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櫻木 裕花🌸
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「俺…あいつを助けたい。」
目に入った瞬間そう口にしていた。
「らん…あいつは…」
何が言いたいかはわかってる。でも…
「ほっとけないし、だいぶ弱ってる」
俺には、到底何事も無かったように見て見ぬふりをして通り過ぎることなんて出来なかった…
雨降りの中、道の片隅に倒れている獣人。
遠目でもわかった。
垂れ耳のうさぎで、まだ小さい子うさぎみたいだった。
周りには誰もおらず、主人だと思われる人も見当たらない。
ゆっくり…刺激しないように1歩1歩近づく。
「キューッ…キューッ」
苦しそうに息をしていた。
その子の体には無数の傷跡と首元に魔法で作られた首輪がつけられていた。
「これ頑丈すぎるだろ」
「らん、気をつけろ多分これ遠隔で操作出来るやつで…」
そうなつが言いかけた瞬間だった。
「キュ…ちかづいハァ…ちゃ…だめハァ」
弱々しい苦しそうな声で話しながらもぞもぞと状態を動かしてフラついて足を引きづりながらどこかに行こうとした。
その子の優しさなのだろう…俺らを巻き込まないようにと必死に体を動かして…
「あ…」
フラフラしていた体は、ゆっくりと傾き倒れそうになった。
「危ない!」
俺は、咄嗟にその小さい体を受け止めた。
「おい…大丈夫かよ。」
「キューッ…ハァ…ケホッ」
「やべぇな…これ」
「…なつ…説教は、後でいくらでも聞く」
「は?」
俺は、なつにそう言い切った。なつは、なんの事だと分からなそうだったが、気にしない振りをした。
獣人の子を抱えて、雨宿りできそうな屋根のある所へ入り雨を凌ぐ。
「キューッ…キュ…ケホッケホッ」
「大丈夫だ…すぐ助ける。」
(このぐらいの首輪なら…)
そう思い、首輪に
手を添える。
パリンッ カシャンッ
首輪が真っ二つに割れて首から外れる。
「お、外れた」
「キュー…ん…」
「苦しそうじゃなくなったな」
「大丈夫か?」
「コク…」
「なつ、すぐ帰ろ。」
「はぁ…わかってる」
なつは、溜息をつきながらも俺の持っていた荷物をもってくれた。
乗ってきた馬車に乗り、急いで城へ向かう。
その間も少し苦しそうに息をし、寒そうに身体を震わせて何度も「ごめんなさい。」・「やめてください。」を繰り返し、涙をたくさん零すこの子をギュッと抱きしめ、腕の中で「大丈夫」を何度も繰り返し少しでもこの子が安心出来るようにと声をかけ続けた。
次回話♡×100
コメント
1件
「ぁ…もうこの第一話だけで胸が苦しくなったよ…」 雨の中倒れてる子うさぎの獣人、傷だらけで首輪つけられてて、それでも「近づいちゃだめ」って優しさを見せるのがもう…切なすぎる。「大丈夫」って繰り返し抱きしめる主人公の優しさにも泣けるし、なつの溜息つきながらも荷物持ってくれるのも大好きなバディ感。続きすごく気になる…!