テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


数時間後、涼ちゃんにも悪寒とだるさが襲ってきた。

自分でさえ立ち上がるのもつらい。

𓏸𓏸はまだ熱がある状態だけど、懸命に涼ちゃんの世話を続けた。


「涼ちゃん、熱測ろう……」

朝8:30――37.9℃

11:00――38.3℃

14:00――38.6℃

17:30――38.2℃

20:00――39.0℃


数字は測るたびに上下するが、どれも高いままだった。


𓏸𓏸は丁寧に冷えピタを涼ちゃんの額にそっと貼る。

「少しは楽になるといいけど……」


涼ちゃんは布団の中で、弱々しく息を吐いた。だれかを呼ぶ元気もなく、ただ窓の外の灰色の空ばかり見つめていた。


𓏸𓏸は小さなノートを開いて、涼ちゃんの体調を細かく記録していく。


【7/21 8:30 体温37.9℃ やや顔色が悪い】

【11:00 体温38.3℃ 咳少し 水を半分】

【14:00 体温38.6℃ 会話なし 横になっている】

【17:30 体温38.2℃ 冷えピタ交換 返事はうなずきだけ】

【20:00 体温39.0℃ 水も食事も拒否】


ペン先が震えて文字が歪んでも、𓏸𓏸は一生懸命全てノートに残した。

(今はこれくらいしかできないけど、絶対に……)


𓏸𓏸の不安と祈りのすべてが、ノートの一文字一文字に込められていく。

君の笑顔をもう一度

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

37

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