小鳥達は悠々と思い思いに鳴いている。
紅茶の匂いが残る英国邸で、イギリスはなんだか落ち着きがない様子。鞄の中身を見ては閉じ、鏡の前で、襟を何度も整える。
「よし…これで荷物は持ったか…?」
「身なりも‥大丈夫……か?」
「うん……大丈夫だ。今日も紳士を演じられる。」
胸に手を当て、念じた後、帽子を深く被り、いざ仕事場に向かった。
始業十分前のエントランスは様々な国が交流して賑わっていた。床の大理石が窓の朝の光を受け止め、コーヒーの仄かな香りが漂う空間は、暖かくどこか落ち着いていた。
一方、イギリスは忙しなく辺りを見回している。
テラス席でコーヒーを飲んでるのは?ーいや、あいつらは北欧の連中だ。
自販機の横にいるのは?ー南米のやつらか…。
時計台の前にいるのは?ークソ、フランス達か!
まて、あそこにいるのは?
…いた
大きな柱の影に隠れた愛おしい姿を見つけた。
(日本君だ…)
いつものシャツとズボンに赤いネクタイ。変に気取ってない、洗練されてるその姿は、今日も、イギリスは一目ぼれでもしたかのようだ。
イギリスは少しずつ、少しずつ日本に接近していく。そして、一息置いて声をかけた。
「や、やぁ、日本君、GoodMorning」
日本は読んでいた本からイギリスへと視線を移す。
その瞳からイギリスの顔が見える。
はっきりとは見えないはずだ。なのに自分の顔はひどく、紳士とはかけ離れた顔のように思えた。
「おはようございます。イギリスさん」
日本は笑みを浮かべ、本を閉じる。
(あぁ、今日も可愛いな。君は)
イギリスは日本のことを直視できず、日本が手に持っている本に目線を落とす。少し年季の感じるその本の題名は…
「紅茶の作法‥?」
「この頃、抹茶と紅茶を合わせた新商品の開発に取り組んでいるんですけど‥‥、お恥ずかしながら、本場の紅茶をあまり飲んだことがなくて‥…」
日本が照れくさそうにボソボソと話す。
埃を払うように本の端を優しくなでる。その一瞬の動作でさえ、撮って額に飾りたいぐらいだ。
今日は素敵な日だ。こんなにも日本君のたくさんの表情が見えたのだから。ここで今日は止めておくべきだったのだ。私が調子に乗ってしまう前に。
「‥それなら、私が教えようか?」
周りの喋り声が無くなった。
世界の色が飛んでしまった。
やって、しまった。
突発的に出てしまった自分の本音の言葉にイギリスはハッとする。
(何を言っているんだ私‥いや、俺は!!、ついにとちくるってしまったのか?!)
頭の中が真っ白だ。
(親しくない俺からこんなこと言われたって、日本君にとって迷惑なだけに決まってる!!)
(第一、日本君が断る言葉を聞きたくない!)
イギリスは一歩後ろに下がってしまう。
(あの子は断るという行為をするだけできっと自分を傷つけてしまう…)
(撤回すべきか?それもおかしな話だろう?)
(あぁ、数秒前に戻りたい。)
脳内がパンクするほど考えるが、現状の解決をする手段は何も思い付かない。
紳士の仮面は、こういう時ほど役に立たない。
「イギリスさん……」
イギリスの心臓が大きく早く脈を打つ。
体の輪郭はとらえられない。
しかし、心臓の位置だけははっきり分かる。
「‥‥お願い、できますか?」
「‥え?」
窓から差し込む光がスポットライトのように日本を照らしたかのような気がした。イギリスは、いつもの営業スマイルとは違う、日本の本当の笑みを見て、自分はかなり見当違いをしていたことが分かった。
(……君はやっぱり眩しいな)
「すみません、…駄目でしたでしょうか?」
あまり返答のないイギリスに日本は少し悲しそうな顔をする。
(…駄目だな、私は、好きな子を困らせてしまっている。)
「そんなことないさ、私でよければ何時でも指導するよ。例えば…今週末なんかどうだい?」
「その日でお願いします。‥ぜひ、ご指導よろしくお願いします。」
日本の目はまたパッと明るくなり、笑顔になる。世界から色が戻り周りの話し声がうるさいほどきこえる。
‥今のイギリスはその顔を直視することができた