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記憶の落し物を探して。
目次
○はじめに
○私の名前
○思い出とはいずれ消え去るもの
○挨拶
○あとがき
○はじめに
いらっしゃいませ。主のみぃです。
まずは、作品を開いて下さりありがとうございます。このお話はハイキューの白鳥沢学園の話をメインにしております。その点は御理解下さい。
キャラ紹介の方はですね、しません!
いるかな〜と思ったんですけど、段々と分かってくるのがこの物語ですので!
分かりにくい場合はコメントで言ってください!よろしくお願いいたします。
1話1話が毎回長くなる予定なので、どうかお付き合い下さい!その分、投稿頻度はすんげぇ悪いです。
それでは、いってらっしゃいませ。
○私の名前
「ふんふふ〜ん♪」
朝から鼻歌を歌ってスキップ。こんな少女漫画みたいな始まり方ってイマドキ流行らないかも。
「今日は入学式かぁ…!」
また、言ってるよあたし。少女漫画か!本当の少女漫画ならここで、イケメンと曲がり角でぶつかったりするのかな。もし本当にイケメンと出会うならビジュを整えたいな〜。まぁ、あたし可愛いしいっか!
「というか、あたしってば頭良過ぎない!?白鳥沢って偏差値高いもんねぇ……」
思った事をすぐ口にしてしまう事があたしの癖。周りに誰も居ないからいいけど、いたら結構引かれちゃうやつ。友達の前くらいはしっかりと弁えてるけどねっ!
あ、そうだ!皆さんに自己紹介しないとねっ!あたしの名前は███だよ!分かった?
え?何故か名前だけ分からないって?もう!これで最後だよぉー?あたしの名前は███。覚えてよね!!
実は、あたしちょ〜頭良いんだよね。だから偏差値高いで有名な白鳥沢学園に入学するんだよー?凄くない!?
あたしのモテモテ人生の1ページが始まるのかぁ〜!ワクワクが止まらないよねっ!
鼻歌を歌いながら白鳥沢学園に向かう。
大通りを通るのが普通らしいけど、近道があるなら行きたくなるタイプなんだよね。
ということで!近道!!!!!
あまり人が通らなくて少し狭い道。前を見ると誰も居ない。意外と穴場だったり?
ゆっくり行こう。めんどいし。鼻歌でも歌ってれば楽しいかな?
そんな変なことを思っていると身体に衝撃が走った。
ドンッ!と言う鈍い音と共にあたしの身体が吹き飛んだ。
そういえば、衝撃の直前に車のクラクションが聞こえた気がする。もしかして轢かれた……?
意識が朦朧とする中、男の子が叫んでいるのが分かった。たぶん同じ制服の子だ。
この時間に登校ということは、同じ1年生だよね。ごめんね。入学初日にこんな怖いもの見せて。もし、あたしが生きていたら謝りたいな。
そこで視界が真っ暗になった。
目を開くと、何処かの建物の天井が見えた。
どうやら病院らしい。
看護師さんが丁度いいタイミングでやって来て、医師を呼びに行った。看護師さんの反応から察するに、私は事故に遭ったらしい。
そして、ドアが開かれた。今から来るであろうと思っていた人物ではなく、何故か同年代くらいの男の子が顔を覗かせていた。
「良かった…」
その男の子は何故か私を見てホッと息をついた。私の知っている人なのだろうか。思い出せない。
分からないのなら聞くのが早いだろう。
「あの…貴方は?」
「俺は白鳥沢学園1年の五色工と言います」
「そうですか…えっと、私は…….わ、たしは…」
何故だろう。言葉に詰まる。
「…どうしました?具合でも…起きたばっかですもんね、」
ごにょごにょと独り言を言い始める男の子。
すると、またドアが開かれた。新たな客人だ。
「目が覚めたのですか?」
五色さんという男の子が立ち上がり医師を出迎えた。
「えぇ、はい…」
「事故直前のことは覚えていますか?」
「事故直前…?」
私は、本当に事故に遭ったらしい。だが、思い出せない。事故直前というよりも…
「名前は言えますか?御両親の名前も」
