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___【第一回】〚朝の教室〛___
朝。教室に入るといつも通りみんなが居た。
まだ先生は来ていない。
僕は席につき、隣の席の田中に「おはよう」って声をかけた。
田中は、少しだけ笑って、
「昨日の放課後は…来なかったんだね」と言った。
「うん…ごめん具合悪くて…」
そう答えると、田中は何も言わずに外を見た。
そのとき、ホームルームのチャイムが鳴った。
担任の先生が教室に入ってきて、一言だけ言った。
「では、山本さんに黙祷を。」
___解説___
この物語の山本はすでに亡くなっている。
主人公はいつも通り教室に入って、「山本におはよう」と声をかけた。
でも、最後に先生が「山本さんに黙祷を」と言う。
つまり、山本は”昨日”の放課後に亡くなっていた。
………..そして山本の「昨日の放課後は…来なかったんだね」というセリフが、
“一緒に死ぬ約束”をほのめかしている。