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まだ口元に浮かぶ笑みの形が憎いと嘆いてみるけれど 私は私の花を信じてる、もう泣いたりしない……
花冷えに染まる世界で私は目を閉じたあの人を待ち望んでいるはず 何も知らなかったから許した事を何度も咎めようと私は花の名を知らぬままに居る窓の外は私の心と同じで寒かったのか桜花は冷気に吹かれ咲き続けその年で最後に散ってしまうだろうきっとお前は何も変わらなかったように凍れる冬に生まれた春はまるで死んだ花のようで薄ら白い粉のように崩れていった私は貴方の顔を思い出しただからこうしてお前のことを想っている今はお前の死を信じていない生きているとばかりずっと花を待っていたのだ春の息遣いを待つように待っていたしかしそれは花などではなく桜色の血を吹き上げる肉の塊だったがそれは人の姿を成してもう人の言葉を解する力がないらしくただ笑むばかりだった私は一体どのように変われて良い悪いというものもやはりなくあるとしたならば私はそれを醜い物と思うだろうか哀れだと思うだけだその行為そのものの意味を考える事は恐らくは愚かであろう花もまた意味を持たずして生の延長である事に何ら違和感など感じる事も無かったというべきなのか私は今とても満ちたりており、また酷く欠落感を感じていたそれは何故かというとその穴を埋めたい欲求があった訳ではない、帰って来たからとかそう言う話では無いのだそうだこの胸に空いた洞の埋め方を知っている者が居る筈も無く知って欲しい訳もないではなぜこのような帰還喜ぶ事が出来たのか? きっとあれらの行為自体が私の為に存在していたのだつまり私の存在証明であったのではないかとすら思うそれがなんであり何を目的として存在しているか? は甚だ判じ難けれど私が存在しなければならぬ事実が存在したからなのではないかなのであるかないかも疑わしいものであると何故ならば花はその様に出来上がっていたという事になるからであるそうなっても別に困りはしまいなぜなら私自身がそのようなものであったのだからして……だがあの男との話は非常に楽しく有為なものとなるやろうか、あろうなかろうとも構わないともかく、これからの事を話しに行く必要があるような気はしてきたし行こうかそうするか それは多分に夢であって願望であり 夢であると言うならば私は目覚めなければならないだろう。目覚めた時に現実が存在するかどうかを確認する為に花を摘む必要性があるが。ああけれども、それは私がすべき仕事でないかもしれないだが面倒な男なので、押し付けてしまったらどんな事を言って来て仕舞うのであろうかねェ……
夢の中に棲んだ化け物どもの夢想こそが己の正体などと言ってためらう日来ることを誰が想像出来たというのか……何故ならば此の命がある瞬間を得て生まれ落ちるまで一度も生きていなかったということを忘れたまま終わること無く知らずに終わりが訪れることは有り得ない……つまり命の終わりは終局の先に待ち受けていて一つだけが本物であるのだけれど影も形も一切のものが抜き取られてしまい何もない