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丸っこいのは、素手でいいとの事だった。「あっ、僕が使うのは修乱ではないですので、真似はしないで下さいね。」とだけ。
始まると同時に、その丸っこいのは手を合わせて、技を発動した。「克螺張…凱旋!」そういうと、風が発生し、吹き飛ばされそうなほど強かった。すると…
わたしの頭の中に、一つの技が浮き上がって来た。
わたしはそれをなぞるように唱えた。「む、無修乱…報の調…?無万…集露…?」わたしの周りに小さな火玉ができ、風を打ち消すように跳ねて、飛んで、破裂していった。丸っこいのは驚いた目で見て、また技を繰り出した。「克螺張、紅楼!」赤い線が地面から生えてきて、わたしを取り囲んだ。わたしの頭の中に、何個も技が派生し、浮かんできた。徹底的に使ってみようと、試した。「無修乱…挽の調…無想情!」周りの特定の場所が切り抜かれたように消えた。技も、全て。
前のこよみの言葉、「ためらうことはしないでください。」この言葉を信じて、わたしは丸っこいやつに突っ込んだ。「克螺張!梅楽蘭!」防御をしてきた。そして、わたしは次の技で、決めた。「無修乱…震の調、羽射界斬!」わたしは特攻し、広場の壁に、丸っこいのを打ち付けた。
そこで稽古終了の合図。丸っこいのは、「強いね…その修乱。羨ましいなぁ。初めてでしょ?凄いじゃん。」と言ってくれた。その一部始終を見られていたのか、こよみが近づいてきた。「じゃあ…つ、つぎはわたしと…ですね?」わたしは息切れながらも、少し縦に頷いた。
無修乱。その名の通り、何もかも無にする技ばっかだ。これなら、勝てるのかもしれないと、わたしの頭に考えが通った。