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第八話:距離が縮まる瞬間
陽翔は朝目を覚ますと、真白が隣で寝ているのを感じた。
昨日からずっと心が温かく、安心感に包まれている。
真白とこうして一緒にいる時間が、どんどん特別なものになっていくのがわかる。
「先輩、起きてる?」
陽翔は声をかけるが、真白は眠そうに目をこすりながらも、陽翔に微笑んだ。
「ん、まだ寝ぼけてるけど…お前、そんなに俺と一緒にいたいのか?」
陽翔は恥ずかしくなりながらも、真白の腕に軽く触れた。
「うん、先輩といると落ち着くから、ずっと一緒にいたいなって」
その言葉に、真白は目を開け、陽翔の顔をじっと見つめる。
陽翔はドキドキして、目を逸らしそうになったが、真白が優しく陽翔の顔を引き寄せて、額にキスをした。
「お前、ほんとに可愛いな」
そのキスで、陽翔の胸は高鳴り、真白との距離がまた一歩縮まった気がした。
⸻
昼過ぎ、ふたりは買い物に出かけることにした。
陽翔は、真白と歩くたびに心が弾むのを感じていた。
でも、心の中にはちょっとした不安もあった。自分が真白に頼りすぎてしまっているんじゃないかという気持ち。
「先輩、今日は何を買いに行くの?」
「ん?特に決めてないけど、お前が欲しい物があれば付き合うよ」
陽翔は少し考えて、真白を見上げた。
「実は…先輩と一緒にいられれば、何でもいいんだ」
その言葉に、真白は少し驚き、そして微笑んだ。
「お前、ほんとに素直だな。でも、俺もお前と一緒にいると楽しいから、何でもいい」
その言葉に陽翔は照れ笑いを浮かべながらも、ふたりは並んで歩きながら過ごす時間を楽しんだ。
陽翔は真白といると、時間があっという間に過ぎていくように感じていた。
⸻
帰宅後、ふたりはリビングのソファに座りながら映画を観ていた。
陽翔は、真白の隣に座っていることが心地よくて、何も考えずに映画に集中しようとしたが、やはりどこかで真白の存在を意識してしまっていた。
映画が終わり、静かな時間が流れる中、真白がふと陽翔に向かって話しかけた。
「お前、今、なんか考えてるだろ?」
陽翔は驚いたように真白を見つめ、少し恥ずかしそうに答えた。
「えっと…少し、先輩と一緒にいることが嬉しくて、なんか気持ちが溢れてきちゃって…」
その言葉に、真白は少し考え込みながら、陽翔を見つめた。
「お前、そうやって素直に気持ちを伝えるの、俺にはすごく嬉しいよ」
その言葉に、陽翔は胸が熱くなり、思わず真白を見つめ返した。
「でも、先輩は、僕がこうやって甘えてるの、迷惑じゃない?」
「迷惑なんて思ってないよ。お前が甘えてくれるの、嫌いじゃないから」
その言葉に、陽翔は少し安心し、そして少しだけ勇気を出して、真白の手を取った。
「じゃあ、もっと甘えてもいい?」
真白は驚いたように陽翔を見つめ、その後、ふっと笑った。
「お前、ほんとに可愛いな。でも、無理に甘えなくてもいいんだぞ。お前のペースでいいから」
その優しい言葉に、陽翔はますます胸がいっぱいになり、真白の手を握りしめた。
⸻
夜、ふたりは一緒にベッドで横になっていた。
陽翔は、真白に寄り添って、静かな時間を楽しんでいた。
心地よい温もりが広がる中、陽翔は思い切って真白に言った。
「先輩、僕、もっと先輩と近くなりたい」
その言葉に、真白は少し驚き、そして陽翔をじっと見つめた。
「お前、もっとって…どういうこと?」
陽翔は少しだけ恥ずかしそうに目をそらしながらも、真白にしっかりと答えた。
「もっと…一緒にいる時間を増やして、もっと先輩に甘えて、もっと先輩のことを知りたい」
その言葉を聞いた真白はしばらく黙っていたが、次第に優しく笑顔を浮かべて、陽翔の顔にキスをした。
「俺もお前ともっと一緒にいたいよ」
その言葉が、陽翔の胸に温かく響いた。
お互いの気持ちが、もっと強く繋がっていることを感じながら、ふたりは静かな眠りに落ちていった。