日本国 東京都 渋谷区
政府が国民選抜を発表しそれに対して不満と怒りを覚えた大勢の国民が渋谷で騒ぎなら集会を開いていた。
男性「政府のやり方はおかしい!」
人々「そうだ!そうだ!」
男性「国民全員を平等に避難させろ!」
人々「そうだ!そうだ!」
その時、迷彩柄の軍事車両が渋谷区に入ってくる。一台の装甲車が停車し1人の自衛官が下車してくる。
男性「おい!みんな!自衛隊のお出ましだ!」
自衛官「皆さん!今すぐ集会をやめて避難してください! 」
男性「避難だぁ?避難させてくれないのは政府だ!」
人々「そうだ!そうだ!」
自衛官「窓のない部屋で1ヶ月の食料と暖さえ取れれば生存確率は上がります!」
男性「1ヶ月も持つわけないだろ!」
東京都 千葉県 県境
東京都と千葉県の県境では東京都民と千葉県警が衝突していた。
男性「千葉に入れさせろ!」
警察官「下がってくださいっ!千葉県に入れられるのは選抜者のみです!」
男性「不公平だ!成田に行かせろ!」
埼玉県
ここに、選抜された家族がいた。
父「早く荷物まとめるぞ!」
母「え、えぇ!」
弟 崎村 修也
修也「選抜に選ばれったってまじ?」
姉 崎村 琴音
琴音「そうなんじゃない?突然メールが来たって言ってたし。」
修也「うぉ!つまり選ばれし者たち! 」
琴音は教科書で修也の頭を叩く。
修也「いって!何すんだよクソ姉貴!」
琴音「ばかな事言ってないで早く準備する!時間ないのよ?」
修也「お…おう!」
家族4人は、キャリーケースに荷物を詰め車のトランクに押し込む。
父「乗れ!成田まで少し距離があるからな!」
3人は父の言う通りに車に乗り込む。父は3人が乗った瞬間アクセルを踏む。
母「ちょっとあなた!急ぎすぎよ!」
父「仕方ないだろ!時間が足りないんだ! 」
修也は車の窓から空を見つめていた。空は赤く、雲はどす黒かった。
その時、車の頭上を2機の戦闘機が通過していく。
修也「うぉ!戦闘機じゃん!めっちゃ低空飛行!」
琴音「市街地をこんな低空で飛ぶなんて…。しかも、どっから来たんだろ…」
戦闘機は修也達が向かう成田空港に向かって飛んでいき姿を消す。
修也「あの戦闘機も成田空港に向かってんのかな…?」
琴音「そうなんじゃなーい?」
琴音はカバンから手鏡を取り出し前髪を気にする。
修也「姉貴…こんな時に化粧はよせよ…」
琴音「化粧じゃないし。別に移動中なんだからいいでしょ!」
琴音は少し怒った表情を見せる。街の道路は空いておりあたりはゴミが散らかり無法地帯のようになっていた。
千葉近海 航空自衛隊 F15戦闘機
戦闘機2機は千葉近海を飛行していた。
パイロットA「千葉近海に怪しい雲影なし。離陸を許可」
パイロットが無線通信で管制塔に合図を出すと選抜者を乗せた旅客機が離陸する。
パイロットB「任務完了。アールティービー!」
2機のF15戦闘機は千葉近海から進路を変える。
パイロットA「ん…? 」
パイロットAが太平洋側を見つめると、今までにないくらいにどす黒い雲が迫って来ていた。
パイロットA「マグ(Bのタックネーム)!あれ見てみろよ!」
パイロットB「あれは…!まずい!氷塊雲だ!領空を退避するぞ!」
パイロットA「了解!」
日本国 官邸
国土交通大臣「総理!」
総理「どうかしたのかね…?」
国土交通大臣「航空自衛隊の戦闘機が千葉に迫る巨大な氷塊雲を視認!」
総理「なんだと!」
総理大臣はソファーから立ち上がる。
国土交通大臣「10分後には日本に上陸します!」
総理「10分だと…!残りの選抜者数は!」
国土交通大臣「多くても5000人以上は…!」
総理大臣は拳を強くしめる。
総理「くそ…!10分で5000人もの人を避難させることなど…!」
国土交通大臣「我々も避難しなければなりません!」
総理「何をいう!国民を見捨てて我々だけ逃げるというのか!」
国土交通大臣は机に両手をつき総理大臣に向き合う。
国土交通大臣「総理は、この先も日本という国を引っ張っていかなければなりません…!氷塊雲の速度はマッハ1以上です…!ここは…退避を…!」
総理「…わかった…。」
千葉近海
氷塊雲は既に千葉県の海岸から上陸を始めた。千葉県の海岸付近は凍っていく。
航空自衛隊 F15戦闘機
パイロットA「くそ!氷塊雲に飲み込まれるぞ!」
パイロットB「アフターバーナーをかけろ!」
戦闘機2機に氷塊雲が迫る。
パイロットA「マッハ1以上出てるんだぞ!雲が速すぎる!」
戦闘機の機体が凍りつき始める。
パイロットB「まずい!」
パイロットA「脱出しろ!脱出するぞ!」
パイロットBが席下の脱出用レバーを引くが全く機能しない。
パイロットB「ダメだ!凍ってコックピットが開かない!」
戦闘機のエンジンが停止する。
パイロットB「エンジンが停止!」
パイロットA「こっちもだ!」
パイロットA「くそ!墜落する!」
戦闘機2機は千葉県の街中に墜落する。
戦闘機のエンジンが爆発するも寒さと吹雪により一瞬で鎮火する。
パイロットA「うぅ…」
パイロットAは目を覚ます。
パイロットA「助かった…?そうだ!マグ!マグ…!」
パイロットAはパイロットBの機体に通信するが反応がない。
パイロットAが座っていた機内が凍りつき始める。
パイロットA「ひっ…!クソ!くそ!」
パイロットAはもがくが、手足が凍りつく。
パイロットA「くそ…死にたく…な…i…」
東京都千葉県 県境
修也達は、県境の渋滞にハマっていた。
父「くそ…なんで動かないんだ…」
修也「えぇ!?」
修也が車内で驚きの声を上げる。
琴音「ちょっと修也…!急に大きな声出さないでよ…」
修也「やばい…!氷塊雲が千葉県近海から日本に上陸だって!」
父「なんだと!」
琴音「えぇ…!どうするの…!」
父「くそ…!捕まってろ!」
父はバックしUターンして逆車線を走る。
父「その氷塊雲ってのは今どこにいる!」
修也「今は…千葉県中心部!」
父「何とか…寒さをしのげれる場所…」
車はガラガラの逆車線を走って行くのであった。
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