最近なんだか、フィアンセの様子が可笑しい。
やけにスマートフォンを持ち歩いているし、きょろきょろと辺りを見回す事が多い。
、、、まるで何かを隠している様に
不審に思った僕は彼の入浴中に見て見る事にした。
案の定パスコードが掛かっていたが
僕にとってはこの程度の物を解除する事など御茶の子さいさいだ。
映し出された画面にはホーム画面では無く誰かとのチャット履歴が載っており、其処には
「この前は楽しかったね♡また行こ!」
や
「☓☓☓く〜ん!!かまって〜♡♡私、☓☓☓君の事大好きだから構ってくれないと死んじゃうよ?????」
等のまるで恋仲の相手に贈るような甘い言葉の羅列が
飽きれる程に目に入り、火に油を注ぐ様に僕の機嫌を害する
「へぇ、、、、、僕以外にこんな関係の男が居たんですね。」
僕という愛し合っている人間が居ながら、こんな何処の馬の骨かも解らないニコラーシャに叢がる蛆虫如きが彼に触れ、彼と同じ空気を吸ったと言う紛れも無い事実が紛れも無い醜悪の憎悪へと変貌する。
早く上書きしてあげないと、彼が腐り落ちてしまう
「フョードルくーんあがったよー」
運が悪い事にこのタイミングで来て仕舞った彼の眼の前でスマートフォンをバキバキに破壊する
踏み付けて、叩き付け、只管どうしようもない憤怒をぶつける様に。
普段の大人しい僕からはその姿が想像出来ないのか、
酷い恐怖と混乱の余り、裸の儘なのに彼は尻餅を着いていて腰が抜けてしまったようで、
その上に馬乗りになりそこら辺に合った書類用のカッターナイフを彼の眼前に突き付けた
「この傷、、、、誰に付けられたんです?
嗚呼、声も出ませんよね
安心して下さいちゃーんと僕が上書きしてあげますから♡」
大昔、幼少期に付けられたとしても許さない。
ニコラーシャを愛すのも、愛されるのも、壊していいのも、穢していいのも、
世界でたった一人。僕だけなのだから
「え、、、、、、?ヒョードルくん?」
躊躇も無く彼の左眼へと刃先をゆっくり入れた
つぷりと音を立て十字をなぞる
「う”、あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!!!ぃだい!!ぃだぁ、!!!!!ごめんなさ、!!ゆるじで、」
元々あった傷より深く、視神経に届くまで刃を突き付けた
溢れ出る涙が滲み、より痛みを呼ぶ様でニコラーシャは腰をうねらせ地獄の様な苦痛に耐えようとするが、それは更に傷を深く抉るだけで意味など無い
「あ”ぁ”ぐッッ、あ”あ”あ”ぁ”!!!!ずいまぜん、!ごめッ」
ゆっくり、ゆっくりと進んで行く刃先は血の涙と共に瞼をも引き裂き何とも悲痛で煽情的な喘ぎが僕の鼓膜を震わせる
「貴方、、、、何を謝っているんです?
何か、悪いことでも?」
悪いことをした自覚が無ければ、こんな事言わない筈だと言う意味合いを込め、
ドストエフスキーはただ一つ。傷つけられた心を埋めるように愛の言の葉を要求した
しかしその期待に反しゴーゴリは恐怖し、泣き崩れるだけ
「ッッッッ、、、う”、、、ぃッ、、」
引き抜かれた刃先が指し示す、紅色に実った禁断の果実は人智を越えた疼痛により震えていて。
眼前で抵抗も出来ずただ助けを求める仔ウサギの傷口へと、追い打ちを掛けるように猛獣が舌を這わせた
「、、、、、、、甘ったるいですね、」
口元まで溢れ堕ちたルビーの雫ですら舐め取ったドストエフスキーは満足気にホットミルクの深い味わいを嗜んでいた
「あ”ぁ”、ぎ、、、ぉ、、、、、だ、ずけ、、、、だざ、ぃ、く」
ついつい無我夢中で止め処無く溢れる泉へと意識を向けて居たが、凄まじい興奮と満たされた加虐心により紛れもなくその本性を表した凶悪の権化とも言えるドストエフスキーの陰茎を治めようと、筋肉質で硬い脚へと手を添わせた刹那
ヒョードルが神羅万象全ての物体、生物の中で最も嫌う男の名と共に、此処で初めてゴーゴリが抵抗を見せ、ドストエフスキーを突き飛ばした。
正に今触れていたその脚に蹴り飛ばされたのだ。
不意を突れたドストエフスキーは地面に尻餅を着きながら、
茫然とゴーゴリを見つめていた。
が、流石魔人と呼ばれる程有り、切れる脳は状況を直ぐに呑み込み嫉妬の炎に身を狂わせた。
そして、中々堕ち様とないゴーゴリへと地獄の宣託をする。
