テラーノベル
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これは ゲームを愛した者たちの物語。
そして
彼女らに魅了された者の物語。
ルイ「あぁ〜っ!!」
「ははっ、また兄ちゃんの勝ち〜」
「ルイはまだまだ甘いな!」
「さすがにもう寝るかー」
「明日も学校だし起きれなかったら……」
ルイ「もう1回!!」
ルイ「今の技初めて見た!コマンドは何!?」
ルイ「せめて手元だけでも見せて見せて!!」
「あははっ!!」
ルイ「笑わないでよぉ…」
「いやー、怖いなーと思って」
「ルイなら、きっと すぐ俺よりうまくなるよ」
ルイ「え…」
「まぁ、負けてやるつもりもないけど」
ルイ「大人気ない!」
「じゃっ、もう1回だけな!」
ルイ「うん!」
__ゲームが上手くなりたい
…というよりか
兄ちゃんとするゲームが大好きだった
こんな毎日がずっと続いてほしい
そう思っていた
「新作ゲームゲットだぜ!!」
ルイ「兄ちゃん!早く早く! 早く帰って対戦しよ!」
「わかったよ」
「帰ったら兄ちゃんが相手してやる!」
ルイ「やったぁ!」
ルイ「楽しみだね!兄ちゃ__」
その時、視界の端にトラックが映った。
突然、後ろに飛ばされるような大きな力が俺に働いた。
ガシャン、と大きな音が耳に響いてくる。
目を開けるとそこには__
ルイ「……兄ちゃん?」
そこにはただ、アスファルトの上に残された、赤黒い「兄ちゃんだったもの」が広がっていた。
「居眠り運転だって。」
「弟さんを庇って…」
「可哀想に」
うるさい。
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
それからというもの
俺は自室に閉じこもるようになった。
_6年後_
ルイ「あ…」
ルイ「弱…」
この6年間ずっと
縋り付くようにゲームばかりしていた
ある程度上手くはなったものの
向上心はなく
いろんなゲームをひたすら転々としていた
あの頃のようにはもう…
ルイ「やめよ、このゲーム」
ルイ「他になにかいいゲームないか…な?」
動画配信サイトを見漁っていた俺の目に飛び込んできた「1つのサムネイル」
ルイ「ゲームの、大会…?」
ルイ「大会って、そんな大袈裟な……」
《勝ったのはSNNM/ROUGE!!》
《SNNM/ROUGEが世界に見せつけたぁぁぁ!!》
……
なんだ、これ…
画面越しでも伝わる会場の熱狂 一体感
選手も観客もみんなゲームに真剣で
ここにいる何千、何万もの人が試合を楽しんでいる
ルイ「シノノメ…ルージュ…」
耳から離れないこの言葉を
俺は調べずにはいられなかった
日本トップレベルのプロゲーミングチーム
「SNNM/ROUGE」
通称「SR」
SRの選手たちはみんなめっちゃ強くて、かっこよくて
最強だった
いろんな部門があって
それぞれの選手が
「ゲーマーをかっこよく魅せる」ことをテーマに活動している
大会で衝撃を受けたその日から
毎日食い入るようにSRの配信や動画を見た
気が付けば俺は
完全に”彼女ら”にハマっていた
ルイ「あ…」
『優勝…』
目の前のモニターには自分の名前「Rui」が順位表のトップに表示されていた。
ルイ「えぇ!?勝った!!優勝?俺優勝!?」
ルイ「いや…まぁ小さい大会ではあるけど…」
ルイ「でも、でも…」
『やったぁ…っ!』
ルイ「SR研究ノートのおかげだ!オタク知識がこんなにも役に立つなんて…!」
ルイ「SR万歳!!」
ルイ「それじゃあ……」
ルイ「今日の反省点は…」
まずは1回戦目、上手く1v1に持ち込めなかった
2回戦目はリロードのタイミングミスったし
敵の位置を上手く把握できなかった
回復してる間にもっと冷静な判断をしないと
3回戦目は味方との連携が微妙だったなぁ
連携、苦手なのちゃんと克服しないと
ラスト試合は…上出来だった
ルイ「はぁ、まだまだ改善点が多いなぁ…」
“彼女ら”ならどう動いただろう?
この目の前のゲームの画面は
“彼女ら”にはどのように見えているんだろう?
もう1回
もう1回、あの時みたいに…
ルイ「兄ちゃん…」
((ピコンッ
ルイ「メール?」
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差出人:SNNM/ROUGE
アンケートのご協力をお願いいたします
命を賭けたバトルロワイヤルに
参加しますか?
・YES ・NO
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最高にイカれて、イカしたバトルが、今始まる__
‐ SNNM/ROUGE Battle Royale ‐
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