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にゃんことうさぎさん…めッッッちゃ良いじゃないかッッッ!!🫶🏻💗( もっといっぱいじゃれあいやがれくださいって感じ(? 投稿ありがと~ございますっ!
最近癒しが少なかったけど なんかもうお腹いっぱいだわ
ハイブリッドパロ、、猫と兎、、めちゃめちゃいいですね!!✨️ ちょうど2人に合ってる動物ですし!! 元々2人は、、友達以上恋人未満的な関係だったんですかね? とにかく水赤が尊い、、、🫶🏻💕︎︎ 今回の作品もめちゃめちゃ神でした、、😇✨💕 投稿お疲れ様です!!ありがとうございます!!✨️✨️
⚠注意⚠
・水赤(stxl)
・ハイブリッド(≒獣人、人間要素強めの人間と動物のハーフ)パロ
水さん→ねこ 赤さん→うさぎ との混血
「もーほんとわけわかんない……」
寝っ転がりながらSNSを眺めていると、度々タイムラインに現れる、ハイブリッドと飼い主の幸せそうなツーショット。
ハイブリッドが飼い主のほっぺにすり合わせていたり、飼い主に抱っこされていたり、餌付けされていたり。
自分の今の境遇と重ねてしまい、ため息がこぼれる。
「ちむだってかわいいのに……」
恋人も主人もいないまま、早4年が経った。
一人暮らしをしているから撫でてもらったり甘やかしてくれたりする人もいなくて、なんともさみしさが募る。
ネットに写真を載せている人たちのように、ちむも可愛がられたい。
普通の人間とハイブリッドは単に飼うー飼われるの関係であることが多いが、中には恋人のような関係をもつ人たちもいる。
ハイブリッドは人間と動物のハーフとは言えど、見た目は人間とほとんど差がなくて、食事でも入浴でも、たいていのことは人間と同じようにできる。
見た目上の違いがあるとすれば、動物特有の耳としっぽがあるくらい。
現状を打破するために、飼い主を募集する掲示板に情報を載せたり、専用のアプリを使ったりしたこともある。というか、現在進行形で利用している。それでも良縁に巡り会えない。
ほかの投稿を見ようと画面をスクロールしていくと、とあるものが目に止まった。
「街コン、……」
それはオーナーとハイブリッドが出会う目的専用の街コンの案内だった。僕の家から、わりと近くで開催されるようだ。
掲示板やアプリは利用したことがあるものの、こういったイベントには参加したことがなかった。
街コンのハイブリッド側の参加費は、オーナーよりも格段に安く設定されていた。
ほぼ無意識にそのリンクを開き、自分の情報を入力する。手が自然と応募していた。
その場の勢いで、参加することになった街コン。初めて来た会場で、見るものすべてが新鮮だった。
前半は時間を区切ってすべての人間と一対一でお話する、という形式になっていた。
軽く名乗ったあとに、とりとめのない雑談をする。趣味の話とか、休日にすることの話とか。
しかしちむの希望するような相手がいなかったり、向こうもそもそもオスは嫌だったり、なかなか条件の合う人には出会うことができない。
後半は自由に好きな相手を誘うことができる時間になっていたが、もう帰ってしまおうか。せめてもの収穫として、テーブルに置いてあった美味しそうなスイーツたちを口に入れておく。
街コンをあとにしたけれど、このまま自宅に戻るのも癪で、少し先にある別の場所へと歩みを進めた。
インターホンを鳴らすと、予想通りそこの家主は在宅だった。
「……また急やな」
「今空いてるでしょ? 入るね、おじゃましまーす」
「自由すぎやろ」
そう言いながらもあたたかく迎え入れてくれる。こいつの家の玄関も、相変わらずオーナーの気配を感じない。特段散らかっているわけではないけれど、首輪もなければオーナーのっぽい靴もない。
「なんかあったん?」
部屋に通されるなり、そんな質問を投げ掛けられる。さすが、付き合いが長いだけあってちむのことはお見通しだ。今日初めて街コンというものに参加して、それが惨敗に終わったことをこぼした。
