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サバゲーやりたいのめっちゃ分かる!どんな感じなんやろ? うつらうつらになりながらも心情を言う英帝に少し萌えてしまった。 最初の題名に『情』がなかったけど最後に『情』完と書いてあったから、英帝に情があるなら見えない優しさみたいで神だし、フランスが言ったように情が無いなら、最初からなかったモノの概念すらも消したような感じで神! 長文失礼しまた。
サバゲーがやりたい、、、‼︎
それでは本編へへへへへ‼︎
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破 第二十七話『』
試験が終わった後、全員が再び始めの場所へ戻ってきた。オーストラリアは足が痺れている為、座りながらその結果を聴くことにした。
____果報は寝て待て。
自分達にできる事は全てやった、後は結果を待つのみ。
大英は少し下を向いて少し考え込んだあとやがて清々しい顔で前を向いた。そして何の前触れもなく大英の唇が開いた。
大英「皆よく死力を尽くしてくれた。では結果を言い渡す。よく聞け、合格者は____。」
フランスの手は自然と握り拳になり、唇を噛んだ。
大英「カナダ、オーストラリア、イタ王、アイルランド、、、、フランス。」
フランス「‼︎」
ゆういつ名前を呼ばれなかったインドが「え。」と目を開いて言った。インドが何か言う前にイギリスが遮るようにして「結果は結果だ。諦めろ。」と簡単に言いまとめた。インドは凄く哀しそうな顔をして黙り込んでしまった。
同じ訓練を必死に乗り越えようが最後にはやはり強いものしか残らないのか、とフランスは思った。ふと哀情の眼差しでインドを方を振り返ると、インドの顔つきは先程と打って変わって、悔しさもありながら次こそはという熱情を放っていた。その志にフランスは羨ましいとも思った。
けれども裏を返せは合格者達に次はない。次は真なる戦場なんだと。フランスは開いていた唇を再び噛んだ。
イギリスが空を見上げて、リラックスしたように言った。
大英「もう夕暮れ時だが、、、明朝まで自由時間だ。街のどこでも行けばいい。」
訓練が始まって以来の自由時間。それを聞いて一気に顔がほころびた。
時間が時間なので、フランス達は夜食は近くのレストランで皆と食べることにした。店の中に入ると、どちらかと言えば喫茶店のような雰囲気で、棚には様々な酒がズラリと並んでいた。
それを横目に彼らは指定された席についた。店の中はまるで戦時中とは思えない程充実しており、客も笑顔で会話している。けれども、定員も客も全員が年寄りなことがわかった。
オーストラリア「、、、?インドは?」
大英「あの子はもう帰ったよ。」
オーストラリア「え、、、何もお祝いしないで、、、?」
イギリスは答えることなくグラスに注がれたスコッチウイスキーをスィーと飲んだ。それを何となく察してオーストラリアは下を向いてしまった。
次々と注文された料理が来て彼らは空腹になった獣のように貪り食べた。今日の疲れと明日からの戦場で戦える為に。
フランス「ファッ、、、ゴクンッ、、、。」
何か気がついたフランスは喉にあった料理を飲み込んで、口元を拭きながらアイルランドの方向を向いた。
フランス「そういえばアイルランド。アレどうやってつけたんだ?」
アイルランドは肉をほうばりながら「何?」と首を傾げた。
フランス「ほら、、、あの試験の時の狼煙だよ。マッチもライターも禁止だろ?」
アイルランド「ゴクンッ、、、あぁアレね、実包から火薬を取り出してそのまま撃てば火花が散るんだ。それで着けたんだよ。」
フランスは口を細めて「成る程ー」と首を縦に振った。
アイルランド「それに私の醍醐味は支援じゃなくてゲリラ戦だからね。」
アイルランドはイギリスと似ても似つかない誇らしげなゲス顔をした。そして流れるままにイギリスの方を向くと小声で何か言っているようだった。
