「おい!俺の任務、ちゃんと終わらせたよな?」
「はい」
「よし、それでいいんだ…これからも頼んだぜ」
男がそう言って立ち去っていく。
ここ、meoは…はっきり言って最悪な場所。
誰かに任務を押し付けられて、怪我をしても病気になっても、一切休ませてくれない。
10歳の子どもにやらせることかなあ…
「さーもーさん、まーたあいつに仕事押し付けられたの?」
凸さんはこんなブラック環境でも、変わらず明るく振る舞っている。
凄く強いし、俺の憧れだ。
「まあね…けど断ってキレたらめんどくさいじゃん、どーせ自分じゃ任務失敗するから押し付けるんだよ。」
「ははっwさもさんも意外と言うなあ」
「…これから、昼飯でも食べる?」
「うん、俺穴子のお寿司食べたい。」
「サーモンではなく?」
「いつまで続けるのそのネタ」
そんな会話をしながら廊下を歩いてると、向こうの方で何やら揉めていた。
「ほんっとにお前は役立たずだな!戦闘もろくにできねえ」
「ぁ、ご、ごめんなさ…」
「泣くな!せっかく拾ってやったのに、こんなガラクタだとは思わなかった!」
男がそう言って拳を振り上げる。
「………子どもに暴力なんて振って、恥ずかしくないのか。」
凸さんが男の拳を片手で受け止めてた。
「離せ!くそっ…」
男は振払おうとするけど、びくともしない。
「お、覚えてろ!」
男は敵役が言いそうなセリフを言って、その場を走り去った。
「さて…大丈夫?」
「ぁ、うん…」
「よかった、あ、俺の名前は凸森悠、凸さんって呼んで。」
「で、こっちが俺の弟子のさもさんこと鮭海左門!」
「ちょっと待って!?俺いつの間に凸さんの弟子になったの!?」
俺がそう言うと、女の子が「ふふっ」と笑った。
「二人とも、仲いいんだね…私は飴空七志、よろしく」
「ななしさん…ちょっと呼びにくいな…さもさんなんかいいあだ名ない?」
「え、お、俺!?えーっとじゃあ…ななっし〜とか?」
「ななっし〜…いいなそれ!」
「えっとじゃあ…ななっし〜って呼んでもいい?」
「いいよ!そのあだ名気に入ったし!」
「…………………ぁ」
報告書を書き終わって、そのまま寝落ちしてたらしい。
………この時はまだ平和だったんだ。
だから俺は忘れてた、この世界では、血が流れるのは当然とでも言うような、残酷な世界なんだって…
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