今日だけじゃなくてずっと探してるのに全然運命の出会いがない、と告げるとれるは手元のマグカップを見つめたまま、ふー、と息を吹きかけて中の液体を冷ましている。
「理想高いんやないの? もしくはちむがわがまますぎるか」
「ほぼ同じじゃん……、だって甘やかしてくれる人がいいんだもん」
これでも落ち込んでるんだけど、と付け足した。
床に伏せるように丸まっていると、れるが近くに寄ってきて、しゃがみこんで目線を合わせる。
「別に飼い主探すのに固執しなくてもいいんやない?」
ほかにも択はあると思うんやけど、とも言うので視線を上へ向ける。すると、れるがにやっとして両手を僕の頬に添える。
「たとえばうさぎとねこで可愛がり合う、とか」
れるは手を僕の額に持ってきて、そっと撫でる。
れるのおかしな発言を止めるのとを忘れて、なでられて付与される安心感に没頭する。
額だけじゃなく背中も手のひらでゆっくりとさすってくれる。どっちも、うさぎのなでられるのが好きなところ。れるは、知っててそうしてるのかな。
背中を上から下へと線をたどるようになでられ、緊張で固まっていたのがほぐれていく。無意識に歯に力が入って、コリコリと音が鳴る。
「歯なってる、きもちいい?」
「だって……、」
好きなところばっかり触れられて、こんなの気持ちよくないわけない。心を落ち着かせるためにゆっくりと息を吐く。
手が離れたところで、はっとする。危ない、れる相手に絆されるところだった。同じオスで、純粋な人間でもない相手に。
立ち上がって逃げようとすると、れるは僕の腰にしがみついて引き止める。
「どこ行くん、てか、れるにもしてや」
引き止められて、大人しく抵抗をやめてもとの位置に座る。勝手に始めておいて自分にもしろだなんて、自由奔放なヤツだ。
ちむもさっきのれるみたいに、撫でればいいのかな。ねこってどこが好きなんだっけ、と思考を巡らせる。
昔どこかで見た記憶を頼りに、れるの首のうしろへ手を伸ばす。
力を入れすぎないように、軽く指先でさする。あごの下とかねこ耳のつけ根も、人差し指でほぐすように押してみる。
凸凹ひとつない、まっしろな肌。本物のねこみたいなふさふさした毛並みはないけれど、いつまで触っていても飽きない。
しばらくそうしていると、れるが目を細めながら喉をゴロゴロと鳴らした。……これ、きもちいいのかな。
「ん……もうええよ、でも」
れるが頭をちむの首すじに接触させる。髪やねこ耳がふわふわ当たってくすぐったい。
「まだ終わりとは言ってへんからな?」
「ぇ、……」
「嫌なん?」
「いや、っていうか……ほかの種族とこんなことして、大丈夫なの」
普通、付き合うのもこういうことするのも、オーナーとじゃないの。ちむは今日飼ってくれる人間を探しに行ったはずなのに、ねこ……しかもれるとこんな空気になるなんて、心の準備が追いつかない。
「ちむは、ねこのれるより知らん人間がええの?」
「……っ、」
見え透いた二択を迫られ、息が一瞬詰まる。答えなくてもこいつは理解しているはずなのに。
「れるのせいでこうなったんだから……ちゃんとかわいがってよ」
もふもふのカーペットが本物のねこの毛並みを連想させる。改めて、れるが同種でも純度100パーセントの人間でもないことを実感した。
床に伏せていた僕を横向けにして、れるも隣に横たわる。さっきと同じように顔まわりや背中を指が這う。爪を立てられると体がびくついて恥ずかしくなる。
「やだ、しっぽ、さわんないで……っ、」
いつの間にかれるの手はしっぽに移動して、繰り返し触ってくる。
やり返すように自分もれるのしっぽを掴んで、軽く刺激する。先端に向かってスピードを緩めながらさする。
「ちょ、そんなさわんな……」
「しかえし」
べっと舌を出すとれるはしっぽを触るのをやめて、僕のお腹に手を回す。指でゆるくなぞられたり、手のひらで撫でられたり。いつもは触られたくない場所だけど、今はもっとそうされたいなんて思う。
おれだって、オスなのに。