大英「ほんとうに、、、実戦で使えない手を、、、つ使いやがる、、、。」
フランスは目を細めて(あっ酔ってんな)と確信した。もう既に頬が茹でタコのように真っ赤になっている。
大英(日帝の日本酒はイケたから、、、良いと思ったが、、、ダメだッタ。)
それから数分後。シルクのテーブルクロスにカナダとオーストラリアが競争したかのように互いの皿が何十枚も重ねられた。
イタ王はずっとパスタとピッツァを食べて、満杯になった腹をさすっていた。しまいには「これで死んでもいいかもなんね〜。」と幸せそうな満足顔で言ってしまうのだ。
それを見ていたフランス自身も自然と口角が上がり、満足した顔をした。
フランス「ア、、、イギリスは?」
カナダはフランスの疑問に気がつき水を飲む手を止めて、答えてくれた。
カナダ「なんか、、、外で休憩してくるって、、、飲み過ぎたと思うから水を持って行ってくれない?」
監視役と分かってからも意気揚々とするカナダに疑いを掛けつつもフランスは頷き、カナダから水が入った水筒を貰った。
外を出ると予想通り、ベンチでぐったりとイギリスが腰をかけていた。顔はうつらうつらしていて、それを見たフランスは外の空気を吸い込み溜め息を吐いた。
外は室内の日のような照明とは違って、もう直ぐ冬という冷たい風を吹かせていた。
その明暗の差に心なしかイギリスが悲しんでいるように思える。
疲れているんだなと思い、フランスはベンチに腰をかけながら、目の前に広がる湖に移した。
今日はとても空気が澄んでいて、月がハッキリと美しく見えた。水平線上に星々が輝き、鏡のように湖がそれを映し出していた。水面に映る歪に曲がる月がとても美しい。自然による芸術に心が跳ねた。ここしばらく訓練の事しか考えられず、いつも寝る時も気絶するように寝てしまっていたから。
久々に見た西洋の美しい天空を見ながら、今までも悪の吐くように息を深く吐いた。
ふと___我に返る。今日もこのように暮らしていけるのは前線に立つ兵士達のお陰なのだろう。その兵士達は何を思うのか?戦場というものはどんなモノか、どのような世界が広がっているのだろうか?
フランスは思わず天に広がる星に手を伸ばした。
星になった兵達よ我々は
どこまで先に行くのだろう?
大英「ロマンチェイニストにでもなったか、、、?」
いきなり、、、イヤ夜空に見惚れていたフランスをイギリスが眺めながら言った。フランスは一瞬硬直し、自然にあげていた手を下げて、イギリスに水筒を突きつけてやった。
イギリスは小さく「ありがとう」いい水筒のキャップを外した。水筒を上に上げ、少し溢れた水が口許から流れて落ちてゆく。飲み終えたイギリスは多少は良くなったがまだ顔に疲れが塗られていた。
それを見てフランスは大丈夫かと不安に思う。明らかに顔がヤツれている。そしておかしな事を言い出した。
大英「ハァ、、、ホントウニ、、、、、、。」
フランスは心の内で「何?」と聞き返した。イギリスは溜め息を吐き、窓から漏れ出す光に背を向けて前屈みになった。陰でよく分からないが、姿がいつもと同じ凛々しい感じではない事がわかる。
大英「少し、、、、、、、、移り過ぎた、、、。」
フランスは眉を顰めてイギリスに自然と近づく。
何だか聞きそびれてはならない気がする。
第二の故郷を燃えさったコイツの本性は一度も見れなかった。今なら見れるかもしれない。
フランスは顔を近づけて優しく憎悪を隠すように「何に?」とイギリスの目を見て言った。
イギリスは少し顔をこちらに捻り、シルクハットの間から涙の膜を張った目を向けてきた。フランスは一瞬驚いた。この冷酷な鬼にもこのような顔ができるのだと。
だいぶ間が起きイギリスは風に流させれそうな程小さい声で言った。
大英「お前、、、らに情が、、、移った、、、。」
大英は再び下を向いた。
音も出ず、口だけが「は?」と聞き返した。
ゲスで、冷酷で、ヒトの心を弄ぶ、悪魔のようなコイツが、、、情だと?
