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「今日は雪の日。
パラ……
また聞こえます。本をめくる音です。音は、図書室の一番奥の本棚から聞こえてきました。
ゆうきはゆっくり歩いていきました。ドキドキしています。そして、本棚の前に立ちました。そこには、前はなかった古い本が一冊ありました。黒い表紙の本です。ゆうきはそっと手に取りました。タイトルを見ると、こう書いてありました。
『本を読みに学校へ行きます。」
そこまででした。その先は、何も書かれていません。ゆうきが本を閉じようとしたときです。
カリ……カリ……
音がしました。ゆうきは驚きました。
最後のページに、新しい文字がゆっくり書かれていくのです。
見えない誰かが、えんぴつで書いているみたいでした。ゆうきは息を止めて見ました。そして、文字が完成しました。そこには、こう書かれていました。
「きみが本を返してくれて、うれしかった」
ゆうきは少し安心しました。でも、その下に、また新しい文字が出てきました。
「でも、まだ一冊だけ返していない本がある」
ゆうきの背中が、ぞくっとしました。
そのとき。
図書室の奥の棚から、
ドサッ
と本が一冊落ちました。