「余命残り1年だって…」
「………は?」
その言葉を聞いて私は固まった。みこちは元々持病を持っている。
昔っから病気から戦ってきたことを私は知っている。
けどいつも元気で、笑顔だったのに最近あまり元気じゃないなぁ…って思ってたら病気が悪化したらしい。
「嫌だ、嫌だよ」
「…そんなこと言われたって無理だよ。」
「何で…じゃあ、二人で思い出残すために、どこか行こうよ、、、」
「ダメだって言われた。体力を使うと悪化して、余命1年が短くなって亡くなっちゃう」
「な…んで、こんなことに…」ポタ
ああ、久々に泣いたな。私は泣くことはあまりなかったのに…
なぜこんなことになってしまったのだろうか。
前までは健常者みたいに軽い足取りで仕事場に行っていたのに、、、
「…直す方法とかないの?」
「あるけど、失敗したら余命1年が短くなる。でも成功したら寿命が少し伸びるくらいかな…
長くは生きられないらしいよ、、、」
「…みこちはどっちを受けたい?」
「え…?」
「ぁ、ごめん…みこちのことだから口出ししないようにするね、、、」
私的にはしない方がいいと思っていた。だって高難易度すぎる二択なのだから。
だったらまだ余命1年間だけでも一緒にいたい。みこちは……
「…みこは受けるよ。」
「っ…そっか。」
みこちは手術を受ける方を選んだ。長く生きれるという手段があるのであれば、誰だって生きたいだろう。
「分かった。先生に伝えてくるね?」
「ありがとう、、、」
そう言って私は病院の部屋を出た。やばい。目の周りがだんだんと熱くなっていく。
だが、みこちが言ったのだからきちんと、先生に伝えなくちゃ…
_______________________________________
「あ、みこち…手術は一週間後だって」
「一週間後かぁ…緊張するな。」
「みこちなら大丈夫だよ。後、はい。これあげる」
「え、なにこれ?」
「花だよ。」
「これ花なの!?ああ、でもよく見ると花だ。」
「アスチルベっていうんだよ。」
「へ〜✨ありがとう!」
「ん、、、」
みこちが笑顔になった。良かったぁ、、、
「明日も渡しに来るから。」
「ありがとう!」
私は次の日にサンザシをあげた
「これって実じゃなくて花なの?」
「毎回花か聞くじゃん…」
「だってこれ花か怪しむぐらいだよ?」
「いいでしょ別に、、、」
「まぁ、すいちゃんからもらえれば何だって嬉しいよ。」
…嬉しいこと言ってくれるじゃん。
私は上機嫌で家に帰ってった。
3日目は紫のオダマキ
4日目はピンクのカーネーション
5日目はモッコウバラ
6日目は紫瀾(シラン)
7日目はペチュニアをあげた
「…とうとう手術の日だね。」
「ふぅ〜、、、緊張して来たぁ」
「みこちなら大丈夫だよ。」
「ん、任せなさい!」
みこちは笑顔でそう言って手術室に運ばれて行った、、、が
「先生!血液がどんどん減ってってます!」
「クソッ、早く輸血しろ!」
「急げ________!」
「____!_____?」
____________________________________
私は手術が終わるまで寝てしまっていた。
「ん、あ。先生!どうで、し…たか、、、」
先生の顔は遠いところを見て悲しい目をしていた。
顔を見ればわかる。”失敗したんだな”と。先生が悪いわけじゃない。
けれどみこちとの喋れる時間が減ることになる。仕事もあるし、少しの間会えなくあるから今のうちに言っておこう。
そう思い、みこちがいる部屋を開ける。ベットサイドに置いてあるモニターから心電図が見える。
ピッピッと少し大きな音が聞こえる。
「まだ寝てるな…」
みこちが寝ていたため手紙を置いて行った。
みこちに会うために、運営側に無理をして頼んだ結果、1ヶ月間仕事がびっしり埋まっている。
「……その間に亡くならないでよみこち?」
病院から出る際にそう言い病院を出た……
「あぁ〜!!仕事終わったぁ!!」
やっと仕事が終わり、すぐタクシーに乗って病院に向かう。
「あ、すいせいさん!」
みこちの手術を担当した先生だ。どうしたんだろう?
「本当に申し訳ありません…みこさんは昨日亡くなりました、、、」
「……え?嘘ですよね?」
「……こちらについて来てください。」
先生についてくと静かな空間で、畳が4畳ぐらいの真っ白い所に連れてかれた。
真ん中にベット一つ置いてある。、、、分かっている”みこちだ”ということも、この場所が霊安室だということも。
「寿命短くないですか?」
「…手術でかなりの負担をかけてしまって、、、本当に申し訳ございませんでしたッ。」
先生は深く頭を下げた。頭理解できている。けど体がまだ事実を受け止めてくれない。
「大丈夫です。知ってましたから。」
私はそう言い切り病院を出た。
どうせ神などいないんだ
今は六月のまだ暖かい日。
私は静かに睡蓮を手に持ち。ナイフで左の胸を思いっきし刺した、、、
「ま、た…後世、で……会おう、、ね?」
_____________________________________
テレビで昔あった事件が今話題になっている。
水色の髪をした女性がぐしゃぐしゃになった花を持ちながら、美しい笑顔で自殺したらしい。
「へぇ〜昔にそんなことあったんだ、、、なんか怖いね?」
「花を持って死ぬなんてロマンチストだねぇ。」
「なに言ってだよ”サイコパス”」
「うるせぇ、すぐ”ポン”するくせに」
「なんだお!やんのかって!」
「もーうるさいって、襲うよ?」
「…静かにしてる」
「いい子。」
そう会話する少女たちがいる。神様は空の上で微笑みながら消えていった、、、
神は見ているんだ、、、
「もう離さないよ”みこち”」
「んー?なんか言った?」
「何も言ってな〜い」
「絶対なんか言ったじゃん!何、気になる!」
二人で幸せな人生を送れると今度は信じてる。そう心の中で神様に言った、、、
アスチルベ 『恋の訪れ』 『自由』
サンザシ 『希望』 『ただ一つの恋』 『慎重』
オダマキ 『決意』 『必ず手に入れる』 『愚か』
ピンクのカーネーション 『感謝』 『気品』 『暖かい心』 『美しい仕草』
モッコウバラ 『純潔』 『純粋』
紫瀾(シラン)『美しい姿』 『あなたを忘れない』 『変わらぬ恋』
ペチュニア 『あなたと一緒なら心が和らぐ』 『心の安らぎ』
睡蓮 『滅亡』
コメント
8件
花言葉などや話で感動しました!これからも頑張ってください!!!
花言葉あるのこだわってて好きだなぁ!ちょっと参考にさせていただきます...()
花言葉すげぇ... 🌸☄️お幸せに!!