、、、分からなくなった、コイツにとって所詮、俺達は便利に使える駒な筈。フランスはそんな混沌とした事しか思い浮かばず、自分の頭をクシャと抱えた。
しばらく、ずっと訳の分からない顔でイギリスを見つめていると、一瞬だけピクッと動いた。間が経ち、下だけを見つめていて、なぜだか泣いていた顔をゆっくり上げた。
自分が今言ったことに気が付いたようだ。数秒そのまま硬まり次の瞬間____
イギリスは自分の頭を勢いよく殴った。
フランスは驚いて思わず、顔を手で覆う。
ドン、、、という鈍重な音がした。自分で自分を殴ったイギリスは肩を大きく上げて深い溜め息をした。しばらくしてスッと顔を上げるといつもと同じイギリスになった。
けれどもフランスの頭の中は何が起こったんだ?とヒヨコがいつまでも回っていた。
大英「、、、すまん。忘れてくれ。」
フランス「、、、あ、あぁ。」
フランスは自分を納得させるかのように頷いた。まだ何が何だか分からなかったが。
、、、話題を変えなければと思いフランスは口を切り出した。
あの瞬間。疑問に思う節がずっとつっかえていた。
フランス「、、、今日の試験。俺の名を呼ぶ時、間が空いていたが、本当は俺を合格させたく無かったんじゃないのか?」
イギリスは黙り込みまたしばらくしてから答えた。
大英「あぁそうだ。お前はまだ実力不足だぞ。」
フランスは身構えていた体に水を打たれたかのように静まり、無言でイギリスの方を向いた。イギリスは足を組んで静かに目線の先にある綺麗な湖を見つめていた。
その姿にフランスは怒りが込み上げてきた。思わず、ベンチから転げ落ちるように立ち上がり、イギリスの前に立った。
フランス「何考えてんだ。俺はお前を、、、憎くて腹立たしくてしょうがない。お前の情で戦場に立つなんてゴメンだ‼︎」
大英「あぁそうだ。お前を情で戦場に立たせるものか。」
そのフランスを見つめる何の同情もしない目と口がフランスの怒りに油を注いだ。先ほど「お前らに情が移った」などとの文言を言っていた口からそんな言葉が出てくるとは思わなかった。
フランス「じゃ、、、じゃあ何で。そこで踏み止まら無かったんだよ、、、⁉︎」
大英「本当はそうするつもりだったさ。不合格という言葉が舌の上に乗っかっていた、が、飲み込んだ。本質を見極めず他者を評価するなど指導者として名が廃るからな。さしずめお前はまだ利用価値があると見なしたんだ。」
フランス(、、、どうも納得いかねぇ、、、。)「じゃあどんな所が利用価値が有るってんだよ!。」
フランスの声は荒ぶる。それに対してイギリスの態度は
大英「、、、どうした?今日は随分グイグイ来るじゃないか。」
そのとぼけた顔にもはや笑うしかなくなった。目の前に立ちはだかるゲス顔に対してフランスは(やっぱりコイツには情は無い)と確信を持てた。思わず握り拳を固める。
イギリスは鼻で溜め息をして、応えた。
大英「フランシア、お前には、、、。」
唐突の出てきた愛称にフランスは目を開いた。その場で硬直し荒ぶっていた気が一気に沈静化する。
静まり返った空気に、木の葉を交えた風が吹き上げる。イギリスは口角を上げた。
大英「お前にはヒトを見る力がある。」
フランス「、、、え?」
大英「訓練や試験の時だって、いつだってお前は危うい行動を起こしていたな。」
意外にも思い当たる節が出て来て、フランスは一瞬目を逸らした。だがそれが理由となっている訳じゃない。フランスはイギリスを睨みながら見つめた。
大英「、、、だがな『絶対に死ぬ』って時にお前はよく見ている。不足している所を目で覚え、少しの敵影も見逃さない。何よりヒトの感情をよく伺っているだろう?」
フランスは「そうなのか?」と眉をひそめて首を傾げた。
イギリスは立ち上がり水筒をフランスに渡した。その手をズボンのポケットにしまいフランスに背を向けて歩き出した。
大英「それが戦場でもこれからでも有利になる力だ。俺には無い力。憎ければ強くなりなさい。」
フランスは目を開いてその背中を追った。小さい体のくせして隙のない背。
それを眺めていると次の瞬間、イギリスの膝はカクッーと曲がり綺麗に倒れた。フランスは意識よりも先にイギリスに近寄る。
フランス「、、、畜生‼︎やっぱり酔っ払っているじゃねぇか‼︎」
イギリスは寝息を立ててフランスの腕に包まれた。
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破 第二十七話『情』完
今回も戦場までかけませんでした。次回こそ戦場で戦います。それから展開がスピーディーになるかも!?
それではまた今度こそ戦場で。