注意事項
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・前半は病みっぽいですが、後半はギャグです。所謂勘違いパロです。
・軍パロです。
・腐向けではありません。
─────────────
カチャカチャ、とフォークを皿にぶつける音と、周りの話し声が耳を彷徨く。
utは肉を大胆にぶっ刺し、口へと放り込んだ。
ああ美味い。なんて美味いんだ。
頬が落ちそう、とはこのことだ。
utは隣に座るshpへと視線を向けた。
shpは肉を小さく切っている。
それから1つずつ口へと運んだ。
視線に気づいたようで、もぐもぐと頬をリスのように動かしながらutと目が合う。
utは微笑み、今度は前に座るciへと視線を向けた。
ciは水を飲みながら、野菜を食べていた。
…あら?肉はどうした、肉は。
「ci、お前の肉は??」
「あー、俺頼んでないで。」
「なんでや。お前いつもいっちゃん高い肉頼むくせに。」
ciはうーん、と悩むように俯いた後、苦笑して言った。
「あはは…、気分じゃなくって。」
「じゃあ、ステーキ屋の気分ちゃうって言ってくれや。」
「…そうっすね、すまん。」
ciは静かに野菜を食べ続ける。
不思議に思い、shpを見るとshpも首を傾げていた。
「ci、デザート何がええ?ワイ、これがええなって…。」
shpがメニュー表を持ってciに見せる。
だがciは首を振った。
「ut兄さんと食べなよ。」
「あ…うん。」
まあ、そういう日もあるか。
そう思い、utはカードを胸ポケットに入れた。
────────────
「utにいさん、ciの自室の鍵ありませんか。」
「え?なに、あいつ鍵閉めてんの?」
「はい。しかも名前呼んでも返事すら返ってこなくて。」
自室にはひとつひとつ鍵が着いている。
プライベートは守るため、だそうだ。
その鍵は極力使うのは避けよう、となっている。
いざと言う時、開けるのに時間がかかるからだ。
プライベートを守るため、という理由で付けられたので、皆鍵を持っている訳では無い。
utの仕事場、情報管理室に置かれている。
普段は、扉をノックしたり名前を呼んだりして、開けてもらっている。
もちろん、鍵を閉めてないのがほとんどだが。
毎日閉めているzmはプライベートは見られたくない主義で、鍵も渡すな、と何度怒られた事か。
ciが閉めるのは珍しいな。
そう思いながら鍵を取り、shpと共に向かう。
もしかしたら、寝ているだけかもしれないが。
いやそもそも、寝てる時ciが鍵を閉めるだろうか?
うーん。
utは考えながら足を動かす。
ciの自室前につき、もう一度ノックしてみる。
すると、ガタガタッと物音がした。
ただ、開ける様子は無いし、返事も返ってこない。
鍵穴に鍵を差し込み、くるりと回す。
かちゃ、と音がして扉が開いた。
「ci。」
自室の中は真っ暗で、ciが床に座り込んでいた。
「ci、どうしたん。」
部屋の明かりをつけて、ciの傍にしゃがむ。
ciはボロボロと涙を零していて、こちらを震えながら見た。
shpも隣に来て、静かに背中をさする。
ciは手で顔を覆って隠してしまった。
耳は真っ赤で、殺し切れていない声が漏れている。
「ん、落ち着き。大丈夫やから。」
utは扉を閉めて、ciの頭を撫で回す。
shpは黙ったままciの背中を撫でていた。
「ぐすッ…ぅ"、ぁ"ぅー…、」
「んー、よしよし。」
「…ぶふッ、ぁ"、げほッ、がッ。」
咳き込み、呼吸が荒れていく。
慌ててshpは背中を優しく擦り出す。
強くしすぎたのだろうか。
「ci、今は1人の方がええかな。」
「ひぐッ…、う"、う、。」
「ん。じゃ、shp行こか。」
「…っす。」
────────────
「くそ、何があったんや。自室に監視カメラを…いや、プライベート侵害やし、」
utは自室を出て、ブツブツと呟きながら情報管理室に戻る。
shpも着いていき、utが黙った隙をついて口を開く。
「ciの自室のゴミ箱に、破かれた書類がいくつも落ちてました、それにお気に入りって言ってたペンも壊れてました、」
「…は?それはほんまか?」
「はい、もしかしたら…一般兵に、」
ダンッッッ!!!!!!!
