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涼side
夜が明け薄暗くなってきた頃
僕は目を覚ました。
ビキッ
「いった……。」
もうこの歳になって腰痛か、と思い
全身鏡を見るとつるのようなものが灰色のようなものだったものが漆黒のように濃くなっていた。
「蕾……?」
今にも咲きそうなパンパンになった蕾。
そこだけ異様に赤くなっていた。
時計を見ると5時半。
いつものようにハイキングに行こうとしたが思うように体が動かない。
まるで全身が太い縄で縛られたように。
「うごけよっこの身体っ……」
動こうとしてもその縄は切れることは無い
これはきっと夢だ。きっと……ゆめだ
突然睡魔が襲い、目の前が暗くなった
「ふふっ元貴っ!」
「何?滉斗!」
嫌だよ……僕をひとりにしないで……滉斗っ!
僕は滉斗の手を掴もうとして手を伸ばす
でも手がつるに絡まって伸ばせない
「待ってよ!滉斗っ!」
「いやだ!いだいっ!あ”っ……」
明るい……夢だったのか?
「涼ちゃん!……大丈夫?」
「若井……?」
あれ?なんで君が?
あぁまたこれも夢だ……
「いだっ……」
体に痛みが走る
息が出来ない……
「涼ちゃん!?」
「あ”れっいぎっすえない”っ……うぁっヒュッ」
「涼ちゃん!こっちを見て?」
「ふぅっ…ヒュゥ…カヒュッ…」
「吸って、吐いて、吸って、吐いて」
「グスッ、ひゅっ……はぁっ……」
「大丈夫……大丈夫……」
「うあ”っ……ふぁっ……泣」
滉斗のハグは温かくて力強くて優しくて
今まで我慢していた涙が出てきてしまった
「涼ちゃん……涙が……」
「え?……」
手には赤い涙が出ていた
「赤い……」
「あれ?笑なんでだろぅ……」
思ったよりも赤くて血のようで
でも涙は止まらなくて
「若井ッ……服汚れちゃうから離れて……」
本当は抱きしめていたい
けど赤くなっちゃう。
「いっ……」
「あれっ?」
もうつるか手まで来ていてしまった
「若井……鏡をちょうだい……」
「へ?……鏡?」
そして滉斗の目を気にせず服を脱いだ
胸には大きくて綺麗な花
「涼ちゃん……それって。花咲病?」
「なにそれっ」
「……片思いを拗らせるとなるやつ」
「かた、思い……」
「でも。その病気叶わないと死ぬんだ」
「そうなんだ……じゃあ僕はもう死ぬね、笑」
死ぬのかこの恋はもう叶わないんだ
もうダメだなぁ