余りにも苛酷なドストエフスキーの言葉に、絶望の余りゴーゴリは「厭だ、、、、、、其れ丈は、やめて、、、」
とブツブツと戯言を吐き捨て、影駭響震の様だ。
「へぇ、抵抗するんですね。
矢張り、此れは不用なので要りませんか。」
その刹那先程のカッターナイフではなくフルーツナイフを手にしたドストエフスキーは大きく振りかぶった。
「い”っ”、ぎッッッッッッッッッッッッ!?!?ぁ”、、!!」
「ふふ、」
無論、其れは当然の如くゴーゴリの右足へと突き刺さった
流石に骨は傷付いてはいないが、既に骨まで到達しており
筋肉や肉は途切れ、垂々と大量の血液を垂れ流していた。
「矢張り、此れより他の物の方が良いですね
取りに行くので”大人しく”待っててくださいね。」
ゴーゴリは一人の時間が出来たことにより、虚空ばかりを写していた眼球に一筋の眩い輝きが灯る
だが、ゴーゴリに与えられた[[rb:孤独な時間 > 希望]]と云うのは紛れも無く徹頭徹尾。ドストエフスキーの罠だとはつゆ知らず。
「ぁ”が、、、、!!ぐ、”ッ!!!」
革靴のヒールがフローリングの床に響く音が遠のいたのと
殆ど同時に、床を這いずりゴーゴリは何とか脱出を試みる。
多量出血で意識が朦朧としているが恋人よりも愛する愛人の為、と死にもの狂いで地面を這い蹲る。
暫く這っているととある扉の先に薄ら明かりが見えた
その扉の先に自由が待っていると信じてやまない彼はもう動かない身体の代わりに、、手を伸ばした。
眼前で飛び立つ真夏の太陽へと翼を広げる鳥へと、、、、
「嗚呼。何て憐れで愛々しい仔羊なのでしょう、、、、、、、。
逃げ出そうなんて事を考える御莫迦さんには、、、[[rb:お仕置き > 御勉強]]が必要ですよね?ニコラーシャ。」
しかし、腕が千切れる程伸ばした右手で触れたのは鳥では無く、正に今自身の事を喰らい尽くそうとしている悪魔ではないか。
再びゴーゴリの精神を恐怖と焦燥が埋め尽くし、
疾うの昔に乾き切った筈の涙がまた零れ落ちる。
戻って来たドストエフスキーはゴーゴリの勘通り、手ぶらでは無く、片手に薪を割る用の斧を構えていた
「ぐぁッ!?!?!?!?いだぃ、いだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいッッッッッッ!!?!?!?!?!?」
「苦痛に悶え苦しむ貴方は、他の宝石よりも、何よりも華麗ですよ♡」
どれだけ叫ぼうが勿論止まってもらえる訳無く、
ドストエフスキーは遺された左足の関節へと、研ぎ澄まされた金属光沢を叩き付けた。
メギッ、、、、!!!!グサッ、、、!!!ドギッ、、
本気で力を込めて居るとは言え、成人男性の骨だ。
勿論チェロを素手で破壊出来る程の怪力を持つドストエフスキーであっても一太刀では断ち切れず、
何度も何度も凶刃を無抵抗のゴーゴリに差し立てた
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”“”“!!!!!!!!!!!!!い”だい!、や”め”ッッ、、、、も”ぉ”、ごろ”じ、、、、て”、」
もう骨と皮しか残って居らず首の皮一枚で繋がる其処の断絶をそこそこに、
夢も愛人も全て捨て額を床に擦り付けて死を懇願する彼を見下す
「ぉ”、ね”が、、、い”し”ま”、す”、、も”、こ”ろ”し”、て、、、、、」
生憎、ドストエフスキーの目的はゴーゴリを殺すことでも無いので
その頭をヒールで踏み付け、更に床に押し付ける。
「貴方は、何故こんな事になったと思います?」
「ぁ”“、、、、、ぐぇ”、?」
虫の息の彼に答えられる筈も無く、御気の毒な事にドストエフスキーに髪を掴まれ小さくなってしまったその身体が宙へと浮く
「ふふ、其れはですね、、、、、、、、。」
何故、此処までドストエフスキーはゴーゴリに狂ったのか
既に恋人がいた彼を略奪し、監禁、盗聴、盗撮、強姦、暴力。ありとあらゆる人智を外れた非道を彼に行ったのか
「_________。」
狼は赤頭巾の耳元でそう囁くと、恍惚な笑みを浮かべ彼の腕へと鮮血に染まった手を掛けた。
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