「ぴゃっ…。」
utはものすごい勢いで壁を殴った。
激おこ、ってところだ。
shpは驚き、縮こまりながらも話す。
「前、ciの部隊の訓練を見に行ったんすけど、そんときも、結構舐められてるっぽくて…。」
utは舌打ちをして、髪にわしゃ、と八つ当たりをする。
─────────────
ci以外の皆を集めて、緊急会議を開いたのは、その出来事から1週間後であった。
それも、昨日またciの様子が変だったのを見つけたからである。
訓練終わり、ciがトイレの手洗い場に立っているのをshpとzmが見つけた。
zmは何も知らないのでci〜!と肩を組んで声をかけた。
それからだった。
ciは目を真っ赤に腫らして、ぐず、と鼻を啜った。
「えっ、ぁ…ci、?」
「ぐずッ…、ぅ"、zm、さん。」
「ど、どうしたん。目ぇ真っ赤やで、」
ciは目を両手で隠す。
「擦りすぎたんかな…、」
と呟く。
shpはciの背中をとん、と叩き優しく問う。
「なにがあったん。」
ciは目をしぱしぱとさせながら、shpを見た。
「…、あっ、いや、か、かふん。花粉症やねんな。」
「……そう。」
shpは困惑しているzmを引っ張り、トイレの外へと出す。
「zmさん。ciの隊員で、怪しいヤツとか知りませんか。」
「えっ、隊員??えっ、な、なんで?知らない…。」
「ci、最近様子がおかしいんすよ。ワイと、utにいさんでは、部隊内でのいじめかって。」
zmはインカムを取りだして、ciを連絡先から一時ミュートにすると、全体通話を始めた。
ミュートにしたので、ciには届かない。
「これ、俺たちじゃどうもできんやろ。」
「そうっすね、あざす。」
─────────────
「ってことがあって。俺はこれしか知らんけど…。」
zmが会議室に集まった皆に軽く説明をし終え、utへと変わる。
utは書類をバサバサッと机の上に広げた。
「これ、調べたciの隊員で怪しいヤツ。」
「なんやこれ、すげえな。お前よお調べたな。」
「そら、後輩傷つけられたら腹立つやろが。」
utは書類ごと、机をダンダンと叩く。
「…んでー、ッ!?」
話を進めようとした時、会議室の扉が開いた。
ciがこちらをぽかん、と見ている。
お互いに数秒間見つめあっていて、先に動きだしたのはciであった。
ciは扉を閉めるのも忘れて走り出した。
勘違いさせたに違いない。
1人だけハブられるなんて、更には今のciにとっては、辛いことに決まっている。
追いかけたのはtnだった。
utもshpも突然のことに動けずにいた。
tnは猛スピードで走り出し、廊下の奥へ奥へ、等々見えなくなってしまった。
「…しまった、やってもうたッ、!」
「tnさんに任せましょう、とりあえず作戦だけでも。」
emがなんとか落ち着かせて、話を進める。
─────────────
「ci待って。話を聞いてくれ。」
「…なんの話してたん、」
ようやく足を止めたciの腕を掴み、引き寄せる。
ciの目は異様に真っ赤で、目の下も少し腫れていた。
泣いていた、と分かる。
なぜ自分が気づけなかった、とtnは後悔するしか無かった。
「ちょっとな。ほんましょうもない話。ciも聞きたい?」
「…、聞いて、いいのなら。」
tnはciの手を握り、談話室へと連れていく。
ソファに腰をかけて隣に誘導する。
ciはそのまま着いてきて、隣にすんなりと座った。
「ciの好きなもんを当てようゲームしててんな。主催者はー…ぁ、emや。うん。em。」
「emさんが…??な、なんで?」
「さあな。知らんよ。でも急に始めたんや。そんだけやで。」
適当な嘘をつき、ciの頭をわしゃ、と撫でる。
そのまま、本題へと移してみた。
「なあci。」
「…?」
「お前の隊員で、苦手なヤツとかおらん?」
「苦手なヤツ…?それまた、なんで?」
「あー…っと。ああそうそう。移動を考えてんねんけど、どうせなら苦手なヤツ居なくなった方が良くねーって。」
ciは少し考えた後、にぱっと笑ってこちらを向いた。
「おらんよ。移動先ってどこ?」
「えっあー…えええー、knや。kn。」
「そんなら、xxくんとか、yyくんとかどー??あの2人は、kn部隊の戦法に合うと思うねん。」
ああああちがうんだよちがう!!!
