テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
21,184
335
❤️side
着いたのはあの人の楽屋。
いろんな荷物で散乱していたが、その中で目にとまったのは
“玩具”だった。
普通のおもちゃじゃない、性行為で使用するような玩具。
しかもたくさん。
ディルドとか、電マとか……
さいあくだ、、
きっと俺にさせようとしている。
そんなの絶対に嫌だ。
「そんなに怖がらないでよ、大丈夫だって笑」
絶対大丈夫なんかじゃない。
「ほら、おじさんとキスしよ?」
片方の手首を掴んでいたのが、両手になる。
そして、段々と顔が近づいて……
「すみませーん!入ってもいいですか?」
スタッフの声。
「チッ」
舌打ちをして、俺から手を離す。
「あーごめん、先にほかの楽屋掃除しといてよ、もうちょっとしたら出るから」
「わかりましたー!」
スタッフの去る足音が響く。
❤️「っはー、ふーっ、」
手首を抑えながら、息を整えることしか出来ない。
よかった、、俺、終わったかと、、
「じゃ、また来週ね♡」
ものすごい速度で散乱した物を片付け、楽屋から出ていった。
俺も、楽屋戻って、片付けないと、、
ふらついた足取りで楽屋へ戻った。
🤍side
🤍「ねぇ舜太、。なんか俺に隠してることある?」
❤️「……は、え?」
夕食のとき。
俺はずっと思っていたことを、思い切って舜太に聞いてみた。
❤️「、ないよ」
返ってきたのはその3文字。最初の沈黙といい、どこか怪しい気がした。
🤍「………そう」
ここでは深く聞かないことにしておいた。
その後舜太は、風呂を先に入り、俺が風呂から出た頃には寝ていた。
疲れたのかな、そう思いながらも少し寂しい。
でも、明日は俺も舜太も忙しい。
俺も早く寝よ、、
❤️side
ようやく…ようやく最後の収録日になった。
これであの人から解放される。
ただ、気がかりなのは……。
「本日特別ゲストの、M!LK塩﨑太智さんです!」
💙「よろしくお願いしまーす!」
だいちゃんがいることだ。
だいちゃんは繊細だし些細なこともすぐに勘づくし、少し厄介。
隠し通せますように、、。
そう思っていると、あの人に話しかけられる。
「舜太くん、今日で最後だね。頑張ろーね?♡」
思わず肩をびくっと震わせてしまうが、何とか自然な感じで返事ができた。
昨日のことが頭から離れない。
本当に現実なのか疑うくらいだが、視線を下に落とし、自分の手首にある青紫色の掴まれた跡を見て本当だったことを再度認識する。
隣にいただいちゃんは少し不思議そうな顔をしていたが、何も聞いてこなかった。
そうして収録が始まった。
「本日を持ちまして、曽野舜太さんレギュラー終了です!」
❤️「今までありがとうございました!」
元気よく言う。いつも通り。
そして解散になった。だいちゃんはいつものように素早くスタジオを離れ楽屋に向かっていった。
俺もだいちゃんの後をつく。
すると、青紫に腫れ上がった手首をまた掴んでくる。
❤️「い、……っ」
あまりの痛みに顔が歪む。想像の3倍は痛かった。
「ねぇ、今日でもう会えなくなるかもしれないんだからさぁ…。」
「最後に、おじさんと楽しいことしよう?♡」
体が、今すぐ逃げろと言っていた。
💙side
部屋の数の関係で、舜太とは同じ楽屋だった。
その事を忘れて舜太を置いたままそそくさとスタジオを離れてしまったことに後々気づいたが、そのうち戻ってくるだろうと思っていた。
なのに、いつまで経っても来ない。
俺は今日ゲストだったけど、舜太はレギュラーだったから手土産でも貰ってんのかな、そう思って気長に待つことにした。
収録が終わってから、30分は経った気がする。
立ち話をしているにも、そろそろ俺らは音楽番組の出演が控えている為出発しなければならない。
舜太を呼びに行こうと、スタジオに戻った。
だけど、どこにもいない。
スタジオには、誰も残っていなかった。
トイレかな、そう思ってたくさんの楽屋の奥にあるトイレへ向かう。
その最中、どこかの楽屋から叫び声のようなものが聞こえた。
「……めて、っ、…」
「…は……して、っ……」
