TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

次に目を覚ました時、真希は横にいなかった。体を起こして、真希の姿を探すと、真希は椅子に座っていた。

「何してるの」

「ん、眠気覚まし」

「寝ればいいのに」

寝たら夜寝れなくなる、と呟くように言う真希。

そういえば硝子には伝えてあるんだろうか。真希は生理が不順で、生理痛もあるので硝子に伝えるように言っているのだが、基本的に言わない。

「んー、明日言う・・・」

「明日じゃ遅いよ」

明日も言わないんだろうし。

言葉を飲み込んで、真希にホットミルクをいれる。真希は冷たい椅子から離れようとしない。目の前にホットミルクを置いて、真希が一口飲みこんだことを確認する。

「真希、硝子に伝えとくよ?」

「だからいいって」

「だーめ。僕がよくないの」

真希は一度にらんで、あきらめたように視線をはずした。硝子に連絡を入れると、硝子は『今日は無理かもしれないけど、明日と明後日は絶対いる』とのこと。今月真希がそろそろひどくなる時期だと考えているらしく、2日間は真希の様子を見に来るそうだ。

「悟、15分たったら起こして」

「りょーかい」

真希の寝顔を見ていたらあっという間に15分がたって。

「まーきー、まきー」

「ん・・・」

真希が伸びをして、ぼんやり目を開ける。

割とすっきりしたようで、椅子から立ち上がってそのままトイレへ行った。

「真希、痛い?」

「さっきよりはましになった」

「そっか。あ、ねえ真希、今日夕飯どうしよう」

「今日は作るって気分じゃないな。だからなんか買ってくる」

「え!?」

「んだよ」

「体調悪いんだから僕が買ってくるよ!」

「いいって。今は大丈夫だから今のうちに行かねーと」

「じっとしてればいいじゃん!」

「・・・一人じゃなきゃいいんだろ」

真希がボソッとこぼした、この言葉の意味は、僕だから分かる。

「じゃ、一緒に行こうか!」

訳)一緒に来い。


「ただいまー」

「ただいま」

真希と声をそろえて言った後、洗面台を譲りながら手を洗い、お皿に食べ物を乗せた。

「今日の夕飯は豪華だね~!寿司にステーキだよ!」

「つーかお前ステーキ焼く時の火加減おかしいだろ。弱火すぎ」

「なんかレアだと困るな~と思って」

僕がステーキを焼いて、真希には皿の盛り付けを頼んだ。

「ん、うまい」

「よかった~!ねえ、その寿司は?」

「はいはい、わかってるよ」

「どう?どう?おいしい?」

「うまいよ。早くお前も食え」

真希と同じようにステーキを口に運んで、ちょっとだけむせながらおいしい寿司をほおばった。

食後に今朝買ってきたフルーツを食べた真希。僕も食べたいなーなんて思っていたらそれが伝わってしまったのか、真希は僕にパイナップルを1つくれた。


「真希、お風呂入る?」

「ん~・・・今日はいい」

「血行よくなるんだよ?入った方がいいよ」

真希はかなり血を気にするから生理中は入りたがらないのだが。

「それに今日、こういう入浴剤買ってきたんだ」

「何これ。生理の時用の入浴剤?」

「うん、この前調べたらこれが出てきてさ、今日ドラッグストア寄ったでしょ?その時に買ってきたの」

「でもここ、寮生が使う共同のだろ」

「僕んちで入ればいいじゃん」

「悟の家?」


「真希ー、湯加減どうですか~?」

「んー、ちょうどいいー」

「僕も入っていいー?」

「だめ」

「えー、なんでよー」

「生理中の奴しか入っちゃダメ」

「ちぇーっ」

そして、高専の寮にひとっとび。

「おやすみ、真希」

「ん、おやすみ」

真希は僕に頭を撫でられながら眠った。

stay tuned.

この作品はいかがでしたか?

218

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