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古零心鬼

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古零心鬼

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2025年06月09日

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ある程度煮込んで置いておく。



その間、2人は机を挟んで対話していた。




「ロンレイは、どこから来たんだ?」




水を差し出しながら、リンデェンは聞いた。




若干、聞いてはならなかったか とも思ったが、意外にもロンレイは嫌な顔せず

自然に答えてくれた。





「西の方だよ。相当遠い遠い所だ。

だからここの方言はよくわからなくてさ。」




楽しそうに話すロンレイを、リンデェンも微笑みながら見つめていた。





 ̄本当に顔が整っているな……





綺麗な肌に、長いまつ毛と真っ直ぐに伸びる鼻など、自分との差で若干心傷する。




爽やかな笑顔が、なんとも眩しい。





「お兄さん、俺に何かついてる?」




ロンレイは、リンデェンが机に頬ずえを付いていた形と同じようにし、



前屈みで同じ体制になり、リンデェンを見つめた。





リンデェンは思わず、姿勢を少し正し、

慌てて答えた。




「何もついてないさ! あ、そうだ。水呑を新しく入れてくるよ。」





少し顔を赤らめて、勢いよく立つと、2つの水呑に水を足した。




ロンレイは笑っている。


そんなに可笑しいだろうか。






見すぎてしまったかな。




深呼吸をし、平然を装って座り直した。





「そういえば、ロンレイはどこから来たんだ?言いたくなかったら大丈夫。」




一応、嫌な思いはさせたくなかった為、言わない選択肢もつくった。




だが、ロンレイはいや顔せず説明してくれる。



「遠く離れたところから来たんだ。ここからだと、あっちかな? 」




そう言って西の方向に指をさす。




「遠い西から……それじゃあ、家を出てからもう長い時間経ってるのか。」




楽な姿勢になおし、自然対に戻る。




「そうだな…もういくつか夜を明かしてきてここまで来たんだ。お兄さんのように、親切な人に初めて出会ったよ。」




スマートに人を褒める彼は、無自覚だろう。



なんとも、人から好かれそうな (特に女性)

性格だと思った。




「ロンレイ、君は本当に……ありがとう。」




一応、感謝の言葉を伝えた。




お世辞だろうが、リンデェンの心は気持ちよくなっている。




彼の思うがままなのか……?




 ̄本当にすごいな。




ひと段落ついたところで、扉が開いた。




リンシィーが帰ってきたのか。




「おかえり、リンシィー。 」

リンデェンは、いつものように振る舞うが

リンシィーの返事は帰ってこなかった。



まだ警戒しているのか。




ただ、昨日のことがあり、リンデェンも完全に人だと信用しているということでもない。




リンシィーもそれをわかって、判断をリンデェンに任せている。





「 リンシィーさん?少しだけ、朝食の準備を手伝ったよ。」




初めて、ロンレイがリンシィーに話をしたか。




だが、リンシィーからの返答は、若干怒っているような気がした。




「そうですか。それは、私へのなんですか?

自慢ですか、承認欲しさからですか?」




若干というか、怒っているように聞こえる。




ロンレイをそこまで毛嫌う理由は、リンデェンには分からなかった。




彼は、よくでしき青年だと思っている。





すると、ロンレイはリンシィーに邪な態度をとらずに、尺弁した。




「そんなんじゃない。初対面の人が触れた食事は、もしかしたら嫌かも と思って。 」

 ̄そんなことを気にしたいたのか。



リンデェンには驚きだった。




リンシィーは黙っている。





「そんな事ないさリンシィー、違う?