誰の声か、判別はつかないが、困っているなら助けなければならない。
その声がどこから聞こえるのか、探しているといちばん音が大きく聞こえる楽屋を見つけた。
その楽屋は、昔からこの番組のレギュラーの、芸人さんのとこ。
近づいて音を聴けば聴くほど、この声は舜太なんじゃないか、とか嫌な考えが浮かび始めてきた。
鍵が開いている。
行くしかない。
💙「失礼します」
ノックをして、返事を待たずにすぐドアを開けた。
そこには、衝撃的な姿があった。
舜太の服を脱がしている芸人さん。
泣きながら反抗している舜太。
よく見ると、舜太の首筋になにか跡が付いていた。
💙「……何してるんですか?」
「あは、これは……えっと、、」
手を止めて、こちらを見ている。
舜太はずっと泣いていた。
💙「……。」
言葉が出ない。舜太がこんな目に遭っていたなんて。
携帯を取り出す。
「あ、まって!まってくれ!!」
そう叫ばれたが、手を止める気はない。
スタッフさんに電話をかけた。
💙「あ、もしもし?今まだ施設内ですか?……はい、…はい……そうですか!そしたら〇〇さんの楽屋来ていただいていいですか?……はい。できれば急ぎで……はい、……ありがとうございます」
電話を切る。
彼はというと……逃げようとしていた。
ドアを閉め、鍵をかける。
そしてドアの目の前に立ちはだかり、逃げられないようにした。
「っくそ、どけよ!!」
必死に退かそうとしてくるが、力が弱すぎる。
こんなでかい見た目なのに、全部脂肪だったらしい。
💙「俺よりでかいのに、俺より筋肉ないんですね」
少し挑発に乗った発言をすると、
「ふざけんな!!」
と体当たりしてくるがちっとも痛くない。
顔を真っ赤にして怒っているのが面白くて仕方がなかった。
すると、ノックの音。
「塩﨑さんもいますか?」
💙「はーい!今開けます!」
そう言って鍵を開け、ドアも開ける。
どうせ若手スタッフだろう、とか思っていたのだろうか。
自分よりも遥かにでかくて、冷や汗をかいていた。
💙「舜太に性的な行動や暴力などを行っていたかもしれないです」
「わかりました。迅速に対応します」
スタッフに取り押さえられ、彼は出ていった。
振り向いて、端っこにいる舜太に駆け寄る。
💙「舜太、舜太、」
うずくまっている舜太は震えていて、過呼吸になっていた。
❤️「はひゅーっ、ひゅーっ、かひゅ、ごめ、なさ……っ、ひゅ、っ」
ごめんなさい?なんで……
舜太は全く悪くないのに。
💙「今まで気づいてあげられなくてごめんな。怖かったよな、痛かったよな、」
ぎゅ、と抱きしめる。
柔太朗に怒られそうだな、とか思いつつも、今はそれどころではないとわかっていた。
💙「柔太朗呼ぶ?」
❤️「……っ、」
こくり、と頷いた。まだ、震えも涙も呼吸も治まっていない。
柔太朗じゃないと無理だろう、そう思ってスマホを操作し始めた。
🤍side
撮影終わりの休憩時間だった。
撮影は終わったものの、まだ帰れないようで少し嫌気がさした。
そんなとき、スマホが鳴った。
だいちゃんからだった。
🤍「もしもし?」
💙「あ、よかった…出てくれた……」
安心したように言うだいちゃん。
🤍「どうしたの?」
💙「舜太と番組の収録あったんやけど、同じレギュラーの芸人さんにいろいろされてたっぽくて…多分セクハラ、かな」
🤍「…………は、?」
理解が追いつかなかった。
舜太が、セクハラ、、?
電話は切らずに、
🤍「すみません、急用できたんで先帰ります」
自分にしてはでかい声で言い放ち、走ってスタジオを出た。
なんで気付けなかったんだ、、
俺、最低だ……。
コメント
3件
そのざきもかわいくて大好きです🥲毎回コメント迷惑じゃないですかね⁉️続きも楽しみにしてます💘💘
もう…第8話読み終わったけど、胸がぎゅーってなったよ……。舜太がずっと一人で抱え込んでたのが切なすぎる。あの芸人さんの「最後に楽しいことしよう?」の台詞、背筋が凍ったわ。でもだいちゃんが駆けつけてくれて、きっちりスタッフ呼んで対応したのはマジでかっこよかった。ラストの柔太朗の「なんで気づけなかったんだ」のところで涙出そうになった…次、どうなるんだろ。