私の名前は……
「私の名前は何ですか?」
その言葉に空気が一変した。
医師の判断は事故のショックによる記憶喪失。事故の際に頭を打ってしまい、記憶を無くした。大体の記憶喪失は事故直前の数時間程度を忘れるのだが、彼女の場合は両親も自分自身も忘れてしまっている。
そう、この物語は記憶を失った少女が記憶を取り戻す物語なのだ。
○思い出とはいずれ消え去るもの
事故から1ヶ月半後のこと。
記憶喪失という大きなものを背負った代わりに後遺症が残る程の怪我はしなかった。
人より怪我の治りが早いらしく、怪我は予定よりも早めに治った。勿論、完治とまではいかないが。
定期的に検査はするが、一先ずは退院することが出来た。
退院したが、またしても大きな問題が発生する。
それは衣食住だ。
所持していたスマホという端末は、画面はバキバキに割れていたが、幸いにも壊れてはいなかった。
看護師さんに聞いて使い方を教えてもらうと、パスワードも設定されていないというガバガバセキュリティのお陰で色々調べる事が出来た。
メールという知人とネット上でやり取りするものを見てみると、両親らしき人物の名前があった。だが、あちらから連絡はないということは、音信不通なのだろう。
住む家がないとなると非常に困る。
どうしたものか。
解決策が浮かばず病院の待合室で絶望していると、顔見知った人物を発見した。
その人は、どうやら老夫婦と話をしているらしい。
「あっ!」
こちらに気付き、近寄って来た。
「退院したんですよね?おめでとうございます…!」
「あ…ありがとうございます」
せっかく知人に会えたのだから伝手を求めるべきだろう。思い切ってアドバイスを聞くことにした。
「えっと、五色さん。住む家がない場合ってどうするのが正解でしょうか?」
「それはですね、ってえぇ!?」
直球過ぎた質問に困惑させてしまった。
そんな私の質問を頑張って理解し、考え込みはじめた。段々眉間にシワが寄っていることから察するに、解決方法が見当たらないのだろう。
「工くん。勝手にお話聞いちゃったのだけれど、その子は何があったの?」
先程まで五色さんと話していた老夫婦の奥様が優しく話し掛けてきた。
五色さんが私に目配せをした後、事情を老夫婦に説明した。
「それは大変ね…」
心配そうに眉を潜めて呟く、お婆さん。
そして、ずっと黙っていたお爺さんの方が口を開いた。
「だったらうちに来るといい」
「か、監督!?お忙しいんじゃ…」
監督と呼ばれたそのお爺さんは、顔を1つも変えずに続けて言った。
「小娘1人増えたくらい困りゃしない。それに、何かあれば手伝わせるからな」
「いいのですか…?」
「嗚呼。手伝いはして貰うがな」
たぶん、このチャンスは逃してはいけない気がする。私は、深く頭を下げた。
「よろしくお願いします」
それから有り得ないスピードで物事が決まっていった。
生活において必要な物を買え揃い、老夫婦改めて、鷲匠夫婦のお宅へお邪魔した。
「学校は白鳥沢?」
奥さんの照乃さんが優しく話し掛けてくれた。
「そう…らしいです。五色さんが色々聞いてくれたようで」
「そうなのねぇ。なら、ここから近いから行けそうねぇ」
旦那さんの鍛治さんは新聞を読んでいる。全くこちらに眼中が無い。
「いつから学校行く?」
「明日から行きます。先生…にも連絡をしたところ、必要最低限の物だけ持って行けばいいと」
「そう?気をつけるのよぉ」
照乃さんは見た目通り優しい人で、私の心配を常にしてくれている。逆に申し訳ないとも思うが。
「放課後になったら暇だろう?」
突然、鍛治さんの口から放たれた言葉に少し驚いてしまった。もしかすると、私はこの人が苦手なのかもしれない。
「…はい。家の手伝いですか?」
「いや、違う。とりあえず職員室に居る斉藤明という男に声を掛けろ」
当たり前だが覚えの無い男性の名を聞き、不思議に思った。全く意図が掴めない。
「わかりました」
翌朝、午前6時に目が覚めた。