tnはクソデカため息をついた。
ciは驚き、こちらに真ん丸にした目を向けた。
また悲しませると思い、tnは慌ててciの頭を撫で回す。
─────────────
「おーすおすおす。って…あら??ci寝てんの。」
knが談話室に入ってきて、ソファにいるtnと目を合わせる。
tnと、机を挟んだ前のソファにknはぼふん!と体を沈めた。
「…んで、どうなってん。」
「んー、これよ、これ。」
knは人差し指で首をシュッシュッと切る動作をする。
当たり前だよなぁ、とtnは満足気に頷いた。
どうやら会議はもう終わったらしく、皆続々と集まった。
ciの様子を確認しに来たらしい。
だが、ciは今tnの肩に頭を預けて眠っている。
shoが目の前でしゃがみ、ciの頬をぷに、と触る。
「確かに、目の下赤いなぁ。」
「せやろ。あっ起こさんといてな。」
「うん。」
ふわっといい香りが届いてきた。
誰かと思えばemで、コーヒーを持ってきてくれたらしい。
「これどうぞ。皆の分も持ってくるから。」
「ありがとさん。」
tnはciを起こさないようにそっとコーヒーに手を伸ばした。
指がカップに触れそうになった時。
「ん…ぁれ、tn、?」
ciが起きたのだった。
tnはカップを離して、ciの頭を撫でる。
「んん…、ぁ、おれ、ねちゃって、」
「ci、おはよ。」
「んぇ、?あっ、あれ…みんなおるやん、」
shoがひらひらと手を振ると、小さく手を振り返していた。
起き上がったciはtnの隣に体勢を直して座り直した。
「ci、まだ眠かったら寝てもええんやで。」
「んゃ…、大丈夫、ありがと。」
目を擦りながら、視界をクリアにしていき、周りを見渡したciはコーヒーを飲むemを見つけた。
目が合うと、ciはemに近寄っていく。
突然emに近寄るものだから、皆はぽかんと二人を見ているが、em本人もぽかん、となっている。
それを、tnだけが理解していて、すまんな、と心の中で謝った。
「emさん、俺の好きなもんわかった?」
「えっ…、ぁ、す、え?」
お前か、とemがtnにヘルプの視線を送る。
「ciに言ってもうたよ。emがciの好きなもん当てようゲームしてたの。」
「あっ、あー。い、言ってもうたんか、恥ずかしいワー。」
tnの助け舟を受け取り、なんとか状況を理解するemに、ciは詰め寄る。
「わかった、?」
「えっ…、」
「わからん…、??おれの、すきなやつ、」
ciの声が小さく消えていく。
このままではまずい、と感じたのかutが立ち上がりciの肩に腕を回す。
「ciは俺らが大好きやろぉ〜??」
茶化すように。
でも、どこか確認するように。
自分達が、彼を傷つけた原因なのではないか、嫌われてしまったのではないか、という不安を無くすため、utはそう言ってみた。
「…まあ嫌いではないかな、」
「…。ふは、俺らが何回奢ったと思ってんねん!」
わしゃわしゃ、と勢いよく撫でてみると、ようやくciは笑った。
笑いながら、utから逃げ出した。
「それは、ほんまあざすって感じ!」
そう言うと、談話室から飛び出して行った。
談話室は不安の雰囲気を溢れさせている。
はいこれまた新連載です
これ一応4話で終わらせる予定です
コメント
9件
ぐぅぁあああ!!!!まって、、最高すぎる………続き楽しみに待ってる👊👊💓
うん!最高すぎる!!✨ 続き楽しみっすわ🥹
好き