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🍵「……ほんと、後悔するよ」
すちは握られた手を見つめたまま呟く。
細い指。
少し冷えた体温。
こさめはそれをぎゅっと握り返した。
🦈「しないもん」
🍵「する」
🦈「しない」
🍵「するって」
🦈「しなーい!」
子どもみたいな言い合い。
でも途中で、
すちが小さく笑った。
その笑顔を見て、
こさめもつられて笑う。
病室なのに。
先のない恋なのに。
どうしようもなく、
幸せだった。
🍵「……じゃあ、今日から恋人?」
すちが少し照れたように聞く。
こさめはぱっと顔を明るくした。
🦈「恋人!」
🍵「ふは、うれしそう」
🦈「だってうれしいもん!」
勢いよくベッドへ身を乗り出す。
そのせいで距離が近くなって、
すちの呼吸が一瞬止まった。
🍵「……近い」
🦈「えへへ」
🍵「自覚してやってる?」
🦈「どうだろ〜?」
完全にしてる顔だった。
すちは困ったように笑う。
でも次の瞬間。
ふと、
こさめの目元が視界に入る。
薄い隈。
少し痩せた頬。
笑顔の奥にある疲れ。
また胸がざわつく。
🍵「……こさめちゃん」
🦈「ん?」
🍵「本当に、本当に大丈夫?」
空気が止まる。
何回目だろう。
何度も聞いてしまう
うざいって思われてもいい
君が大丈夫じゃないことはわかるから
大丈夫じゃないって言うまで聞くから
ほんの一瞬だけ。
こさめはすぐ笑った。
🦈「大丈夫よ〜?」
🍵「……ほんとに?」
🦈「ほんとほんと!」
明るい声。
いつもの調子。
なのに。
こさめが遠い。
目を離した隙に、
どこかへ消えてしまいそうな感覚。
🍵「……」
すちはゆっくり手を伸ばす。
こさめの頬へ触れる。
ぴく、と肩が揺れた。
🍵「ちゃんと、ここにいてね」
ぽつりと零れた声。
こさめが目を丸くする。
🦈「すち?」
🍵「……なんでもない」
自分でも意味が分からなかった。
ただ。
今、
この子を離したら、
二度と戻ってこない気がした。
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