居間に向かうと、鷲匠夫婦が居た。
「すみません。私が1番最後のようで…」
「いいのよぉ。もっとゆっくりしてて良かったのにぃ…」
「いえ。お邪魔させてもらっている身なので、」
朝食の手伝いをし、三人で朝食を食べた。
病院の食事で慣れていたので、とても美味しく感じられた。覚えが無いが家庭の味、というのが一番当てはまる気がする。
白鳥沢の制服に袖を通す。事故の日に来ていた服はボロボロだったので買い直して貰った。
時間になったので靴を履き、2人に見送ってもらいながら白鳥沢学園に向かった。
本来ならまだ、登校する時間ではないらしいが、今日は特別に早く来てもらいたいとの事だったので早めに家を出たのだ。
教えて貰った道を通り、学校に到着。
想像よりも広い場所だったようで、何処に行くべきなのか分からなくなってしまった。
つまり迷子だ。
「ネェネェ、君そんな所に立ち尽くしてどうしたのぉ?」
後ろから背の高い、不思議な雰囲気の男子生徒に声を掛けられた。
「え…と、あの…」
「あ…天童さん!!えっと、その子は…」
「五色さん…!」
救世主こと、五色工さんが偶然通り掛かってくれた。
「工の知り合いィ〜?」
「えぇ、一応」
「キミ、名前はー?何て言うのぉー?」
「私の、な、まえは…..久瀬美桜…と言います…」
実は所持品に名前が書いてあった。そして、私の名前は久瀬美桜(くぜ みお)という名前だと判明した。自分で言っておいて他人の名前を口にしている気分だ。
「フーン、美桜チャンと工は同じクラスとかぁ?」
「あっ…いえ!」
話の流れがどんどん進みそうなので、割り込ませてもらった。
「迷ってしまって…職員室は何処ですか…?」
背の高い人が不思議そうな顔をしたが、教えてもらいなんとか職員室に辿り着いた。
職員室のドアを少し開けて、覗いてみる。
私に気付いた教師が近寄って来た。
「君が久瀬美桜さんかい?」
「…あ、はい」
「中でお話しましょうか」
と言って、男性教師(担任)と、校長先生、教頭先生に囲まれて、これまでの事情を説明した。
「勉強は出来そうかい?」
入院期間中、医師に言われてどの程度忘れているのか調べることにした。
言葉遣いは小さい頃から丁寧だったのか、流暢に喋ることが可能。
勉強知識は何故か身に付いていた。地頭が元から良かったのだろう。分からない問題も説明を受ければ理解出来た。
言葉、勉強以外の知識については皆無だった。全く記憶がない。
「勉強は教えて頂ければ大丈夫だと思いますが、私自身のことについて分からないことだらけなのが現状です。」
○挨拶
その後、クラスには入学式当日に事故に遭ったという事だけ伝え、自己紹介をした。
放課後になったので、鍛治さんとの約束通りに職員室へ向かった。
「失礼します…斉藤明先生はいらっしゃいますか…?」
「あ、君が!僕が斉藤です…!鷲匠先生からは事情は聞いているよ」
「あの、私は何をすれば…?」
「君には、男子バレー部の手伝いをして欲しいんだ」
「男子バレー部?」
バレー部とはなんだろう。部活動の1つとは聞いていたが、バレーという競技?は知らない。
「それじゃあ、早速行こうか!鷲匠先生も居ると思うよ」
何も理解出来ない私を置き去りに体育館へ歩き出した。
体育館に到着し、鷲匠鍛治さんに会った。
「鷲匠先生。連れてきました」
「御苦労さん」
行く道中で話を聞いたところ、斉藤先生はバレー部のコーチらしい。
「おい」
鷲匠さんにそう短く呼ばれた。
「今日からコイツらの手伝いをしてもらう。邪魔だけはするなよ」
「はい……?」
コイツらとは誰のことだろうか。
「集合ッ!!!」
「「「「 ハイッ!!!!!! 」」」」
「…ッ!?」
呼び掛けに反応した人達がぞろぞろとやって来た。
思わず驚いたのも無理はなく、全員がガタイが良くデカイ。
「えー、今日から訳あってマネージャーとして手伝いをしてくれる、久瀬美桜さんだ。」
「……?」
マネージャー?
