TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

愛の病

一覧ページ

「愛の病」のメインビジュアル

愛の病

5 - E p i s o d e .Ⅴ これで良いんだ

♥

56

2025年09月07日

シェアするシェアする
報告する

愛の病(Ai No Yamai)


attention

・ブルーロック本編とは別軸です

・虐め、自殺、差別的な表現があります

・今回は自殺描写ヤバいです

・烏が先天性難聴、パニック障害

・手話、または普通に会話してる場合、『”』はとっております。

・烏、乙夜『』凪、モb「」

・決して虐め等を助長する意図ではございません

・誤字脱字もあるかも

・烏、凪sideあり


お気を付けて……



凪side






烏が病院に搬送された。







烏と出掛ける約束をしていた。

「烏の行きたいとこ行こ」って俺が言って、烏が受け入れてくれた。


ずっと胸が高鳴って、明後日が楽しみだった。


休みの前日…つまり今日か。





偶、先生の頼みで体育館裏に荷物を運びに行った。


「はぁ、…ここで良いんだよね」

「めんどくさ~っ…(欠伸」




「(さっさと戻ろ…)」

「…ん、?」


何処かから声が聞こえた。


「屋上じゃん、また誰か告ったりしてんのかな」


けど、何故か嫌な胸騒ぎがした。


「…見に行ってみよ、…」





モb「いい加減にしろよ御前!(殴」

烏『ッ、…、゛』

「御前なんか、…”居なくなれば良いんだ!”」

『ッ、…!』


───居なく…なれば…?



「ちょ、アンタ、」

「うぇっ、?!凪くっ……」

「御前…烏に何して…(胸ぐら掴み」

『な゛、き”、っ…(止』


烏は、震える手で俺を止めた。


『もっ、え、ぇ か、あ、゛』

「なっ、何が、いいから、…?」


そういうと、烏はポケットからメモを取り出した。


『”もう、俺の事忘れて”』

「…え、?」

『(書』

『”これ以上、迷惑かけられん”』

「ちょ、…烏…?」


そして、新たなメモを俺に渡した。


“俺がおらんくなっても、御前は元気で、楽しくおって。俺がおらんなったら、”乙夜”って奴に「烏から聞いた」ってだけ言ってな。これだけ約束や。”


「ちょ、これ…?」

「ッえ゛…?」


どこの誰かもわからないモbも驚いている。


『ぁい、あと、…(にこ、/泣』


昼の明かりが彼を照らした。

涙しながら微笑むその顔は、神々しくて、でもどこか、迷いがありそうだった。


“ありがとう”。

そう言って、彼はフェンスに足を掛けた。


フェンスの上に乗った烏の背中には、黒い鴉の羽があるように見えた。


「まっ、て…烏、…!」

『ッ、じゃあな、また、来世で、…』


最期に手話で伝えてくれた。





瞬きをする間に、烏は目の前から消えてしまった。さよならも言えなかった。


すぐに救急車で運ばれて行った。その後、烏がどうなったかは知らない。見たのは、落ちてすぐ、血溜まりの上に寝転がっているところまでだ。



俺は家に籠った。

暫く、学校も休んだ。誰とも喋らなかった。

毎日のように泣いて、泣いて、泣き腫らした。


だけど、とある日。


「そういえば…乙夜って奴にどうのこうのって言ってたな…」







久々に家を出た。太陽が眩しい。

重い足を引きずるように、学校へゆっくりと向かった。





『ちゅーす、御前が凪ってやつ?』


誰このチャラそうな奴。此奴が乙夜…影汰、?


「あー、うん、」

『1回喋ってみたかったんだよね』


そんなポーカーフェイスで言われても、なんの説得力もない。俺もだけど。


「(えっと、確か…)」

「烏が、”烏から聞いた”って言ってって…」


その言葉を聞いた途端、彼奴の顔色が変わった。


『…そっか、よく話してたもんな、ん(渡』

「…何これ、?」

『見たらわかるから。できるだけ家で見な』


そう言って封筒を渡してきた。


「…あー、あのさ、アンタと烏って、どういう関係なの?」

『俺と烏?この前偶然仲良くなった友達~的な感じ?』


どうやら、隣のクラスで、女の子にモテモテ、勉強よりかは運動派のまあ有名な乙夜影汰。偶(たまたま)烏と廊下ですれ違って、烏に興味持ったって言ってた。

乙夜は人の悪口を言わない、良い奴だった。

“友達”っていうワード、そして、先天性難聴の事を話していたことに一人嫉妬心を抱いたが、それは置いといて。



『ま、ちょっとした色んな奴の影響で情報屋的な感じになってるし、周りの事知りたかったら言ってね~』

「ありがと、」


まあ感謝は述べてその場をあとにした。








───3時間前



凪が、俺の行きたいとこ行こって言ってくれた。

態々(わざわざ)俺の…?と聞き返したが、凪は「烏のちょっと辛い思いとかを吹き飛ばしたい」って言ってくれるから、ちょっと戸惑い乍も受け入れた。


明後日遊びに行くことになって、今日はずっと、胸が高鳴っていた。

すごく良い1日になると思ってた。なのに──


水かけられるわ筆箱壊されるわ、更には暴力振られるわで、とんでもない日だった。


『あー、あかん、(消えたい、…)』


もう生きる意味なんて、凪以外なかった。その凪も今はなんかの手伝いでいない。


いっそここから飛び降りてやろかと思った。


ワックスでガチガチの俺の髪でも、前髪が揺れるような少し強めの風。

太陽を雲が覆った。

その時─


モb「おい」


またか、


『なんやねん、ホンマに…』


しかし、俺はもう折れない、そう心に決めていた。どんな逆境も乗り越えてやる。絶対に。

凪を、できるだけ、…できるだけ、悲しませないように。


モb「ッ、”耳も聞こえないし、上手く喋れないクセ”に…」

モb「いい加減にしろよ御前!(殴」

『ッ、…、゛』

「御前なんか、…”居なくなれば良いんだ!”」

『ッ、…!』


居なく、なれば…


そうか、居なくなれば、まわりの奴らに、迷惑をかけない。

この時の俺は、ガチでやばかったんかもしれん。


「ちょ、アンタ、」

「うぇっ、?!凪くっ……」

「御前…烏に何して…(胸ぐら掴み」


どこからともなく凪が現れた。

しかし、俺はもう何の感情もなく、凪の手を止めた


『な゛、き”、っ…(止』


凪は戸惑っていた。

ペンとメモ帳を取り出し、1枚書いてから、凪に手渡した。


「ちょ、これ…?」

「ッえ゛…?」


もう良い、もう、良いんや…

『ぁい、あと、…(にこ、/泣』


笑顔で微笑んだあと、思い出した。


「まっ、て…烏、…!」


彼奴は、手話で話すと喜んでくれた。


『ッ、じゃあな、また、来世で、…』


フェンスの上で、彼奴と『最後』の手話を交わした。




気がつけば、体の感覚は何もなかった。




ℯ𝓃𝒹

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