入学式の時、君に一目惚れした僕は
何処か、虚しかった。
君は、海の様に凪いでいて
でも何処か、揺らいでいた。
初めて出会った時、運命だと思った。
驚く程に儚く、透き通った君は今にも消えてしまいそうで、
そんな君に話しかけられた僕は
文字通り飛び上がった。
「ねぇ、君もしかして1年生?」
「1年生か、良かったぁ、先輩かと思ったぁぁ、笑」
「あ、同い年だよ笑」
「先輩かと思った?」
「良かったら、名前教えてくれない?」
「へぇ、碧唯君っていうんだ、!」
「綺麗な名前!」
どちらかと言うと僕は名前がコンプレックスなのだが、あえてその事は口にしないでおく。
「あ、私の名前?」
「翡翠砮 蒼寧!」
「ふふっ、素敵な名前なんて、そんな事ないよ笑」
「でも、嬉しいなっ!笑笑」
やっぱり、君は消えそう。
如何してこんなに明るそうな君が、
儚く見えるのか、その謎は
何時までも解けない謎だった。
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