「っ、はぁ、……っ」
触れられたところぜんぶがれるの体温で染まって、ほんのりしびれる。
もう、完全に脳は機能していなかった。熱に浮かされて、夢と現実の相挟みになる。
そんな正気を失った頭では、ありえないはずのキスも受け入れるしかなかった。
口が触れて、ふたりの息が交わる。味も音もしないのに、不思議とその感触に取り憑かれたように夢中になる。
「ん、っ」
唇の表面を舐められたのを起点に口を開けると、舌が入ってくる。
ちむのそれとは違ってざらざらしている。だんだんと息だけじゃなく、唾液も混じってどちらのものか分からなくなってくる。舌がしつこいくらい巻き付かれて、頭がぼーっとする。
気づけば何分もの間そうしていて、離したときには脳がとけた感覚に陥っていた。
同じ体勢のまま、れるが僕の背中へ手を伸ばして抑えつける。手のやり場がなくなって、僕も自然とそうしていた。
ほっぺや耳が濡れていくのを感じる。……舐められてる。ねこが自分や他のねこにそうするように。れるはアログルーミングしない、って前に言っていたのに。
「ん、ゎ……」
気づけば舐めていたのがキスに変わっていた。額やほっぺにいっぱいキスされて、さっきよりもさらに熱さが増す。
「ちむもして」
物欲しそうな目で見つめられて、拒否するなんて選択肢は浮かばなかった。正確に言えば、拒否する前にのめり込んでいた。
「っん、……」
れるの首に舌を這わせてちろ、と舐めてみる。すると、なぜかれるはくすりと笑みをこぼす。
「……なに」
「ちむのべろ、ちっちゃい」
「はぁ?」
「かわいい」
なんだかムカついてきたから、れるを真似してちむも鎖骨のあたりにちゅっと吸いついた。
指でそこにちょんっ、てつつくとれるの体が揺らめく。
「……やだった?」
「んーん、」
れるは代わりにほっぺを僕のと合わせてすりすりしてくる。ねこの気持ちはいまいち掴めないけど、その触れ方は心地よく感じる。
「すきだな、って」
「……なにが」
主語も目的語もないひとこと。……何を好きなの?舐められることが?それとも、……。
問い詰めてもくすりと笑うだけで、答えてはくれない。じれったくてれるの肩あたりの服をつまむ。
「ちなみに、……おれもすき」
「なにが?」
「ないしょ」
れると同じように笑って誤魔化す。れるは足をちょんちょん蹴っていじわるしてくる。自分が先にそうしたくせに。
「……知りたかったら、つづき、して」
ひっそりと言うとれるは足の動きを止めて、目をぱちくりさせた。部屋が暗めなせいか、れるの瞳孔がいつもより大きく開いている。きっと僕の表情もよく見えている。
「れるもそう言おうとしてた」
そうささやいて、僕の手にほっぺを擦り合わせるようにしてくっつけた。また、体温が徐々に上がるのを実感した。
お互いが眠くなってきた頃、れるの部屋にあるでかいベッドに2人で入った。れるがふわぁ、とあくびするせいでいっそう眠気が増す。
寝る前にひとつやることを思い出して、スマホを手にする。この時間にもなれば、例の掲示板やアプリに返信が来ているはずだ。
その画面をしばらく眺め、返事に迷う。するとれるがそれを覗き込んできた。
「……まだ飼い主探すん?」
アプリ内だけじゃなく、れるへの返答にも困る。むしろ、れるの言葉のほうが返すのがむずかしい。
愚問すぎるから。あまりにも、愚問。
「……ばか、誰かさんのせいでそんな気なくなった」
具体的な名前を伏せて言ったが、れるにはきっとバレている。案の定れるの顔を横目に入れると、きもいくらいニヤニヤしていた。
「れるも、いらんかな」
横にこんなにかわいいうさぎちゃんおるし、なんてふざけるので、おそらく僕は人生でいちばん口が悪くなっていた。
せっかくベッドに入ったのに2人して眠気が飛んでいって、寝るどころではなくなってしまった。
体を少し起こして、鼻をこつんとれるの顔に触れさせた。れるにもその意図が伝わったみたいだった。
今から、俺らのむずがゆくてあまいじゃれあいが、再びはじまる。