テラーノベル
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可愛らしい遊びを繰り返しているのを眺めているうちに、ちょっとずつ翔太くんの体の力が抜けてきた
顔を覗き込めば、瞼が半分落ちてきている
(急にスイッチ切れるじゃん)
「翔太くん?眠いの?」
「んぅー」
「もう寝よっか。歯磨きしなきゃ」
「んゆー」
「ほら、頑張って」
翔太くんを抱っこしたまま洗面所に向かう
「翔太くん、お口開けて、あー」
「あー」
当然、大人用の歯ブラシしかなくって、十分には磨けないだろうけど、今夜はこれでなんとかするしかない
「寝ないでー、あとちょっと頑張ってー」
「ぁー」
船を漕ぎ始めている翔太くんの頭を支えながら、なんとか歯を磨き終える
自分も手早く歯を磨いて寝室に向かう
ベットに翔太くんを寝かせて隣に寝転べば、小さな手が伸びてくる
「めめ……ぎゅー」
「んー?ぎゅーしてほしいの?」
「ん、ちて」
「はいはい」
「んへぇ、めめ、しゅきー」
腕を回して抱き寄せれば、開いてない目でふにぁと笑う
「ふふふ、俺も大好きだよ」
「んふー」
「ぎゅってしててあげるから、もう寝な?」
「ん、やくしょく」
「うん、やくそく。おやすみ」
「おやしゅ、み」
こてんと電池が切れたように眠りに落ちる
無垢なその顔を眺めて頭を撫でる
いつもより高い体温を抱きしめて、俺も次第に眠りに誘われていった
目覚ましが遠くで聞こえる
あぁ、止めなきゃと思っていると愛しい人の声が聞こえる
「めめ?起きないの?」
「ん……起きる」
「ほら、目開けて」
今日の翔太くんはやけに寝覚めがいいんだなと思ったところで、昨晩のことを思い出して、一瞬で眠気が飛ぶ
パッと声のする方を向けば、いつもと何ら変わらない綺麗な顔の恋人が、俺の顔を覗き込んでいた
「急に起きた」
「あれ?戻ったの?翔太くん」
「は?なにが?」
「昨日の夜、小さくなってたじゃん」
「はぁー?お前まで言ってんのー?」
綺麗な顔がちょっと嫌そうに歪む
「え?………まさかまた夢?」
「当たり前だろ。小さくなんてなるわけねぇじゃん」
「ほんとにほんと?」
「ほんとだって。疲れてたんじゃねぇの」
「んー?抱っこもしたし、歯も磨いてあげたんだけど」
「知らねぇってば」
「……翔太くんさ、昨日薬飲んだ?」
「え?薬?……あーうん、頭痛くて」
「いつもの頭痛薬?」
「……あぇ?……そうだけど?」
急な話題変更に怪訝な顔をする
「なんかいつものと違う薬に見えたんだけど」
「……ああ、最近薬変わったんだよ」
「そっかー」
(歯切れ悪かった気がするけど、疑いすぎかな)
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