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隠岐目線昼休み、ナマエちゃんは俺の隣でお弁当を食べていた。
笑ったり、昔のことを話したり……あの頃のまんまや。
──不思議なもんやな。
六年も会ってへんのに、こうして隣に座ってると、昨日まで一緒におったような気になる。
「なあ、このあと体育やっけ?」
『うん。……見学するけどね』
「そっか」
そういや、病気のことはあんまり突っ込まんほうがええか。
……ふと気づいた。
廊下でも教室でも、誰もナマエちゃんに声をかけてへん。まあ、転校してきたばっかやしな。そらすぐに友達できるわけない。
それに──
ナマエちゃんは俺が話しかければ、ちゃんと笑う。それで十分やと思った。
……いや、それ以上は望んだらあかん気もする。