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お待たせしました。 なんかいつもより文章が下手です。
その翌日、私たちは宿の周りをゆっくりと歩きながら話していた。
「いいお天気ですね」
そう、空は、清々しいほどに晴れていた。
雲一つなく、ただただ晴れやかな水色だけが広がっている。
彼は頷いた。
「ああ、そうだな」
と、歩いていると、書店を見つける。
「ルウィルク様、書店に寄ってもいいですか?」
「もちろんだ」
その言葉に、私は心からの笑みを向けた。
「ありがとうございます」
私の言葉に、彼も微笑む。
私は彼の手を引いて、書店に入った。
中を見ていると、小説がたくさん置いてある本棚が目につく。
私はその中の本を一冊手に取り開いた。
読み進めていくと、内容が面白くて、紙をめくる手が止まらなくなる。
「その本が欲しいのか?」
ふと隣にいる彼が口を開いた。
その声に、私は顔を上げ目を見開く。
どうしてわかったのだろう。
私は恐る恐る聞いた。
「いいのですか?」
「対価は払ってもらうがな」
対価。その言葉に、私は赤面する。
彼の対価という言葉がどういう意味であるかを、私はこれまでの経験でよく知っている。
どうしよう。
でも欲しい。
…………うん。背に腹はかえられまい。
「……わかりました。お願いします」
私は彼に本を差し出した。
彼は嬉しそうしながら、私から本を受け取る。
そして会計をして、私たちは書店を出た。
と、彼にぐいっと引っ張られ、路地裏に連れ込まれる。
彼は、壁に私の両手を縫い付けた。
私は真っ赤になり、顔を上げる。
「ど、どうぞ」
私の言葉に、彼は目を瞬き……、嬉しそうに笑った。
「じゃ、遠慮なく」
彼はそう言うと、私の唇にむしゃぶりつく。
「……んぅ…ふぁ……」
容赦のない、荒々しい口づけ。
心なしか、いつもより長い気がするし……。
そのまま数十秒塞がれ、やっと離された。
「……はぁ…はぁ…」
いつものごとく、彼は私の身体を抱きしめる。
そして、私の顔に、口づけの雨を降らせた。
「ごちそうさま。悪いな、お前が自ら唇を差し出したのがかわいかった」
彼はそう言って、楽しそうに笑う。
その言葉に、私の顔はますます赤くなった。
……まあ、彼が幸せそうなら、それでいいや。
こうして、私はいつも彼に負けてしまうのである。
私はひとり、火照った顔のまま微笑んだ。