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姉も私も一連の騒ぎで息を切らしていた。

両親が家を出る前に出前を頼んでくれてるので、そろそろくるはず。

「ピンポーン」

「出前です」姉と僕は玄関に走って行く。

ガラガラガラ 扉を開ける。

「キツネうどんとタヌキそばで合わせて600円です。」

この真夏の熱帯夜に、熱々のうどん、そばなんて、洒落た真似してくれるじゃないか。

姉が硬直していた。「一枚」「二枚」「三枚」「四枚」「五枚」「一枚たりない。。。」

まるで四谷怪談のお岩さんのように100円玉を数える姉。

姉は繰り返し数えるが「やっぱり一枚たりない。」姉は泣き出した。

僕は姉との共同部屋にはしり、ドラえもんの貯金箱を手にした。

満タンになったら割ろう、そう決めていた貯金箱、今割らないでいつ割るんだ、いまでしょう

僕は誇らしげにドラえもんを抱えて玄関へそば屋のあんちゃん、と姉が息を呑む。

僕はドラえもんを頭上にかかげ振り下ろそうとした。

裏に金を取り出せるフタが見えた。。。わらなくていい。時すでにおそし、ドラえもんは床に叩きつけられ

「ガシャンっ」

中からは1円玉、五円玉が散乱した。

「一枚、二枚、三枚。。。。88枚。。。98枚、99枚、やっぱり一枚たりない。。。599円しかない。」

ドラえもんは無駄な犠牲だったのか、、、

姉は落胆し、ドラえもんのカケラを拾う、いい加減そばも、うどんも伸びてきた。

姉がドラえもんのポケット部分のカケラを拾うと、硬直した。

ポケットの裏に1円玉が挟まっていた!やっぱりドラえもんのポケットには希望が詰まっていた!

姉は1円玉を誇らしげに高々と掲げる。

まるで東京五輪の聖火台に火を灯すように!

「ありがとうございやす、間違いなく600円いただきました」

そういうとそば屋の兄ちゃんは去っていった。

僕と姉は伸び切ったうどんとそばを流し込んだ。暑い。。。

助っ人まん-あなたの修羅場私が引き受けます-

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