ピピピピッ ピピピピッ
「…ん」
無機質な機械の音を聞き、もう朝だということを知り、体を起こす。小鳥のさえずりやおばさん達の話し声、これから仕事へ向かうのであろう車の音を聞きながら、寝起きでぼんやりとした意識の中、無理やり頭を起こすべく、顔を洗いに洗面所に向かう。
時刻は午前6時33分。朝ごはんを作って、着替えて、荷物準備して、バス乗って電車乗って学校着いて…と朝の予定を確認した後、朝ごはんを作り始める。今日はフレンチトーストだ。
「おっはよー!」
「…はよ。朝から元気だなお前は…」
双子の妹、楠葉(くずは)だ。
千歳緑の長髪に、頭のてっぺんには大きいアホ毛が付いている。顔は…俺に似てるな。可愛いかは分からない。とにかく元気な奴で、学校でもいつもみんなの中心にいる、ムードメーカーだ。
…俺とは正反対だな。
「今日の朝ごはんはなんぞやなんぞや〜?」
「その前に顔洗って来い」
「えー、若葉(わかば)のケチ!少しくらい教えてくれたっていいじゃないの!」
「今洗って来ないんなら今日の宿題手伝ってやらねぇぞ」
「洗って来ます!!!!!!!」ドダダダダダッ
「…ったく」
楠葉が戻って来る前に、二人分の麦茶とお皿を用意する。フレンチトーストのトッピングにビターを乗せて完成だ。と同時に楠葉が降りて来た。
「オー!今日朝ごはんはフレンチトーストでっか!?美味しそー!」
「「いただきます」!」
はむっ
「…美味っしぃ!!!」
「…ん、美味いな」
初めてフレンチトーストを作ったから少し不安だったけど、良かった。ちゃんと甘くなってる。
二人で学校の話や趣味、友達のことなどを話すと、あっという間に食べ終えてしまった。
「「ご馳走でした」ー!」
皿を片付け、学校に行く支度をする。
ヴーッ
とスマホが鳴り、見ると母、西洋紅葉(せいよう もみじ)からのLINEだった。
『今日は帰れそう』
『22時までには帰れるよ』
「『分かった』『気を付けてね』…っと」
父と母は長期出張でほとんど家に居ない。
二人が家に帰ってくる時にはよくお土産があり、俺も楠葉も欲しい物は九割買ってくれているため、欲しい物で困った事は(多過ぎることを除けば)ほぼ無い。
「行ってきます」
「行ってきまっすい!」
ガチャ
コメント
9件
たまーには物語を出すのは大切だよ
暇だから何か物語出したから?