コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
りとside
北の国はあまり遠くなく、早朝から夕方まで歩きつくことが出来た。正直野宿も気になったが、次の機会へと取っておこう。宿をとり、明日病院へ行ってみることに。改めて自分の体を見てみると、そこかしこに包帯や湿布がついている。庇ったと言っても、ここまで傷はつくだろうか。それに湿布なんて、痣はあの国に行く前のもの?それでも多すぎるが、ユカリが悲しそうな顔をするので、はやく病院へ行くよう促した
_________________
医者に診察をしてもらっていると、ユカリが医者を睨み付けている。診察が終わると、医者は言ってはいけないだろうが少し気色の悪い笑みを浮かべ、金貨10枚を要求してきた。
「10枚,,,」
「高すぎませんか?それ」
「これぐらいが適正価格です。処置も悪いし傷の箇所も多いのでまぁー払えないというなら取引してもよろしいですよ?」
傷は確かに多いが、処置が悪いと言う言葉にイラっときた。ユカリがやってくれたであろう処置にいちゃもんつけるなんて。じゃあお前はこれよりちゃんとした処置が出来るのかって話だ。この医者には無理だろうな
「わかりました。見積もりの話をしたいので、少し移動しませんか?」
「金貨10枚でしょ?いいよ違うところ探そう」
「大丈夫です。任せてください」
そう言ってユカリは医者と一緒に出ていった。数分後、違う医者と帰ってきて、聞くと話の途中に急患が入ったそうだ。先程より丁寧な診察をうけ、金貨2枚の治療で終わった。
「ありがとうございました。それじゃあ会計しに,,,」
「ちょっとまって、君も怪我してたよね。それも治療しよう」
「えっいや、自分の分はいいです」
「怪我してたなら治そうよ。後で倒れても困るでしょ?」
「ま、まぁそう言うなら,,,」
ユカリの方は傷の数は片手で数えるほどだが、少し状態が悪く、1部傷が開いているのもあるそうだ。そこまで酷いなら教えてほしかった。痛かっただろうに。
_________________
綺麗に治った体を見ながら、宿を飛び出していったユカリの帰りを待つ。病院の件でわかったことは、ユカリにも知られたくない事があるということ。当たり前の事だが、今の私には知られたくないどころか覚えていない事だらけだ。自分のせいだと責めるユカリにとって、私はどう見えているのだろうか。と、考えているうちにユカリが帰ってきた。
,,,硬貨の増えた袋を持って
「それ、どうしたの」
「あぁ、これですか?自分の治療費を考えていなかったので、補充してきました」
「どうやって?」
「持っていた精密機器を売りました」
「売っ,,,!?そこまでしなくても、ちょっと節約すれば良かったんじゃ,,,」
「りとさんに我慢なんかさせてはいけないでしょうし、あと行きたい飲食店もあったので」
「少しくらい我慢していいでしょ」
「良くありません。りとさんですから」
わかったこと追加。ユカリは私の事になると私物を躊躇なく売る。