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幼少期から容姿のことで虐めを受けてきた

「半分野郎」「気持ち悪い」「なりそこない」

全部全部合っていることではあった

だからこそ、自分の心を必要以上にえぐり取られてきた

知ってる、知ってるよ、全部

けどわざわざ俺本人に言わなくてもいいじゃないか

ずっと一人で抱えてきたこの辛さと苛立ちは誰にも見せることなく、俺はもう一人の青年になっていた

きっとこのまま苦しんで生きていくだけなんだと、そう思っていた

そんな中現れたのが君だったんだ















tk「はぁ…俺だってこんな見た目になりたかったわけじゃないよ」


時は遡り、数年前

今日も誰もいない空き地のような場所に逃げていた


tk「それにしても…この翼」


俺が虐められる要因はこの翼にあった

片側が天使の翼、片側が悪魔の翼

俺の体から生えたのはこんなへんてこな翼だった

その頃から俺は気味悪がられ、色んな人からも距離を取られるようになった

そうして物心がついた頃には自分から周りの人と離れるようになっていた


tk「俺だって誰かと喋りたい。けどこんな翼を持っている以上…誰かと話すことはこの先一生無いんだろうな」


tk「誰か俺の事なんにも知らない奴が現れて俺と話してくんねえかな…」


そう心の中で願ってもそんなことあるわけが無いと悪魔からの囁きが俺の心に働きかける

だからもう全て、諦めている


tk「今日はもう帰ろう…」


誰にも見つからないように用心深く帰る

そうして少し歩いて自分の家に着いた

この家に親はいない

小さい頃、俺の翼を気味悪がった母親は俺を追い出してこの家に住むようにと言った

父親は俺が生まれる前にもう亡くなっていた

だから俺は親からの愛を受けたことがない


tk「この家は貴方のために作った…ってどの面下げて言ってきたんだよ」


そう吐き捨てると部屋にあるベッドに飛び込んだ


tk「…1度でいいから誰かから愛されたい」


小さな声で呟いたその言葉は敷かれたシーツに吸収されて無くなった




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