テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
14,946
ねむ
222
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
〜〜〜〜
美虹「オーナーさん。この旅館の……お父様の呪いについてまだ何かご存じ?」
部屋にいる志土に夜食を届けに行ったあと、皆と少し離れた所で莉來と一緒に賄いを食べている旅館のオーナーの路郎に話しかけた。
路郎は口の中にある食べ物を飲み込んでから、女性を虜にする程の笑みをして話し始める。
路郎「女性客一人は絶対に行方不明になっています。お祓いを頼んだのですが、全く効果が無く…」
快晴「どこのお祓いですか?場合によってはインチキ払い屋がいます」
路郎「『オノノメ』、『ハラマタ』、『イココイ』」
快晴「僕が知ってるインチキ払い屋いなかった…」
路郎「はい。クチコミを頼りに選びましたから」
美虹「『ハラマタ』は結構ガチで見えるタイプの払い屋らしいわよ」
路郎「そうなんですね」
快晴「(あとで『オノノメ』、『ハラマタ』、『イココイ』に電話しよ)」
快晴はスマホのメモアプリに、「オノノメ」、「ハラマタ」、「イココイ」の名前を書いた。
快晴「……ん?」
その時、快晴は窓に目を向けると、この旅館と同じ造りの家が見えた。
快晴「オーナーさん、隣も旅館ですか?」
路郎「あ、いえ。あっちは別館になります。と言うより、私の実家です」
快晴「実家?」
路郎「はい。両親と私と妹と住んでいた家です。父が自殺して、母と妹も父の呪いで連れていかれて…。今は私一人の実家です。ですが、私がここの旅館を継いでからはあの別館には全く立ち入らず…」
美虹「確かに、帰る暇無いものねぇ」
路郎「はい。この旅館にあるオーナー室で寝泊まりしております」
快晴「(って事は、オーナーさんは最近あの別館に出入りしてへんのか…)」
音奈「ぶ、不気味…」
快晴「そうだね」
快晴が別館の方を見ると、同じように見ていた音奈がボソリと呟いた。快晴は淡々と返していたが、音奈は彼を怖がる素振りを見せていなかった。
その時、別館の電気がチカチカと点滅していた。
快晴「え?」
音奈「ひィッ!!」
快晴が目を見開いて疑問符を浮かべて、音奈は恐怖に染まった顔をしていた。
莉來「な、何アレ!?」
音奈の悲鳴を聞いた莉來が別館の方を見ると、チカチカと電気が点滅していたのに驚きの声をあげる莉來。
路郎「父の呪いです」
莉來「え!?」
路郎「父が死んでから…。ああやって自室でチカチカと点滅させてるんです……。本当に、客足が減るのでやめて欲しい限りですよ」
路郎は疲れたような顔をして、カーテンを締めた。
路郎「お見苦しい所を、申し訳御座いません」
快晴「……あの、別館に行っても?」
路郎「え?はい。構いませんよ」
音奈「ね、ねぇ快晴さん!私も行ってもいい!?」
快晴「どうぞ」
音奈「あ、ありがとう御座います…!」
美虹「(あらあら、快晴君には懐いたわねぇ)」
快晴は音奈と会話していた。快晴が淡々と会話してくるので、音奈も快晴に対して友好的になっていた。未だに美虹や莉來のような女性や風太のような厳つい風貌の男は苦手としているが。
路郎「別館の扉の鍵が、オーナー室にありますので持ってきます。少々お待ちください」
路郎はそう言いながら、走ってオーナー室へ向かった。莉來はそんな路郎に着いて行こうとしたが、「直ぐに戻りますのでのここにいて下さい」と優しく言われたので「はぁい♡」と2オクターブ上の甘い声を出してその場に留まった。
美虹「莉來ちゃんは、幽霊の類は平気なのね」
莉來「ビックリはするけどね」
恋人にする声色ではないが、友人に対する声色で話す莉來。そんな莉來の新たな一面を知った美虹は、美しい笑みで笑う。
路郎「お待たせしました。鍵をお持ちしました」
莉來「路郎さぁん♡」
快晴「それでは別館へ行きましょう」
美虹「そうね!」
快晴「先輩行くんですね」
美虹「快晴君だけお仕事させるワケにはいかないでしょ?」
快晴「全くその通り」
莉來「路郎さぁん♡今度は一緒に居て良いわよね?♡」
路郎「はい」
莉來「きゃぁぁ!!♡カッコイイ!♡」
今ここにいる人達は皆別館へ向かった。
〜〜〜〜
別館に来た快晴は路郎に扉を開けてもらい、中に入る。すると真っ暗闇で何も見えなかった。
快晴は手慣れたようにスマホの懐中電灯を点け、辺りを照らす。
快晴「広い家ですね」
路郎「父は女性嫌いでしたが、旅館の経営はしっかりしておりましたので、広い家に住めるようになりました」
音奈「えっと…、電気がチカチカしたのは二階でしたね」
快晴「はい」
快晴は二階へ走ると皆もスマホの懐中電灯を照らして走って行った。
路郎「こちらが父の部屋です」
路郎は別館にある部屋を指差して言った。扉は錆びていてボロボロだった。
路郎は扉を開けると、キィ…と小さく音が鳴った。父親の部屋と思われる場所。中には誰も居なかった。
快晴「誰もいない」
音奈「え…、え!?そ、それじゃぁさっきのチカチカは…!?」
莉來「ほ、本当に呪い!?」
音奈と莉來が騒いでいる間に、快晴と美虹が父親の部屋の中を懐中電灯を照らして調べ始めた。