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エネアがダンジョンの二層に足を踏み入れると、目の前には信じられないような光景が広がっていた。岩肌に囲まれた広大な温泉地帯が続き、至るところから湯気が立ち上っている。大小さまざまな温泉が散在し、まるで自然の温泉リゾートのようだった。
「わあ、ここがダンジョン?温泉だらけじゃない!」
思わず笑顔がこぼれたエネアは、疲れた体を癒すには絶好の場所だと感じた。温かい湯の香りが鼻をくすぐり、どの温泉に入ろうかと一瞬心を奪われた。しかし、すぐにその考えを振り払った。ここはあくまでダンジョン、油断してはいけない。
「うーん、さすがにこのまま温泉に入るわけにはいかないよね。何か仕掛けがありそうだし…」
彼女が慎重に温泉の周りを歩き始めたその時、不意に水面が大きく波打った。温泉の湯が激しく泡立ち、その中から何かが現れた。
「うわっ!?」
エネアの目の前に姿を現したのは、大きな魚のような体を持つ魔物だった。全身がぬるぬるとした鱗で覆われ、鋭い歯が並んだ口がこちらに向かって開く。目は赤く光り、まるで温泉の主のように悠々と泳いでいる。
「まさか、温泉に魔物が泳いでるなんて…!」
魔物はエネアを見つけると、飛び出すように水面から跳び上がり、彼女に向かって突進してきた。エネアはすぐに構えを取るが、特に恐れは感じていなかった。これまでの戦いで、自分の「絶対防御」がある限り、どんな攻撃も通用しないことを理解していたからだ。
「まあ、こっちも手加減はしないよ!」
エネアは魔物の突進を軽くかわし、背後に回り込む。そして、持っていた短剣を一閃させると、魔物の背中に軽々と命中した。水面に再び激しい波紋が広がり、魔物は力を失って温泉の中に沈んでいった。
「ふぅ、一匹目クリア!でも、まだまだいるみたい…」
彼女が周囲を見渡すと、他の温泉からも同様の魔物たちが次々と顔を出してきた。大小さまざまな形の魔物たちが、温泉の中を自在に泳ぎ回っている。その数は予想以上だった。
「なんか、今日は泳ぐ魔物たちとの戦いみたいだね」
エネアは少し笑いながらも、すぐに次の魔物に向かって駆け出した。温泉の魔物たちは次々とエネアに襲いかかってくるが、彼女の防御力の前ではどんな攻撃も無意味だ。彼女はまるで泳ぐように軽やかに動きながら、次々と魔物を撃破していく。
しばらくの戦いの後、エネアはほぼ全ての魔物を倒し終えた。温泉の水は再び静けさを取り戻し、湯気がゆらゆらと空気に溶け込んでいく。彼女は戦い終わった後の温泉を見て、ふと思った。
「…今なら、少しだけ温泉に浸かってもいいかな?」
エネアはあたりを見回し、もう魔物がいないことを確認すると、ゆっくりと温泉の縁に腰を下ろした。そっと湯に手をつけてみると、ちょうどいい温かさが伝わってきた。
「これくらいなら、いいよね?」
少しだけ自分に言い聞かせながら、エネアは慎重に湯に足を浸し、ゆっくりと温泉に体を沈めた。温かい湯が全身を包み込み、戦いの疲れが一瞬で消えていく感覚に彼女はうっとりと目を閉じた。
「うん、これがダンジョンじゃなければ最高のリラックスタイムなんだけどな…」
微笑みながら、エネアはしばしの間、温泉での静かなひと時を楽しんだ。次の戦いに備えるための、このひと時だけは、彼女にとって何よりも贅沢な時間だった。その後、洗髪薬で髪を洗い、眉毛を剃ったら…。よし、体臭もましになったし、最高だね!
あぁ…♡ずっと触っていたいくらいサラサラ…
「…あ。ここ、歩きにくいから気をつけて進まないとね…!」
暖かくて、警戒するのが難しいから、魔物に不意打ちされやすいかも…!絶対防御無かったら死んでた。
それでも…堪らんー!!!♡
今くらいなら、寝ても良いのではー!
「彼女髪サラサラで良くないか?イキイキとした表情で可愛らしいな。」
「服ビショビショだけど大丈夫か…?」
温泉により手に入れたスベスベの肌と、眉毛を剃ったことによる垢抜けで、エネアは目付きは悪いがある程度の人には刺さる見た目くらいまで、垢抜けていたのだ。
浮腫も温泉により取れており、今のビジュは、愛嬌ある普通の顔くらいまで垢抜けている。
それと魅了によりちょっと可愛いくらいになっている。
それを知らずにエネアは温泉の虜になりはしゃいでいるのだった。
「はー♡堪らないよぉ…。垢抜ける快感と、温泉様ぁ…。」