「何をぼけっとしている。お前のことだろう」
そうだった。他人事としていたが、私の名前を呼んだのだ。その様子に誰かがプスッと笑っていた。
「え、ッと…く、久瀬美桜です…?宜しくお願いします」
「「「「よろしくお願いしますッ!!」」」」
取り囲まれて挨拶をされた。迫力が凄いがその中に、五色さんの顔があった。それと、朝に会った人も居た。
「誰でもいいが工、賢二郎。色々教えてやってくれ。」
「…はい」
「は、はいッ!」
一度話の整理は着いたらしく、解散していった。
「五色さん。先日はありがとうございました。助かりました」
「あ、いえッ、そんな!」
照れ臭そうに頭を搔く五色さん。そして……
「お前ら知り合いなの?」
賢二郎と呼ばれていた人。
「知り合いというか、なんというか。話せば長くなるので…」
「ふーん。さっさと行くぞ」
「え!あ、行きましょ、美桜さん」
五色さんと賢二郎さん(?)に連れられて、毎日する仕事内容を教えてもらった。
スポーツドリンクの入れ方。記録の取り方。ボール拾いについて等の様々なことを教えてもらった。
「一回じゃ覚えきれないと思うから、徐々に慣れていけ。でも、牛島さんに迷惑かけないように早めに」
「ゆっくりで良いですよ!一年は手伝いますし!」
双方意見が違う。そして謎の圧。
牛島さんとは誰のことか知らないが迷惑かけてはいけない人リストにインプットしておこう。
「スパイク練始まるからこれで終わり。今日の分の仕事は俺たちでやってるし、殆ど無いから」
「はい、分かりました。ありがとうございます」
「分からない事あったらコイツに聞けよ」
「ちょっ!!何でですか!?」
斉藤コーチに確認をとり見学する事にした。
バレーボールとは球技の一種で、簡単に説明すると床にボールを落とさずに、相手側へボールを落とす。らしい。
試合形式というものを見て段々とルールを理解してきたのだが、見ただけで全てを把握することは困難らしい。
そこで私は1年生で手の空いてそうな人を見つけて話し掛けた。
バレーボールの知識なしでマネージャーに志願したのか、という驚きの目で見られた。
記憶を失った私にバレーボールという知識は備わっているはずもない。
以前の私は知っていたのだろうか。
そう考えていると今日の練習が終了していた。
○あとがき
皆様、おかえりなさいませ。如何でしたか?
私的には書いていてとても楽しいな〜って感じで!白鳥沢は私的に想像がしにくいので少々苦戦しましたが、何とか1話が終わりましたぁー!
結構な文章量でしたが、長過ぎたら遠慮なく言ってねっ!!参考にさせて頂きます!
質問が来る前に、言わせて頂きますとこのお話は恋愛にはしたくないなーと思っております。
恋愛要素は入れてもいいかもですが!!
まぁ、気になった事!分からなかった事!面白かった事!なんでもコメントしてくだせぇ!
それでは、またお会いしましょう。