昔、私とリンシィーが知り合ってまもない頃、美味しいと食べてくれただろう。」




この場を宥めるために、不確かな記憶を辿って

代打で話した。



違っていたら、どうしようかとは思ったが。




リンシィーの眉毛が僅かに動く。




ただ、お腹を空かせていたのか、気にしない という意味合いなのか



途中まで終わっていた料理に手を伸ばし、続きを始めた。




ロンレイはほっと息をつく。




「私は箸を作っておくよ。外へ出てくる。 」



ロンレイとリンシィーは2人きりになったら、何を話すのだろうか。




少しの好奇心から、二人にしようと思い、

なんらかの理由をつけて外へ出ようとした。




すると、すかさずロンレイが後ろから言う。




「それなら俺も着いていく。自分の分なのに、全て任せるのは、申し訳ないから。」



そう言ってリンデェンよりも先に、外へ出てしまった。




少し変わった子なのか、



二人は流石に嫌だったか。




リンデェンの言葉を聞いた時、リンシィーは

此方を振り向きかけていた。




リンシィーも乗り気ではなさそうだし、言ってしまった以上2人で外へ出た。










2人は少し山の方へ入り、ちょうどいい木材を探しに出た。




途中、ロンレイが言う。




「お兄さん、さっき俺とリンシィーさんを2人にしようとした?」




口調はまるで怒ってなどおらず、むしろ楽しんでいるようだった。



少し安心すると、認めることにした。




「そうだよ、バレてた?2人には、仲良くなって欲しいんだけどね……」



言葉を詰まらせると、ロンレイがリンデェンに相談するように言う。




「俺もリンシィーさんと仲良くしたいけど、

あまり、俺の事をよく思ってないようだし。」




ロンレイは言い終わると少し俯いてしまった。




リンデェンはロンレイの肩を軽く叩き、元気を出すように言う。




「まだ会ったばかりだからね。それと、昨日色々あったんだ。だから、警戒心が余計に働いているんだと思う。」




するとロンレイは顔を上げて、姿勢を正して歩き出した。




リンデェンに ありがと と言って、前を進み出した。




「昨日何かあったの?」




 ̄興味津々だな……




好奇心旺盛、とでも言おうか。




言いたくない訳ではなかったため、簡単に説明することにした。





「そうか……そんなことがあれば、俺を簡単に信用するのは難しいか。

ところで、俺はさっき言っていた青く光る鹿について興味があるんだ。」




そういう彼の瞳は、若いが故のなにかが感じられるような気がした。




青く光る鹿について、リンデェンも気にかけていた。




この耳飾りもだ。




そんな彼に、耳飾りのことについて、話してみることにした。





「この耳飾り、ロンレイはどう思う?」




少し間をあけて、ロンレイは返って聞いた。




「どう思う…… お兄さんは、どうして右だけに付けているの?無くしたとか?」




その回答に少し笑って、答えた。




「この耳飾り、さっき言っていた青く光る鹿から貰ったんだ。あの鹿も耳に花を付けていた。

お揃いかな。」




それを聞いてロンレイはより、興味をもったのか尚リンデェンに話した。




「凄く綺麗な耳飾りだね。群青色の花 この花は、ツキミソウじゃないかな?」



「ツキミソウ?」




初めて聞く花の名前に、聞き返してしまう。




「ツキミソウっていう花を知らない?でも、その鹿が持っているのはおかしいか…… 」




 ̄どういうことだろう?




普通の鹿なら、どんな花を持っていても不思議だが、ツキミソウはよりおかしいのか。



意味は理解できなかった。




「ツキミソウは、どこに生息するんだ?」



自分の耳飾りに触れながら、ロンレイに聞いた。




「俺が昔住んでいた所に、たくさん咲いていたよ。家の近くには、花畑があった。 」

綺麗なツキミソウの花畑。




「それは……見てみたいな。」




思わず口にすると、ロンレイが反応した。





「良ければ今度見に行こう。遠いから、いつか

時間が有り余ったときにでも。」




2人は足取りを軽くして、森へ進み、いい具合の木を探した。




それから、古屋へ帰ると朝食ができるまでの間で、いくつかの箸を作っおいた。




その間気づいたことがある。




ロンレイは、手先が器用で工作が得意だ。




手際よく、何本も簡単に作ってしまう。




おまけに、余った木材で箒や便利器具などいくつかのものを作ってくれた。




2人は木材を余らせることなくして、作業を終わらせると古屋へ戻って行った。






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