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反して爬虫類以前の生物は、環境の急変に対応せざる得ない場面に遭遇した際、多くの場合で『先祖帰り』を取る事が殆どらしい。
この『先祖帰り』が出来るか出来ないか、そこら辺が爬虫類以前の生物とそれ以降の生物の感応力に大きく関わって来ているのだ。
例えば地球の環境が激変し、地上付近の主たる構成要素が芳香族炭化水素に変わってしまったとしよう。
人類の一部は先走りの『進化』によって芳香族炭化水素を呼吸できるようになるとした場合、彼等はラリる事は無いのだろうか?
いやその場合、結論から言えば確りラリってしまうのだ。
何故なら、人類の歩んできた歴史の中で、ベンゼンやトルエン、|所謂《いわゆる》シンナーの成分が希薄な場所に植生する草花や、それらを餌として成長した動物を食べ物に選んだ『進化』が既に完結して来ているからである。
シンナー中毒は幻覚や吐き気、消化障害やヤバイ例では重度の肺炎まで引き起こす。
逆に言えば、そんな場所では食欲が減退し、食べたとしても消化させない、何だったら呼吸すらさせてくれない、その方が結果的には良いんだから! そう取捨選択した過去が確り遺伝されて来ているからなのだ。
だから、芳香族炭化水素に順応した『進化』を果たした人類が増えたとしても、虚ろな笑みを浮かべて痩せた歯を覗かせ涎を垂らして虚空を見つめているだけかもしれないのだ…… 見渡す限り全てのニンゲンが、である、中々に壮観だろうし見方によっては楽しそうだろうね。
遅かれ早かれ絶滅ではなかろうか?
悲劇的でありながらどこか喜劇風味を感じざる得ない、アンニュイな滅びと言ったところか……
ところがこれが爬虫類以前だと事情がガラッと変わって来るのである。
では順を追って説明していく事としよう。
彼等の場合、先走った進化ではなくまず、死ぬのだ。
無論、ニンゲンが思う死そのものでは無く仮死状態、とでも言えば良いだろうか?
一切の生命活動が停止状態な部分に着目すれば、死と呼んでも構わない筈である。
宇宙開発なんかでまことしやかに囁かれたりするコールドスリープなんかも一過性の死と言えるだろう。
身近な例では爬虫類や魚類の冬眠や両生類や肺魚の夏眠を思い描いて頂ければ良いのかも知れない。
急速に冷凍された魚が数年を経て融解した水の中で泳いだ話を聞いた事がある人もいるだろう。
若しくは山間部の住宅で、大雨の日にレンガの中から肺魚が躍り出た顛末でも良いかな?
まあ、その家の住民は悪魔憑きとか言われて迫害されてしまった、なんて悲劇もあった訳だが……
原因はなんと言う事も無い、単純に屋根のひさしが短かっただけ、そんな理由なのであるが、まあ古今東西の違いなく無知とは残酷なのだ。