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_いえもん side_
いえもん「……ぅ゙」
目を見開くとそこには自室の天井があった。部屋は電気がついており、少し眩しく感じる。俺はどうやらベッドに寝かされているようだった。
レイラー「いえもんさん?起きましたか?」
寝たまま右を見ると、安堵した表情のレイラーがいた。いつもは机とセットになっていた椅子がベッドの近くに動かされ、その上に彼女は座っていた。
俺は起き上がろうと体を起こす。その瞬間右の脇腹がキリキリと痛んだ。痛みに耐えきれず、俺はどさりと再びベッドに倒れ込む。
レイラー「痛むでしょう。安静にしてください」
レイラー「馬人が出した石に当たって気を失ってたんですよ」
そう言われて思い出した。森で獣人たちと会い、戦闘になったことが今更ながら頭に浮かぶ。
いえもん「……ブロックテントの中にいるってことは、倒したんですか?あいつらを」
レイラー「そうですね。馬人は師匠が仕留めました。犬人は私が魔法で捕えて持っています」
いえもん「捕まえたんですか?魔法って戦闘以外にも使えるんですね」
レイラー「一般的な能力よりもよっぽど応用がききますから。いえもんさんも早く慣れてください。話が進まないので」
辛辣にそう言われる。自分で魔法が使えるめめやレイラーにとって魔法は当たり前のものかもしれないが、俺にとってはまだまだ新鮮なものだ。慣れるのには時間がかかる、と心の中で言い訳を並べる。
レイラー「それはそうといえもんさんの怪我は粗方直しました。皮膚の再生はできましたが、出血した血は元に戻らなかったので、しばらくは立ち眩みがするかもしれません。あと、骨も直せなかったので折れたままです」
あれだけの威力と痛みだ。骨が折れたのは納得できる。むしろ、皮膚の再生ができたことに驚く。
レイラー「今は魔法で、感じる痛みを弱くしてるだけなので無理は禁物です」
やはり魔法は万能だと言いそうになるのを飲み込んで、質問する。
いえもん「色々ありがとうございます。ところで、姿が見えないんですけどめめさんはどこですか?」
レイラー「師匠は今クシャレ村に向かっています。師匠がブロックテントを持って移動しているので、中にいる私たちも村に向かっている状況ですね。あれから1週間経っているので、そろそろ村に着きそうです」
あれからそんなに経っていたのかと驚く。それほどまでに酷い傷を負っていたのか。
レイラー「そうそう、いえもんさんが寝ている間にこんなものを作りました」
レイラーが側に置いてあった物を持ち差し出す。その手の平には、小さな青色の宝石のような物があった。青空よりも蒼い宝石には、一部分が欠けた細い金属の輪のような物がくっついており、水面に浮かぶ月のような印象を受けた。
いえもん「これなんですか?」
レイラー「いえもんさんのイヤリングです。魔道具の一種ですね。こんな風に耳に付けます」
レイラーが自身の左耳を指す。そこには、俺のと色違いのイヤリング(というらしい)が付けられていた。金属の金色は俺のと変わらないものの、宝石の色が紫色になっていて彼女によく似合っていた。
レイラー「イヤリングの輪っかの部分で耳をはさんでください。そしたら勝手に付きますから」
言われた通りイヤリングを持って左耳に近づける。輪が切れているところで耳たぶをはさむと、イヤリングが勝手に締め付け具合を調節した。痛みを感じるほど強くないし、勝手に取れるほど弱くない。丁度いい塩梅で固定される。付けているのを忘れそうなくらい軽い付け心地だ。
俺がそんな感想を抱いていると、突然レイラーが何かに向かって話し始めた。
レイラー「あ、師匠。今大丈夫ですよ。丁度いえもんさんが目を覚ましました」
彼女は耳にあるイヤリングに触れながら喋るが、ここにめめはいない。気でも狂ったのかと思ったが、イヤリングが関わっているなら恐らく魔法関連のものだろう。魔法に慣れろ、と言われたので冷静を保つ。
レイラー「分かりました。準備して来ます」
彼女がイヤリングから手を離し、今度は俺に向かって話す。
レイラー「今の様に、イヤリングには場所が離れていても話せる会話機能を付けました」
レイラー「それはさておき師匠がクシャレ村の近くに着いたみたいです。私達も行きましょう」
いえもん「え、俺も行くんですか!?」
突然の無茶振りに驚いてしまう。さっき安静にしてくださいとか言っていたのに!俺一応怪我人だよな!?
レイラー「師匠の命令は絶対です!さっさと行きましょう!」
こうして俺は強制労働へと駆り出された。
_?? side_
??「はっ、……… はぁ゙…………… 」
はらが… .…へった… ..
??「……っあ゙ぁ…………、… .」
..痛い…、
??「、.ゔぁ…」
…たべ..たい…… .けど…… .. .
??「…ぅぇ、…」
たべ、..れ、……な…………………… .. ,
??「…〜”…… ..、 .… 」
ここで切ります!やっとクシャレ村に着きました。次回はどうなるのやら…。
というか今回イヤリングという魔導具が出てきましたが、大体のイメージは、皆さんご存知のあのイヤリングです。今度資料集で描こうかしら() 自動で丁度いい強さで固定されるのはリアルと違いますが。現実でもその機能欲しいなぁと書いてて思いました。
また、お分かりでしょうが、前にめめさんが「??」としてでてきましたけど、今回の「??」はそれとは別人です。
これが補足ですかね。
それじゃあ今回はここまでで!また来てね!